アメリカ福音派の変容と政治 1960年代からの政党再編成
価格:7,260円 (消費税:660円)
ISBN978-4-8158-0734-4 C3031
奥付の初版発行年月:2013年07月
宗教右派が呼び起こした政治的うねりは、はたして米国でどれほどの力をもってきたのか。エピソードで語られがちな政治と宗教の関係を、保守的教派と政党対立構造の変化のダイナミズムを焦点に、長期にわたる統計分析によって客観的に把握し、今後を展望した画期的労作。
目次
序 論
第1章 先行研究と分析の枠組み
第1節 宗教と政治の関わりに関する先行研究
1 民族宗教理論
2 宗教再編成理論
第2節 統合モデル
1 宗教的信念と宗教への態度
2 宗教教派への帰属
3 統合モデル
第3節 宗教への帰属と福音派の定義
1 宗教伝統系列
2 福音派教派の定義と教派分類
3 福音派分類に関わる諸問題
4 まとめ
第4節 政党再編成理論
1 政党再編成の定義
2 政党再編成のメカニズム
3 争点交代の不在
4 「争点態度レベル」 と 「集団レベル」 の組み替え
5 データセット
第2章 福音派の形成とリベラリズムへの反応
第1節 福音派の形成
1 近代主義への反動
2 原理主義運動
3 原理主義-近代主義論争
4 原理主義陣営の分裂とNAEの誕生
5 主流派と福音派の形成
6 社会経済的特徴と党派性
7 その他の系列
8 まとめ
第2節 リベラリズムの拡大と福音派の反応
1 リベラリズムの急進化と世論からの乖離
2 主流派
3 福音派
4 福音派運動の変質と指導者の交代
5 まとめ
第3章 福音派と政党対立構造の変容
第1節 1960年代の政治変動と未完の政党再編成
1 1950年代の政党対立
2 人種問題
3 リベラリズムの拡大と民主党のリベラル化
4 共和党の曖昧な対応
5 まとめ —— 未完の争点進化
第2節 宗教右派運動と政党再編成
1 亀裂勢力の台頭
2 亀裂勢力の浸透と共和党の保守政党化
3 争点の融合と拡大
4 まとめ —— 争点進化の完成
第3節 イデオロギー対立の激化と福音派の新たな変容
1 イデオロギー対立の激化
2 宗教右派の衰退
3 福音派の新たな変容
4 まとめ
第4章 政党再編成
—— イデオロギー争点の形成と福音派の変容が生んだ政党支持基盤の変化
第1節 争点と政党再編成
1 争点の進化
2 争点による政党支持基盤変化
3 イデオロギー争点による政党再編成
4 まとめ
第2節 福音派の変容と政党再編成
1 宗教への帰属
2 争点の変化と宗教集団の反応
3 政党支持変化の理由
4 政党再編成と福音派の影響
5 社会経済的属性の影響
6 まとめ
第3節 3つのBによる統合分析
1 宗教的信念と態度
2 政党支持と争点態度
3 統合分析
4 政党支持連合の変容
5 まとめ
第5章 福音派変容のプロセス
—— 世代交代によって変化した政党支持傾向
第1節 問題の設定と仮説
1 政党帰属意識に関する論争
2 政党帰属意識に関する仮説
3 加齢による党派性の強化
第2節 世代交代と転向による変化
1 世代間の政党支持格差
2 転向と世代交代
3 世代格差が生まれた理由
4 人口移動
5 世代交代のインパクト
6 まとめ
第3節 福音派の新たな変容
1 1970年世代
2 新世代のインパクト
3 宗教伝統系列別比較
4 宗教と政治
5 まとめ
結 論
第1節 まとめと結論
第2節 今後の展望
補論1 プロテスタント教派の歴史と分類
補論2 変数の説明