新宗教と総力戦 教祖以後を生きる
価格:5,940円 (消費税:540円)
ISBN978-4-8158-0815-0 C3014
奥付の初版発行年月:2015年09月 / 発売日:2015年09月中旬
教祖亡き後、その存続をかけて自己形成をはかる新宗教。当局の介入や国家主義の高まり、戦時総動員の動きといった状況のなかで、指導者や信者たちは、前代の 「遺産」 をどう読み替え、信仰実践の地平を拓いてきたのか。天理教を事例に、人びとが生きた新宗教の実像に迫る。
目次
序 章 新宗教と総力戦
はじめに
1 新宗教の歴史性
2 近代日本の宗教体系
3 新宗教運動と国家との関係性をめぐる研究
4 新宗教運動と戦争との関係性をめぐる研究
5 本書の構成
6 中山みきとは誰か —— ひとつの〝読み〟として
第1章 信仰共同体の危機と再構築 —— 飯降伊蔵と本席‐真柱体制
はじめに
1 教祖の死と信仰共同体の危機
2 飯降伊蔵のライフ・ヒストリー
3 中山真之亮と信仰共同体の闘い
4 本席‐真柱体制の成立
5 「おさしづ」 と親神共同体
おわりに
第2章 戦前における中山正善の活動
—— 宗教的世界の構築とその政治的位置について
はじめに —— 「革新」 の問い
1 中山正善という課題
2 原 典
3 収 集
4 伝 道
おわりに —— 宗教的世界の政治的位置
第3章 「革新」 の時代
はじめに
1 一派独立と国家主義への接近
2 教団の発展と帝国主義
3 「満洲天理村」 という実験
4 「革新」 の断行
第4章 宗教経験としてのアジア・太平洋戦争 —— 〈ひのきしん〉 の歴史
はじめに —— 〈ひのきしん〉 とは何か
1 〈ひのきしん〉 は変化したか
2 国家・戦争・〈ひのきしん〉
おわりに —— 宗教経験としての総力戦
第5章 宗教のなかの 「聖戦」/「聖戦」 のなかの宗教 —— 〈ひのきしん〉 の思想
はじめに —— 「聖戦」 とは何か
1 日常の戦争
2 「聖戦」 の教義
3 〈ひのきしん〉 の思想
おわりに —— 「聖戦」 と 〈ひのきしん〉
第6章 「復元」 の時代
1 敗戦と天理教
2 「天理教教典」 の成立
3 「おふでさき註釈」 のテクストとコンテクスト
4 アプレ・ゲールと天理教
終 章 動員への経路