日中国交正常化の政治史
価格:9,240円 (消費税:840円)
ISBN978-4-8158-0653-8 C3031
奥付の初版発行年月:2010年12月
「不同意の同意」へと至る20年の交渉を、台湾問題の決定的重要性や国内政治との相互連関を再評価して解明。友好史観、外的衝撃論、「二つの中国」政策論などの通説を正すとともに、激しい外交闘争と和解の模索の両面からその政策過程を捉え直して、歴史的交渉の新たな全体像を描き出す。
目次
序 論 戦後日本外交における中国
第1章 中国問題の起源
—— 「現実政治」と「法理」のはざまで、1951~1952年 ——
1 対日講和と中国代表問題
2 吉田書翰の形成過程
3 日華平和条約締結交渉
4 日華平和条約の弁証
第2章 講和後日本の中国政策の試行
—— 「逆滲透」・「平和攻勢」・「政経分離」、1952~1958年 ——
1 吉田茂の中国「逆滲透」構想
2 鳩山政権と「平和攻勢」
3 「政経分離」路線と日中断絶
第3章 国連中国代表権問題と日本外交
—— 「二つの中国」論の模索、1954~1964年 ——
1 「二つの中国」論の登場
2 池田政権と国連中国代表権問題
3 アジア冷戦の変容と池田外交
4 「二つの中国」論の後退
第4章 日中民間貿易と台湾問題
—— LT貿易体制の成立と自民党政治、1958~1964年 ——
1 自民党親中国派の形成
2 日中LT貿易協定の締結
3 日華紛争の再燃と自民党親台湾派
4 第二次吉田書翰と日中貿易
第5章 佐藤政権初期の中国政策再考
—— 対中国緊張緩和の挫折、1964~1965年 ——
1 佐藤榮作の中国政策構想
2 対中国緊張緩和の模索と挫折
第6章 佐藤政権の対国府政策と日中関係
—— 「反共外交」と「経済開発」のはざまで、1964~1969年 ——
1 国府「台湾化」の模索
2 中国外交の急進化と日中関係の冷却化
3 佐藤訪台をめぐる政策過程
4 沖縄返還交渉と「台湾条項」の成立
第7章 米中接近と日本の中国政策
—— 「暫定協定」をもとめて、1969~1971年 ——
1 日中接近の模索
2 佐藤政権の中国政策再検討
3 国連中国代表権問題をめぐる日米協議
4 ニクソン・ショックと国連中国代表権の敗退
第8章 日中国交正常化交渉と台湾問題
—— 1971~1972年 ——
1 佐藤訪中の幻
2 田中政権の成立と台湾問題
3 北京への道
4 日中国交正常化交渉と台湾問題
結 論 日中国交正常化とは何だったのか