中国近世の福建人 士大夫と出版人
価格:7,260円 (消費税:660円)
ISBN978-4-8158-0689-7 C3022
奥付の初版発行年月:2012年02月
東アジアの文化のハブとなった 「南」 の精神に測鉛をおろす —— 。「朱子学の原郷」 にして出版文化の中心を抱え、科挙で驚異的な成功を収めながら中央の政治とは縁遠く、海外の世界へと開かれた 「異域」 の個性。中国官僚社会でのふるまいと歴史教科書の出版を焦点に、その歴史的境位と文化の質を見定める。
目次
序 説
1 マンジの国で
2 士大夫のノルムの形成と朱子学
第Ⅰ部 福建士大夫と官僚社会
第1章 劉後村と南宋士人社会
1 「当代一流の人」
2 土狭人稠の地
3 灰色の時代
4 更化と善類
5 『清明集』 の名公
6 公論の芒刺
7 「鄂州」 前後
第2章 明末の閩人
1 閩人コンプレックス
2 二百年来、相なし
3 倭寇体験
4 宇宙間の一大変
5 偵 探
6 紅 夷
7 鄭 芝 龍
第Ⅱ部 歴史教科書と福建人
第3章 教科書の埃をはたく —— 『資治通鑑綱目』 再考
1 埃をかぶった教科書
2 編集過程
3 サークルの中で
4 出 版
5 類書の中の 『綱目』
6 尹起莘と周密
7 「凡例」 の浮上
8 凡例の二忠臣
9 遅れてきた精読者
10 労作の中身
11 諸注の合流
12 慎 独 斎
第4章 不肖の孝子 —— 『少微通鑑』
1 明代の 「通鑑」
2 少微先生
3 元刊本の存在
4 「陸状元本」 ・ 『綱目』 ・ 『少微』
5 「松塢師弟」
6 劉剡の細工
7 『節要続編』
8 劉剡の工夫
9 年代記の変質
第5章 『通鑑』 のインブリード —— 「綱鑑」
1 「綱鑑」 なるもの
2 余象斗とその他
3 『少微通鑑』 との関係
4 『大方綱鑑』
5 評 林
6 「綱鑑」 のテクスト
7 『通鑑』 『綱目』 以前
8 続編同士
9 『続綱目』 の叛臣
むすびに
結 語