見えない産業 酸素が支えた日本の工業化
価格:6,380円 (消費税:580円)
ISBN978-4-8158-0878-5 C3033
奥付の初版発行年月:2017年06月 / 発売日:2017年06月下旬
ボンベにつめられ、日本中の町工場へと運ばれ続けた見えない商品、酸素。鉄鋼、化学、電機から農業、バイオ、医療へと用途を広げ、競争力の新たな焦点となった産業ガスの軌跡を、国際関係史も視野に明治の黎明期から今日までたどり、その特徴的な産業の姿をクリアに描きだす。
目次
序 章 「見えない産業」 の形成と発展
—— 溶接・切断を支える諸産業の意義
第1章 酸素工業の黎明
—— 1910~20年代
はじめに
1 酸素工業の導入
2 第1次世界大戦期の酸素工業
3 1920年代の酸素工業
おわりに
第2章 大阪酸素工業界の構造変化
—— 1930年代
はじめに
1 大同酸素・大阪酸素参入以前の大阪酸素工業界
2 大同酸素の参入
3 大阪酸素の参入
4 大阪酸素工業界における競争と協調
おわりに
第3章 経済統制下の必死の対応
—— 戦時期~戦後復興期
はじめに
1 酸素工業に対する経済統制
2 戦中・戦後の酸素専業各社
おわりに
第4章 外資系企業の 「日本化」 過程
—— 戦時下における帝国酸素の事例
はじめに
1 帝国酸素の設立
2 帝国圧縮瓦斯への商号変更
おわりに
第5章 ガス溶接・切断機企業の展開
—— 戦前期
はじめに
1 溶接機・切断機企業群像
2 溶接材料商社の展開
おわりに
第6章 電気溶接機企業の展開
—— 戦前・戦中期
はじめに
1 浜野浜次と日本電気熔接機
2 大津勇と大阪電気
3 大阪変圧器の参入
4 重電機メーカーの参入
5 中小電気溶接機メーカー
おわりに
第7章 液酸とオンサイトプラントの時代
—— 高度成長期の酸素工業
はじめに
1 技術革新と需給構造の変化
2 流通機構の変化と商慣習
3 主要企業の動向
4 神戸製鋼所と日立製作所における空気分離装置製作
おわりに
第8章 電気溶接機工業
—— 戦後の展開
はじめに
1 高度成長期の電気溶接機生産
2 大阪電気
3 大阪変圧器の動向
4 オリジン電気
5 総合電気機械各社の動向
6 中堅各社の動向
おわりに
第9章 戦後日本の溶接材料商社
はじめに
1 溶材商の全体動向
2 溶接棒の流通
3 酸素ガスの流通
4 電気溶接機の販売動向
5 溶材商の歩み
おわりに
第10章 産業ガス産業への変容
—— 高度成長期以後
はじめに
1 産業ガスの需要構造の変化
2 業界構造の変化
3 新技術開発
おわりに —— コモディティ産業の課題
終 章 酸素・溶接機器工業の100年