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フランスにおけるワークシェアリングの試み労働時間の政治経済学

労働時間の政治経済学 フランスにおけるワークシェアリングの試み

A5判 414ページ 上製
価格:7,260円 (消費税:660円)
ISBN978-4-8158-0652-1 C3033
奥付の初版発行年月:2010年12月

内容紹介

ヨーロッパの先進的な労働時間短縮の試みは、失業問題・ワークシェアリング政策と不可分である。フランスの週35時間労働制が雇用創出と労使関係に与えた効果について、1980年代から現在までの制度の追跡と、ルノーやトヨタ・フランスなどの実態調査によって、マクロとミクロ両面より分析する。


目次

序 章 労働時間短縮をめぐる諸問題
  1 フランスにおける失業問題
  2 ワークシェアリングの経済学
  3 労働時間と雇用の政治学
  補論1 ワークシェアリングの経済学への補論
  補論2 フランスにおける派遣労働者
  補論3 フランスの「代表的」労働組合
     コラム1 カードル(基幹職)とは

   第Ⅰ部 週35時間労働法の成立と運命

第1章 35時間労働法への歩み
  1 労働時間短縮の歴史
  2 39時間労働制と労働のフレキシブル化
  3 ロビアン法 : 雇用創出のための労働時間短縮
     コラム2 労働時間のモジュール化

第2章 2つのオブリー法
  1 35時間労働法の舞台裏
  2 オブリー法Ⅰ
  3 オブリー法Ⅱ
  4 労使関係に関するイノベーション

第3章 オブリー法の効果と社会的アクターの反応
  1 2001年末における35時間労働法の効果
  2 経営者のオブリー法に対する態度
  3 労働組合の姿勢
  4 労働者の反応
  5 多数派の支持、しかし……

第4章 時間戦争 : 35時間労働の終焉?
  1 35時間労働法批判のイデオロギー
  2 フィヨン法によるオブリー法Ⅱの修正
  3 2005年3月31日の法 : 35時間労働の終焉?
  4 長時間労働促進法としての2007年8月21日の法(TEPA法)
  5 右派政権による労働法の修正はなぜ効力を持たなかったのか
  補論4 政府の財政負担
     コラム3 CFDT、CFE-CGC及びCGTの共同声明(2007年6月7日)

   第Ⅱ部 法定週35時間労働制で働く

第5章 35時間労働制への移行方法と実態
  1 一般的傾向
  2 自動車メーカーにおける35時間労働制と労使関係

第6章 金属産業の部門協定
  1 1998年7月28日の部門協定の問題
  2 2000年1月29日の修正部門協定
  3 基幹職(カードル)層の拡大問題
  4 法と金属産業の労使間協定
  補論5 金属産業におけるパートタイム労働
     コラム4 新学位(LMD)制度

第7章 ルノーにおける35時間労働
  1 1980・1990年代におけるルノーの再建と労使関係
  2 35時間労働制のための企業協定
  3 危機への対応
     コラム5 ルノーCGTはなぜ署名を拒否したのか

第8章 PSAプジョー・シトロエンにおける35時間労働
  1 1980・1990年代におけるPSAグループの再建と労働政策
  2 35時間労働制のための企業協定
  3 労働時間管理のフレキシブル化と危機への対応

第9章 トヨタ・フランスと35時間労働法
  1 トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・フランス (TMMF)
  2 TMMFの雇用・労働関係
  3 2001年労使間協定における労働時間管理
  4 2009年4月のストライキと労働時間の年間管理
     コラム6 トヨタ生産システム(TPS)用語

終 章 不可逆的な進化
  1 35時間労働法が生み出した労働世界
  2 制度経済学への理論的インプリケーション
  3 日本の労働時間問題を考える


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