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近代日本の研究開発体制

近代日本の研究開発体制

菊判 622ページ 上製
価格:9,240円 (消費税:840円)
ISBN978-4-8158-0714-6 C3021
奥付の初版発行年月:2012年11月

内容紹介

わが国の研究開発体制はどのように形成され、いかなる特質をもつのか。東アジアの後発工業国がキャッチアップを実現するために、第1次大戦から高度成長期までの約半世紀、「科学技術」 の戦争動員を経つつ (軍) 官産学の連携をはかり研究開発に取り組んできた歴史を、圧倒的な実証によって跡づけた画期的研究。現代日本のナショナル・イノベーション・システムを考える上でも必読の労作である。


目次

序 章 研究開発体制の歴史的位相

   第Ⅰ部 戦間期の研究開発体制

第1章 「帝国」 の技術者 —— 供給・移動・技能形成
     はじめに
     1 日本帝国における技術者の供給と移動
     2 中国人留学生の動向
     3 技術者の技能形成
     おわりに

第2章 官公私立鉱工業試験研究機関の変遷とその特質
     はじめに
     1 技術者数の変遷
     2 民間試験研究機関
     3 官立試験研究機関
     4 公設試験研究機関
     5 研究開発体制の諸問題
     おわりに

第3章 陸軍における研究開発 —— 陸軍技術本部・陸軍科学研究所
     はじめに
     1 陸軍技術本部
     2 陸軍科学研究所
     おわりに

第4章 海軍における研究開発 —— 海軍技術研究所
     はじめに
     1 海軍技術研究所小史
     2 海軍技術研究所の研究体制
     3 各部の研究活動
     おわりに

   第Ⅱ部 戦時期の研究開発体制

第5章 戦時期日本帝国における技術者供給
     はじめに
     1 大学工学部の拡充
     2 工業専門学校の拡充
     3 「外地」 での技術者供給
     4 戦時下の外国人留学生
     おわりに

第6章 戦時期の産業技術政策 —— 技術院を中心に
     はじめに
     1 科学技術新体制の確立に向けて
     2 科学技術審議会の活動
     おわりに

第7章 戦時期における研究開発体制の変容 —— 科学技術動員と共同研究の深化
     はじめに
     1 官公私立試験研究機関の動向
     2 戦時下における共同研究の拡大・深化
     3 太平洋戦争末期の研究動員 —— 決戦兵器○け※開発をめぐって ※「け」 の丸囲み
     おわりに

第8章 太平洋戦争後期における 「共同研究」 の諸相
       —— 海軍科学技術審議会と真空管増産研究
     はじめに
     1 海軍科学技術審議会の活動
     2 真空管増産のための 「共同研究」
     おわりに

第9章 陸軍航空本部技術部・陸軍航空技術研究所の活動
     はじめに
     1 陸軍航空本部技術部の活動
     2 陸軍航空技術研究所の活動
     おわりに

第10章 海軍航空廠・海軍航空技術廠の活動
     はじめに
     1 海軍航空廠の活動
     2 海軍航空技術廠の活動
     おわりに

第11章 太平洋戦争期における陸軍の研究開発体制構想
       —— 陸軍兵器行政本部技術部の活動を中心に
     はじめに
     1 陸軍兵器行政本部の成立と同技術部の陣容
     2 陸軍技術研究所の動向
     3 陸軍兵器行政本部技術部の研究開発体制構想
     4 部外組織の動員
     おわりに

   第Ⅲ部 戦後復興期の研究開発体制

第12章 研究開発体制の再構築
     はじめに
     1 アメリカによる対日科学技術政策の展開と科学技術者の軍民転換
     2 研究開発体制の再構築
     おわりに

  付 論 陸海軍科学技術者の軍民転換 —— 『学士会会員氏名録』 を素材にして

第13章 技術者の軍民転換と鉄道技術研究所
     はじめに
     1 鉄道技術研究所の組織の変遷
     2 中央航空研究所・陸海軍技術者の受け入れと公職追放
     3 鉄道技術研究所の変容
     おわりに

第14章 戦後復興期の機械試験所
     はじめに
     1 機械工業・機械試験所のあり方をめぐって
     2 軽機械に対する取り組み
     3 鉱山機械・農業機械に対する取り組み
     4 工作機械・ガスタービンに対する取り組み
     おわりに

   第Ⅳ部 1950年代の研究開発体制

第15章 1950年代における技術開発政策構想の展開
     はじめに
     1 産業技術開発金庫構想の展開
     2 産官学連携の試み
     3 日本開発銀行の新技術工業化融資と通商産業省の技術開発助成政策
     4 モデルとしてのイギリスの実践 —— 研究組合と新技術開発公社
     5 鉱工業技術研究組合法の制定
     6 新技術開発事業団の発足
     おわりに

第16章 軸受開発の研究ネットワーク
     はじめに
     1 1950年代の機械試験所における軸受研究の展開
     2 1950年代における軸受研究のネットワーク
     おわりに

第17章 溶接をめぐる共同研究ネットワーク
       —— 1940年代後半・50年代における日本溶接協会の活動を中心に
     はじめに
     1 日本溶接協会の設立
     2 日本溶接協会の活動
     3 造船業における高速度自動溶接機普及の諸条件
     おわりに

第18章 光学工業における共同研究の展開
       —— 光学工業技術研究組合の活動を中心として
     はじめに
     1 写真機技術懇談会の活動
     2 光学懇話会と日本写真機工業会・生産技術専門委員会の活動
     3 カメラ工業技術研究組合の活動
     4 光学工業技術研究組合の活動
     5 東京大学生産技術研究所の役割
     おわりに

第19章 戦後における技術士の誕生
     はじめに
     1 日本技術士会の設立 (1951年)
     2 技術士法の制定に向けて
     3 日本技術士会の設立 (1958年)
     おわりに

終 章 研究開発体制の戦前・戦中・戦後


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