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フランク史Ⅲ カロリング朝の達成

フランク史Ⅲ カロリング朝の達成

A5判 474ページ 上製
価格:7,920円 (消費税:720円)
ISBN978-4-8158-1127-3 C3022
奥付の初版発行年月:2023年08月 / 発売日:2023年08月上旬

内容紹介

西洋史上の画期をなすピピンの即位とカールの皇帝戴冠。彼らの血を引く王たちの覇権争いの下、中世世界は本格的に姿を現す。「自由なる民」の興亡をたどる初の通史の最終巻。本巻では、王権の動向を軸に、経済的・軍事的変革やキリスト教規範の浸透、新勢力の台頭を世界史的視座から見届ける。

著者プロフィール

佐藤 彰一(サトウ ショウイチ)

1945年生まれ
1978年 早稲田大学文学研究科博士課程退学
名古屋大学文学研究科教授などを経て
現在 名古屋大学名誉教授、日本学士院会員、フランス学士院会員、博士(文学)

著書:
『修道院と農民』(名古屋大学出版会、1997年、日本学士院賞)
『ポスト・ローマ期フランク史の研究』(岩波書店、2000年)
『中世初期フランス地域史の研究』(岩波書店、2004年)
『歴史書を読む』(山川出版社、2004年)
『中世世界とは何か』(岩波書店、2008年)
『カール大帝』(山川出版社、2013年)
『禁欲のヨーロッパ』(中公新書、2014年)
『贖罪のヨーロッパ』(中公新書、2016年)
『剣と清貧のヨーロッパ』(中公新書、2017年)
『宣教のヨーロッパ』(中公新書、2018年)
『歴史探究のヨーロッパ』(中公新書、2019年)
『フランク史I クローヴィス以前』(名古屋大学出版会、2021年)
『フランク史II メロヴィング朝の模索』(名古屋大学出版会、2022年)他

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

  カロリング朝系図

 はじめに

   第I部 新たな王朝の誕生と躍進

第1章 ピピン三世の国王即位
    1 カルロマヌスの修道誓願
    2 ピピンの選択
    3 ピピンの外征と教会改革
    4 カロリング貴族の生成

第2章 カロリング朝の確立と国王カール
    1 ランゴバルト王国征服とスペイン遠征
    2 王国の再組織化と王朝の確立
    3 カールを取り巻く人々

第3章 カロリング社会機構とカールの皇帝戴冠
    1 西ヨーロッパを囲む外部世界
    2 生産と流通の展開
    3 戦争の形態と支配の紐帯
    4 ビザンティン帝国の政変とカールの皇帝戴冠

   第II部 弛緩する王朝内部の統制力

第4章 ルートヴィヒ敬虔帝の危うさ
    1 不意の相続人
    2 早すぎた「帝国措置令」(817年)
    3 帝国運営の新たな指向

第5章 帝国分裂への序曲
    1 「宮廷反乱」とロタリウスの思惑
    2 息子たちの反乱
    3 最後の相続構想

第6章 兄弟支配体制の内破
    1 ヴェルダン条約による王国分割
    2 「友愛の体制」
    3 三者体制の終焉

第7章 解体過程の揺らぎ
    1 ルートヴィヒ・ドイツ王とシャルル禿頭王の対立
    2 王国内における父子の政治的確執
    3 シャルル禿頭王の見果てぬ夢

   第III部 権力継承勢力の布置

第8章 錯綜する支配継承
    1 東西フランク王国の政治的交錯
    2 カール三世肥満王の統治
    3 レグナ理論の射程

第9章 領邦覇権の生成様式
    1 9世紀最後の皇帝アルヌルフ
    2 権力継承の展転
    3 10世紀初頭のフランク王国

第10章 支配門閥間の権力ゲームとその結末
    1 ラウルからルイ四世渡海王へ
    2 大ユーグとルイ四世の宥和
    3 カロリング血統の「断絶」

 おわりに

  主要門閥系図
  あとがき
  註
  引用文献
  図版一覧
  索引


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