祖父母であること 戦後日本の人口・家族変動のなかで
価格:4,950円 (消費税:450円)
ISBN978-4-8158-0882-2 C3036
奥付の初版発行年月:2017年08月 / 発売日:2017年08月上旬
「お祖父さん/お祖母さん」 は 「お爺さん/お婆さん」 ではない ——。少子化対策等の前提にもなっている、幼い孫の手をひくお年寄りという姿は、もはや当たり前ではない。急激な平均寿命の伸びや晩婚化、性別役割分業の変化などを通して、「祖父母であること」 はどう変わってきたのか。ライフコースやジェンダーに着目し、そのリアルな 「現在」 をとらえる。
安藤 究(アンドウ キワム)
1961年愛知県生まれ。上智大学文学研究科博士後期課程満期退学。博士(社会学)。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
序 章 人口・家族変動と 「祖父母であること」
—— 「当たり前」 のなかの 「当たり前でないこと」
1 戦後日本の人口変動と祖父母性
2 戦後日本の家族変動と祖父母性
3 二つの変動の重層的進行と祖父母性
第1章 先行研究
—— 二つの変動から考える 「祖父母であること」
1 人口変動という視点からの議論
2 家族変動という視点からの議論
3 二つの変動の重層的進行にかかわる議論
第2章 ライフコース・アプローチ
1 祖父母性分析の要件
2 ライフコース・アプローチ
3 ライフコース論の基本的な視点と分析概念・原則
4 ジェンダー化されたライフコース
5 ライフコース論からの祖父母性への接近と分析課題の概要
第3章 祖父母性と人口変動 (1)
—— 「お祖母さん」 は 「お婆さん」 ではない
1 分析課題 —— ライフコース上の祖父母期の位置づけの変化
2 データと方法
3 分析結果
4 考察 —— 祖父母と高齢者の概念的混同の背景とその存続
第4章 祖父母性と人口変動 (2)
—— 祖父母となるタイミングと主観的加齢速度の加速
1 分析課題 —— 孫の誕生のタイミングと加速される 「歳をとった」 感覚
2 データと方法
3 分析結果
4 考察 —— 「歳をとった」 感覚の加速とジェンダー化されたライフコース
第5章 祖父母性と家族変動 (1)
—— 非干渉原則に対する態度と家継承規範意識
1 分析課題 —— 孫の育児への関わりにおける二つのベクトル
2 データと方法
3 分析結果
4 考察 —— ジェンダーによって異なる非干渉原則に対する柔軟性
第6章 祖父母性と家族変動 (2)
—— 男性稼ぎ主モデルの揺らぎと准親代わり経験
1 分析課題 —— 限定的な育児補助から積極的な育児エージェントへの変化
2 データと方法
3 分析結果
4 考察 —— 積極的な育児エージェントへの変化とジェンダーによる差異
第7章 祖父母性と人口・家族変動の重層的進行
—— 新しい祖父母のスタイルとジェンダーによる複雑性
1 分析課題 —— 新しい祖父性/祖母性への経路を探る
2 データと方法
3 分析結果
4 考察 —— 加齢で変化する新しい祖父性と変化しない新しい祖母性
終 章 変容する 「祖父母であること」 の理解に向けて
—— 「祖父母であること」 の今日的困難と可能性
1 祖父母の今日的困難と可能性
2 ステレオタイプ的な祖父母イメージを超えて
あとがき
参考文献・資料
図表一覧
索 引