政治教育の模索 オーストリアの経験から
価格:4,510円 (消費税:410円)
ISBN978-4-8158-0913-3 C3037
奥付の初版発行年月:2018年06月 / 発売日:2018年06月下旬
半歩先のモデルか ——。民主主義の拡大を支え劣化を押しとどめるために、世界各国で注目される「政治教育」。先駆的な16歳選挙権を導入したオーストリアにおいても試行錯誤が続く。ナショナリズムに動員された過去から、現在のコンピテンシー重視の教育や「民主主義工房」の挑戦まで、変容と深化を跡づける。
近藤 孝弘(コンドウ タカヒロ)
1963年、栃木県に生まれる。1992年、東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。1993年、東京大学大学院教育学研究科より博士(教育学)取得。名古屋大学大学院教育発達科学研究科などを経て、現職。著書に『ドイツ現代史と国際教科書改善——ポスト国民国家の歴史意識』(小会、日本比較教育学会平塚賞、1993年)、『国際歴史教科書対話——ヨーロッパにおける「過去」の再編』(中公新書、1998年)、『自国史の行方——オーストリアの歴史政策』(小会、2001年)、『ドイツの政治教育——成熟した民主社会への課題』(岩波書店、2005年)、『統合ヨーロッパの市民性教育』(小会、2013年)他。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
はじめに —— 政治教育後発国への注目
第1章 国家市民教育の始まり
1 20世紀は政治の世紀
2 祖国教育へ
第2章 オーストリア共和国の再建
1 戦前への回帰
2 基本通知(1978年)をめぐる対立
第3章 学校における政治教育の発展
1 高校教育課程への政治教育の導入
2 16歳選挙のインパクト
第4章 民主主義の能力を育てる
1 政治的コンピテンシー
2 教科書とマトゥーラ試験
3 政治教育における教師の課題
第5章 学校の外から政治教育を支援する
1 補助教材の開発
2 民主主義工房の成功
おわりに —— 政治教育を備えた民主主義へ
あとがき
資 料
注
参考文献
図表一覧
索 引