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利用の基礎と実際放射線と安全につきあう

放射線と安全につきあう 利用の基礎と実際

B5判 248ページ 並製
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-8158-0875-4 C3042
奥付の初版発行年月:2017年05月 / 発売日:2017年05月下旬

内容紹介

RIからX線・放射光まで、利用にあたり必要な知識を体系的に整理。人体への影響や放射線計測法、緊急時の対応などについて、図表を多用して視覚的に解説した本書は、大学や企業などで実際に放射線を取扱う人はもちろん、中学高校で放射線教育に携わる教員にも最適のテキストである。

著者プロフィール

西澤 邦秀(ニシザワ クニヒデ)

名古屋大学名誉教授、医学博士

柴田 理尋(シバタ ミチヒロ)

名古屋大学アイソトープ総合センター教授、博士(工学)

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 放射線とつきあう

  Ⅰ 放射線の人体に与える影響

Ⅰ-1 人体への影響
   1 人体に対する放射線影響の分類
     1.1 早期影響と晩発影響/ 1.2 確定的影響と確率的影響/ 1.3 放射線の人体への
     作用機構の概要
   2 確定的影響
     2.1 被曝の仕方による影響の違い/ 2.2 線量・線量率の影響/ 2.3 線質の影響/
     2.4 確定的影響のしきい値/ 2.5 組織・臓器の放射線感受性/ 2.6 急性放射線症
     候群/ 2.7 造血器に対する影響/ 2.8 生殖腺に対する影響/ 2.9 眼の水晶体に
     対する影響/ 2.10 消化器系に対する影響/ 2.11 皮膚に対する影響
   3 確率的影響
     3.1 放射線発癌における疫学調査/ 3.2 放射線による発癌/ 3.3 小児の放射線感受性
   4 胎児への影響
     4.1 胎児の発育と確定的影響/ 4.2 胎内被曝による癌の誘発
   5 遺伝的影響
     5.1 遺伝的影響/ 5.2 遺伝的影響のリスクの推定方法/ 5.3 動物実験による遺伝
     的影響のリスク/ 5.4 広島・長崎の調査結果
   6 低線量被曝の影響
     6.1 低線量の範囲/ 6.2 科学的アプローチの限界/ 6.3 放射線応答の生物学的意
     味合い

Ⅰ-2 分子・細胞レベルでの影響
   1 放射線によるDNA損傷と修復
     1.1 放射線の生体・細胞への作用機構/ 1.2 放射線によってできるDNA損傷/ 1.3
     DNA損傷の修復
   2 DNA損傷の細胞への影響
     2.1 DNA損傷に対する細胞応答とDNA損傷の情報伝達/ 2.2 放射線感受性/ 2.3
     突然変異と染色体異常
   3 放射線発癌
     3.1 放射線の発癌性/ 3.2 癌における細胞増殖コントロールの異常/ 3.3 多段階
     発癌

  Ⅱ 放射線の基礎

Ⅱ-1 放射線の性質
   1 放射線・放射能の性質
   2 原子核の基本的性質
   3 放射性同位元素の壊変
   4 放射性同位元素の壊変則
   5 放射性同位元素の製造
   6 放射線と物質の相互作用
     6.1 荷電粒子と物質の相互作用/ 6.2 γ (X) 線と物質の相互作用/ 6.3 中性子と
     物質の相互作用
   7 放射線の物質への作用機構
     7.1 放射線化学反応の特色/ 7.2 放射線の物質へのエネルギー付与/ 7.3 放射
     線重合 : 架橋、材料改質/ 7.4 放射線架橋と放射線分解

Ⅱ-2 放射線の測定
   1 放射線測定器と原理
     1.1 気体の電離作用を利用した測定器/ 1.2 シンチレーション計数装置/ 1.3 半
     導体検出器/ 1.4 積算型の放射線測定器
   2 個人被曝線量測定器
   3 作業環境用の測定器
     3.1 空間線量率の測定/ 3.2 空気中濃度の測定
   4 体内放射能の測定
     4.1 体外γ線測定/ 4.2 排泄物の測定/ 4.3 その他の人体試料の測定/ 4.4 食
     物中濃度の測定計算

Ⅱ-3 放射線と環境
   1 環境放射能・放射線
     1.1 自然界からの被曝/ 1.2 環境放射能/ 1.3 環境放射線
   2 環境レベルの放射線測定
   3 福島第一原子力発電所事故のよる環境汚染と対策
     3.1 汚染拡散のメカニズムと汚染分布の特徴/ 3.2 事故による環境汚染の推移/
     3.3 除染/ 3.4 食品中Csの基準濃度と摂取限度

Ⅱ-4 被曝低減の枠組み
   1 放射線防護の基本的な考え方
   2 線量と補助的な量
     2.1 放射線防護に関係する物理量/ 2.2 防護量/ 2.3 実用量
   3 線量限度
     3.1 線量限度の役割/ 3.2 線量限度の意味/ 3.3 線量限度の根拠

  Ⅲ 放射線安全取扱の実際

Ⅲ-1 放射線を扱うに当たって
   1 予防と事故対策
   2 使用資格
   3 被曝管理と防護
   4 管理区域入退方法

Ⅲ-2 放射性同位元素の安全取扱
   1 密封線源
     1.1 密封線源とは/ 1.2 密封小線源/ 1.3 密封中線源/ 1.4 密封大線源
   2 非密封線源
     2.1 非密封線源の特徴/ 2.2 非密封線源取扱施設/ 2.3 非密封線源の安全取扱
     / 2.4 管理区域の入退/ 2.5 実験/ 2.6 汚染検査/ 2.7 除染/ 2.8 廃棄/
     2.9 記録の届出

Ⅲ-3 放射線発生装置の安全取扱
   1 加速器
     1.1 加速器の種類/ 1.2 加速器施設の利用上の注意/ 1.3 放射化を伴う大型の
     加速器施設
   2 シンクロトロン光
     2.1 シンクロトロン光発生の原理と特性/ 2.2 シンクロトロン光施設/ 2.3 シ
     ンクロトロン光施設の利用上の注意

Ⅲ-4 X線発生装置の安全取扱
   1 X線装置の概略
     1.1 X線装置の構成/ 1.2 X線発生機構/ 1.3 連続X線/ 1.4 特性X線
   2 X線の吸収と遮蔽
     2.1 吸収係数/ 2.2 連続X線の吸収/ 2.3 X線の遮蔽
   3 X線装置の安全取扱

Ⅲ-5 緊急時の対応
   1 緊急時とは
   2 緊急時対応の原則
   3 業務従事者が取るべき具体的対応

  Ⅳ 放射線安全に関わる法令

Ⅳ-1 法令間の関係
   1 法律制定の背景
   2 主要な法律の規制対象

Ⅳ-2 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律
   1 障害防止法の構成
   2 用語
   3 安全管理体制
     3.1 使用者の役割/ 3.2 放射線取扱主任者とその代理者/ 3.3 放射線障害予防
     規程/ 3.4 記帳・記録
   4 人の安全管理
     4.1 教育訓練/ 4.2 健康診断/ 4.3 被曝・汚染管理/ 4.4 事故届/ 4.5 危険
     時の措置
   5 施設の管理
     5.1 許可と届出/ 5.2 施設の位置・構造・設備
   6 線源管理
     6.1 使用の基準/ 6.2 保管の基準/ 6.3 運搬の基準

Ⅳ-3 電離放射線障害防止規則
   1 電離則と除染電離則の関係
   2 電離則の構成
   3 用語
   4 安全管理体制
     4.1 事業者の責務/ 4.2 X線作業主任者の選任を要する放射線作業 / 4.3 X線
     作業主任者の職務
   5 人の安全管理
     5.1 教育訓練/ 5.2 健康診断/ 5.3 被曝管理/ 5.4 管理区域の管理/ 5.5
     緊急措置
   6 外部被曝対策
     6.1 X線装置/ 6.2 特定X線装置および非特定X線装置/ 6.3 工業用等の特定
     X線装置/ 6.4 非特定X線装置の安全対策/ 6.5 工業用等の特定X線装置の安全
     対策
   7 汚染の防止対策
   8 施設の管理
   9 手続

  Ⅴ 放射線の利用例

Ⅴ-1 放射線利用の概要

Ⅴ-2 医 療
   1 医療での利用
   2 医療被曝

Ⅴ-3 学術研究
   1 放射性同位元素の利用
   2 放射線の利用
     2.1 X線/ 2.2 加速器・シンクロトロン光/ 2.3 中性子
   3 自然放射性同位元素および自然放射線の利用
     3.1 自然放射性同位元素/ 3.2 自然放射線

Ⅴ-4 産 業
   1 農畜水産業
   2 工業
     2.1 検査・計測/ 2.2 材料改質/ 2.3 工業用製品

Ⅴ-5 市民生活
   1 セキュリティ
   2 消費材


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