現代ロシア経済 資源・国家・企業統治
価格:5,940円 (消費税:540円)
ISBN978-4-8158-0828-0 C3033
奥付の初版発行年月:2016年02月 / 発売日:2016年02月中旬
ソ連解体からエリツィンを経てプーチン体制へ、未曾有の経済危機から新興国へと成長したロシア経済を、資源のみならず、独自のガバナンスの重要性に着目して包括的に叙述、移行経済におけるインフォーマルな国家・企業間関係の決定的意味を捉え、ロシア型資本主義の特質に迫る。
目次
序 章 ロシア型資本主義への道
第Ⅰ部 経済の体制転換とロシア企業の発展 —— 理論的枠組み
第1章 ロシア企業の成立過程と成長条件
はじめに
1 ロシアの企業組織に関する分析視角 —— 企業とは
2 「ソ連型企業」 は 「企業」 ではないのか
3 「資本主義企業」 転換への課題
おわりに
第2章 ロシア経済のインフォーマル・メカニズム
はじめに
1 ロシアの見えない掟 —— 「インフォーマル」 とは
2 企業統治に関するインフォーマル・メカニズム —— 1990年代の展開
おわりに
第Ⅱ部 市場経済化政策とロシアの資本主義化
第3章 計画経済から市場経済へ —— 新たな企業家の形成と企業グループの誕生
はじめに
1 ソ連型国有企業の私有化
2 大企業グループと企業家
おわりに
第4章 ロシア新興財閥の成長 —— エリツィン時代
はじめに
1 ユーコス —— 整合的な垂直統合企業の形成
2 シバール (ルサール) —— 地方の精錬会社から世界的企業へ
3 ノリリスク・ニッケル —— 旧国営コンツェルンの発展
おわりに
第Ⅲ部 ロシア型国家資本主義の台頭
第5章 進む戦略的分野の国家主導
はじめに
1 資源の国家管理
2 戦略産業のコントロール
おわりに —— 戦略的分野の国家管理
第6章 ロシア新興財閥の変容 —— プーチン時代
はじめに
1 「ユーコス事件」 と国家と企業
2 ノリリスク・ニッケルをめぐる攻防 —— ルサールとの争い
3 「プーチン社長」 と 「ロシア株式会社」
おわりに
第7章 経済の国家関与強化と企業システムの発展
はじめに —— プーチン時代の 「国家資本主義」
1 経済への国家関与
—— プーチン-メドヴェージェフ双頭体制から第二次プーチン政権へ
2 政府系企業の躍進 —— ガスプロムとロスネフチ
3 国家主導型資本主義への動き —— 国営企業の創設へ
おわりに
終 章 変わるロシア・変わらないロシア