近世米市場の形成と展開 幕府司法と堂島米会所の発展
価格:6,600円 (消費税:600円)
ISBN978-4-8158-0692-7 C3033
奥付の初版発行年月:2012年02月
日次データによる大坂米相場の復元により、効率的価格形成の具体的様相と、そのダイナミックな地方への波及を解明、幕府の米切手政策を軸に世界的先駆をなす市場の成立を新たな水準で描く。幕府の政策を失敗とのみ位置づけた従来の評価を覆し、近世市場の到達点を捉え直した画期的成果。
目次
序 章 幕藩体制下における米市場
第1節 幕藩制的市場とは何か
第2節 幕府の米市場統制策
第3節 近世米市場の効率性
第Ⅰ部 領主米市場の形成
第1章 幕府直轄米市場の成立
第1節 大坂米市場の成立
第2節 大津米市場の成立
第3節 蔵米流通機構の成立
小 括
第2章 大坂米市場の制度的基礎
第1節 米切手発行市場
第2節 取引制度分析
第3節 決済制度分析
小 括
第Ⅱ部 幕藩領主と大坂米市場
第3章 米価統制策の再検討
第1節 米価系列の復元
第2節 18世紀の米価統制策
第3節 文化期 (1804-1817) の米価統制策
小 括
第4章 米切手統制策の再検討
第1節 宝暦11年空米切手停止令の意義
第2節 明和期の米切手統制策
第3節 滞り切手公銀入替政策
小 括
第5章 大坂米市場と大名財政
第1節 米切手改印制度
第2節 天明期の御用金政策
第3節 幕府司法と大坂米市場
小 括
第Ⅲ部 近世社会と相場情報
第6章 大坂米市場の効率性
第1節 市場の情報効率性
第2節 合理的期待仮説の検証
第3節 大坂米市場の情報効率性
小 括
第7章 幕府直轄米市場の連動と統合
第1節 地方米市場としての大津米市場
第2節 相場情報の伝達 —— 飛脚から手旗信号へ
第3節 市場間連動の定量分析
小 括
終 章 近世社会における市場の論理