名古屋大学の歴史 1871~2019 上
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-8158-1063-4 C0000
奥付の初版発行年月:2022年03月 / 発売日:2022年04月中旬
「名大」に歴史あり――。どのように生まれ、変化してきたのか。教育・研究・大学生活・キャンパスの変遷を、組織の沿革とともに一望できる通史。上巻では、1871年の「創基」から、帝国大学の時代、新制大学としての出発を経て、1980年代までの歩みをたどる。写真も多数掲載。
伊藤 彰浩(イトウ アキヒロ)
大学院教育発達科学研究科教授
齋藤 芳子(サイトウ ヨシコ)
高等教育研究センター助教
恒川 和久(ツネカワ カズヒサ)
大学院工学研究科教授
羽賀 祥二(ハガ ショウジ)
名誉教授
堀田 慎一郎(ホッタ シンイチロウ)
東海国立大学機構大学文書資料室特任助教
吉川 卓治(ヨシカワ タクジ)
大学院教育発達科学研究科教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
凡例
序
第一編 名古屋帝国大学創立までと草創期 1871~1949
第1章 創基から官立大学まで
1 医学校の時代
幕末尾張藩の医学と蘭学/伊藤圭介と種痘所の設立/病院・医学校の設立―名大の創基―/病院・医学校の発展とローレツ・後藤新平/院校払下げ事件と熊谷幸之輔/伝染病・地震と院校の対応/愛知医学校の生徒たち/経営の安定と拡充
2 専門学校から医科大学へ
愛知県立医学専門学校の発足/鶴舞への新築・移転/大学昇格運動の開始と転換/愛知医科大学の誕生/予科移転・総合大学設立問題から官立移管へ/名古屋医科大学への改組/人事紛争の勃発/『名大』にみる学生生活
第2章 旧制高等教育機関の系譜
1 第八高等学校
愛知県の高等学校誘致運動/八高の創設/八高の教育/勤勉・教練・スポーツ八高/バンカラなエリート/「伊吹おろし」の若者たちの学寮生活/卒業生の進路とその後/戦争への道と八高生たち/学徒動員、学徒出陣から敗戦へ/校舎の復興と名大への包括
2 名古屋高等商業学校
名高商の創設と名古屋市の発展/渡辺龍聖校長が確立した教育と校風/「名古屋高商は大学だ」/名高商生と寮生活/「剣陵学園」の風貌/卒業生と其湛会/戦時下の名高商と工業経営専門学校への転換/敗戦と名高商/名経専から名大法経学部へ
3 岡崎高等師範学校
岡崎高師の創設まで/戦時体制末期の創設と校舎の焼失/豊川での再出発/戦後の教育と学生生活/附属学校の創設/大学昇格構想から名大包括へ
第3章 名古屋帝国大学
1 名古屋市の発展と帝国大学設置運動
帝国大学制度の展開/名古屋市の発展/戦時体制下の政策と高等教育機関/帝国大学設置運動の展開/帝国大学をめぐる諸構想/大学設立準備委員会での審議と大蔵省との交渉/名古屋帝国大学の創立/東山校地の地元からの寄附
2 草創期の名帝大
理工学部の開設/理学部の独立/学部・部局の拡充/航空医学研究所の創設/東山校地の計画案と整備/戦時下の名帝大生たち/科学技術動員と名帝大/地域社会との研究交流/汪兆銘の入院と死/戦争末期の名帝大
3 敗戦後の名帝大と学風の形成
航空医学研究所から環境医学研究所へ/キャンパス復興の開始とその難航/敗戦直後の学生と職員/旧制文学部・法経学部の設置/大学自治問題への取り組み/物理学教室憲章/「自由闊達」の学風の形成
第二編 新制名古屋大学の発展 1949~1989
第4章 新制名古屋大学の出発
1 初期の新制名古屋大学
新制大学への移行/教養部の創設/学部の整備/大学管理機構の成立―教授会・協議会・評議会―
2 新制大学院の設置
旧制度下の大学院/新制大学院制度の発足/新制大学院の構想/設置認可申請書の提出/新制大学院の設置認可/医学研究科・農学研究科及び法学研究科博士課程の増設/旧制大学院の廃止
第5章 教育・研究の発展
1 教育・研究組織の拡充と改革
講座の誕生と推移/初期の理科系学部―1949~50年代半ば―/初期の文系学部―1949~50年代半ば―/理系学部の拡充―1950年代半ば~70年代初め―/文系学部の展開―1950年代半ば~70年代初め―/理系学部における整備の停滞―1970年代初め~90年―/文系学部における大講座への移行―1970年代初め~90年―/各種センターの設置/医療技術短期大学部と独立専攻の設置/附属図書館の整備
2 入試制度の変遷
新制大学入試の開始/「白線浪人」対策/入試倍率と受験科目の変遷/共通一次試験の導入と展開/学部入試の改革
3 カリキュラムの変遷
「大学基準」とカリキュラム/大学設置基準の制定/「四年一貫教育」理念の誕生/「四六カリ」の導入/「五九カリ」へ
4 先端研究の進展
科学研究活動の戦後復興/坂田スクール/平田スクール/上田門下/大沢「牧場」/人文学での展開/社会科学での展開
第6章 名大生とキャンパス
1 名大生の諸相
入学者の動向/名大生の一年/学生生活/名大祭の誕生とその変容/体育会とスポーツ/学部・キャンパスの垣根をこえて/「本山原人」のイメージ/卒業生の進路
2 キャンパスの整備
東山キャンパスへの集結に向けて/建築交換方式による整備/豊田講堂の建設/古川図書館の建設/鶴舞キャンパスの整備/大幸キャンパスの取得とその後/経済成長期の施設拡充
第7章 名古屋大学像の模索
1 伊勢湾台風と安保闘争
戦後における大学紛争/伊勢湾台風の被害と救援活動/安保闘争の開始と伊勢湾台風/強行採決以後の展開
2 大学紛争と名古屋大学
医学部における紛争/東山キャンパスでの紛争/各学部における紛争/紛争の背景/紛争後の大学改革
3 時代のなかの名古屋大学
成長時代の終わり/授業料値上げと就職難/平和憲章の採択/創立五十周年記念事業(1)―準備と体制―/創立五十周年記念事業(2)―事業の内容―
4 外国人留学生と国際交流
前身学校の留学生/1980年代における留学生の急増/留学生の組織と後援活動/海外との大学間交流の開始/日本語教育の取り組み
参考文献
年表
(下巻目次)
第三編 変貌する名古屋大学 1990~2003
第8章 教育・研究体制の大改革
第9章 基幹的総合大学の研究
第10章 学生生活とキャンパスの変容
第11章 法人化への道
第四編 法人化後の名古屋大学 2004~2019
第12章 国立大学法人名古屋大学、そして東海国立大学機構へ
第13章 世界屈指の大学への道
第14章 名古屋大学からNagoya Universityへ
第15章 連携と貢献
第16章 最近の学生生活とキャンパス
終 章 これからの名古屋大学
あとがき
参考文献/年表/資料