日本型排外主義 在特会・外国人参政権・東アジア地政学
価格:4,620円 (消費税:420円)
ISBN978-4-8158-0763-4 C3036
奥付の初版発行年月:2014年02月
日本型の排外主義運動はいかにして発生し、なぜ在日コリアンを標的とするのか? 「不満」や「不安」による説明を超えて、謎の多い実態に社会学からのアプローチで迫る。著者による在特会への直接調査と海外での膨大な極右・移民研究の蓄積をふまえ、知られざる全貌を鋭く捉えた画期的成果。
目次
プロローグ
序 章 日本型排外主義をめぐる問い
1 排外主義運動の勃興
2 誰が排外主義運動に馳せ参じるのか
3 なぜ排外主義運動に馳せ参じるのか
4 在日コリアンと 「在日特権」 をめぐる問い
5 「正常な病理」 から 「病理的な正常」 へ —— 事態の解明に向けて
第1章 誰がなぜ極右を支持するのか
—— 支持者像と支持の論理
1 西欧における極右研究の蓄積
2 なぜ極右は発生するのか —— 先行研究の整理
3 誰がなぜ極右を支持するのか —— 経験的研究による検証
4 極右政党研究の 「ノーマル化」 とその先へ
第2章 不満・不安で排外主義運動を説明できるのか
1 社会運動研究における不満・不安の位置づけ
2 大衆社会論と排外主義運動
3 競合論と排外主義運動
4 代替的な説明図式
5 排外主義運動のリアルな把握に向けて
第3章 活動家の政治的社会化とイデオロギー形成
1 活動家の多様性とミクロ動員過程
2 イデオロギーと政治的社会化 —— 緩やかな説明変数と被説明変数
3 政治的社会化の過程
4 排外主義を受容する土壌
第4章 排外主義運動への誘引
—— なぜ 「在日特権」 フレームに共鳴するのか
1 構築される不満 —— 問題の所在
2 運動と個人のフレーム調整
3 活動家の語りにみるフレーム調整過程
4 「在日特権」 フレームの共鳴板
5 排外主義運動との運命の出会い
第5章 インターネットと資源動員
—— なぜ在特会は動員に成功したのか
1 インターネットと排外主義運動
2 インターネットと動員構造の変容
3 排外主義運動へのミクロ動員過程
4 資源動員をめぐる後発効果
第6章 排外主義運動と政治
—— 右派論壇の変容と排外主義運動との連続性をめぐって
1 ミクロ動員から政治的機会構造へ
2 言説の機会構造 —— 分析視点
3 言説の機会構造と排外主義運動の関連
4 ネットカルチャーと排外主義運動
5 右派論壇の鬼子としての排外主義運動
第7章 国を滅ぼす参政権?
—— 外国人参政権問題の安全保障化
1 外国人参政権問題をめぐる日本的特殊性 —— 問題の所在
2 デニズンの権利と安全保障化をめぐる日本的特質
3 外国人参政権問題の日本的展開
4 外国人参政権をめぐる脱安全保障化
第8章 東アジア地政学と日本型排外主義
—— なぜ在日コリアンが標的となるのか
1 東アジア地政学と在日コリアン —— 問題の所在
2 分析枠組み —— 民族化国家としての戦後日本
3 二者関係によって何が進むのか —— 在日コリアンの変遷と地方市民権
4 本質主義と外国人排斥の正当化
5 日本型排外主義を生み出すもの
エピローグ
補 遺 調査とデータについて