教育と学びの心理学 基礎力のある教師になるために
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-8158-0729-0 C3037
奥付の初版発行年月:2013年04月
ときどきの政策や潮流に左右されない、教育心理のもっともベーシックな知識とは何か。「教える-学ぶ」 関係の心理を丁寧に解説し、基礎の確実なマスターを通じて応用力を養うことを目指す。教員・子どもをめぐる環境変化を超えて、その発達支援を支える知恵の詰まった信頼のテキスト。
目次
序 章 教育のための心理学
1 「教える-学ぶ」 喜び
2 今日的教育の場の周辺
3 ベーシックな確かな知識を身につける必要性
4 将来に向けた教育のための心理学
5 本書の構成
第Ⅰ部 教育と発達のかかわり
第1章 教育と発達
1 発達の原理
2 発達の姿
3 教育と発達
4 教育活動における発達理解の意義
トピック ミラーニューロン
第2章 子どもの知はいかに発達するか
1 知的とは
2 ピアジェの認知発達理論
3 素朴理論
4 言語の発達
5 リテラシー・ニュメラシーの発達
トピック 9歳の壁
第3章 社会化する子どもたち
1 社会化とは
2 アタッチメント
3 コミュニケーションの発達
4 道徳性・向社会性の発達
トピック 情動知能
第4章 パーソナリティを形づくるもの
1 パーソナリティ・性格・気質
2 パーソナリティの諸理論
3 パーソナリティの測定方法
4 パーソナリティ形成に影響する要因
5 教育現場におけるパーソナリティの視点
トピック ゲノムワイド関連解析
第5章 青年期の課題に立ち向かう
1 移行期としての青年期
2 身体の変化と自己意識
3 アイデンティティの形成
4 青年期の対人関係
5 性 —— ジェンダーとセクシャリティ
トピック 学校移行は個人の成長にとってプラスかマイナスか
第6章 発達する教育者たち
1 相互作用としての教育
2 教師としての役割の発達
3 子ども・同僚・専門家との相互作用によって成長する教師
4 親としての役割の発達
5 子どもにより成長する親
トピック 教師と保護者は子育てのパートナー
第Ⅱ部 教育と学習の間
第7章 学習の基礎を考える
1 学習を支える心理学的理論
2 読むということ
3 憶えるということ —— 記憶の過程
4 考えるということ —— 思考の過程
トピック メタ認知の学校での活用
第8章 教室での学びの構成
1 教室における学びとは
2 教室における学びを促す教授法
3 効果的な授業づくりに向けて
トピック 「総合的な学習」 の功罪
第9章 学ぶ意欲をいかに高めるか —— 学習への動機づけ
1 自ら学ぶ意欲とは —— 自律的動機づけ
2 やる気と目標
3 無気力になるとき —— 学習性無力感と随伴性認知
4 関係性からの動機づけ
トピック やる気を引き出す教師とは
第10章 学力の捉え方と評価
1 学力とは
2 学力の測定
3 評価の基礎
4 最近の測定・評価
トピック 問題解決力を問う問題を入試に導入することは可能か
第11章 学級集団の友人関係
1 友人関係の形成
2 友人関係と学級適応
3 学級集団構造
4 学級集団の規範
トピック ケータイやネットでつながる友人関係
第12章 教師-子ども関係がもたらすもの
1 教師と子どもの人間関係
2 教師から子どもへの影響過程
3 教師-子ども関係における教師の課題
トピック 教師としての構えを転換するインクルーシブ教育
第13章 教科外の学習の効用
1 学校内における教科外活動
2 学校外の教育施設を利用した活動
3 家庭および社会生活の中での活動
4 教科外の学習の実践および研究にかかわる課題
トピック 最近の子どもたちの体力とその背景
第14章 異文化の教育の内と外
1 異文化で育つ子どもたちと言語・文化の習得
2 社会化の文化差
3 異文化適応
4 多文化教育
トピック 日本における小学校の英語教育およびイマージョン型教育
第Ⅲ部 進路と心の問題
第15章 人とキャリア発達
1 キャリアとは何か
2 生涯にわたるキャリア
3 キャリア・デザインとキャリア発達支援
トピック 若年者の就労問題とその背景
第16章 進化するキャリア教育
1 進路指導からキャリア教育へ
2 個人と社会の結節を目指して
3 キャリア教育を支える理論
4 さまざまなキャリア教育の実践
トピック 「職業感」 から 「職業観」 へ
第17章 児童・生徒が陥る心の闇
1 不登校
2 非 行
3 児童虐待
4 子どもの精神病理
トピック PTSDと児童虐待
第18章 障害児の学びを支える
1 発達障害とは
2 発達障害の要因
3 発達障害と認知機能
4 発達障害によく認められる二次的障害について
5 発達障害児への援助
トピック 発達障害の子どもと自己理解
第19章 学校にせまる危機
1 危機とは
2 学校に危機をもたらすもの
3 危機管理・危機対応
4 学校における危機対応 —— 危機管理のプロセスに即した取り組み
トピック 教師の危機対応研修
第20章 心の問題を抱える子どもの援助に向けて
1 心の問題をどのように捉えるのか —— 臨床心理アセスメント
2 心の問題にどのようにかかわるのか —— 臨床心理面接
3 コラボレーション・連携
トピック Being としての子どもとかかわる