完本 北海道蝶類図鑑
価格:14,300円 (消費税:1,300円)
ISBN978-4-8329-1401-8 C3045
奥付の初版発行年月:2016年04月 / 発売日:2016年04月下旬
①標本図版・各種解説図版・食草図版・生態観察のすすめの4部から構成。
②北海道に土着している115種と,土着とはいえないが毎年確実に見られるヒメアカタテハを含めて計116種を中心に紹介。
③各科と種の配列は『猪又敏男ほか(20139「日本産蝶類和名学名便覧」』に従った。
④和名は研究者に最も親しまれているものにした。
⑤学名については,様々な見解を考慮の上,亜種名・命名者・命名年まで記した。北海道の個体群が複数の亜種に分割できると考えたものは,分布地域とともに記述した。
⑥種の解説について
①成虫は野外での行動を解説。訪花植物は特徴的なものに留めた。配偶行動,産卵行動についてはできるだけ詳しく解説。
②生活史は卵,幼生期,蛹の各ステージの特徴を記載。幼生期については野外での行動観察を中心に,不明なところは飼育での観察で補完。調査が進むことを期待し,未解明な点を積極的に紹介。
③周年経過は,成虫の発生時期,化性,越冬態について解説。周年経過の一覧表を「生態観察のすすめ」に掲載。
④食餌植物は確実に記録したものを中心に書き,他の報告種も紹介。
⑤分布・生息地は,道内の分布の解説と,その種の生息環境を紹介。
⑦標本図版について
①116種の♂♀表裏をすべて原寸で収録。大型種は翅の半分だけ示したものもある。
②全標本の産地を市町村名で示した。
③第1化,第2化で形態が変わる蝶(いわゆる春型・夏型,高温期型・低温期型)も収録。
④亜種と区別されるような重要な地理的変異や特徴的な個体変異(突然変異)も収録。
⑤同定に注意の要する近似種との区別点を詳しく示した。種によっては交尾器や発香鱗など翅の斑紋以外の区別点も図示。
⑥天然記念物で採集禁止になっている種は,法規制前の採集品を使用。
⑧種解説図版について
①写真は野外で撮影した生態写真を基本に構成。生息環境が写しこまれたものを左ページメイン写真とし,右ページの上段に成虫の行動をとらえたもの,下段に卵から蛹までの各ステージの写真を紹介。全撮影年月日と撮影地を記載。
②分布図は,文献記録や執筆者たちの未発表記録などに基づき作成。
⑨食草図版について
①標本図版,種解説図版で紹介した116種の食餌植物を,草本,木本について科の分類ごとに自然状態がわかるように,野外で撮影した写真で紹介。
②卵や幼虫の静止位置,食痕もわかるように図示した。
③幼虫が写しこまれたものは,矢印で示した。
④卵や幼虫を探すことを考慮して,花や若葉・葉を中心に,食樹などでは樹皮や冬芽の特徴も示した。
⑤近似種との同定のポイントを簡単に示した。
⑩追補種について
すでに北海道では絶滅したと考えられるもの2種,主な飛来種5種を収録。
⑪イネ科植物の食痕について
幼虫探索の参考までにと,カラー頁最後に示した。
⑫生態観察のすすめについて
①野外での観察について,準備から成虫や幼生期の観察のポイントについて解説。
②分布と生息環境,種間関係などについては,筆者のオリジナルな観察記録や考察を紹介。
③周年経過一覧の図で,月ごとの各種の発育段階が推定できるようにした。各地域での調査の参考になるよう各種の発生の最早,最遅記録を紹介。
⑬個体数・局地性・観察難易度・絶滅危険度を☆マーク4段階でページ端に示した。
永森 俊行(ナガモリ トシユキ)
1953年 札幌市生まれ.富良野市在住
道立高校教頭退職後フリー
本書では,生態解説と写真を担当し全体を編纂
永森 拓行(ナガモリ ヒロユキ)
1951年 札幌市生まれ.札幌市在住
札幌市立高校教諭退職後フリー
本書では,主に生態解説と写真を担当
芝田 翼(シバタ ツバサ)
1987年 苫小牧市生まれ.苫小牧市在住
環境調査業(鳥・昆虫など)
本書では,主に生態写真と紙面構成を担当
黒田 哲(クロダ サトシ)
1956年 室蘭市生まれ.札幌市在住
環境調査業(昆虫)
本書では,主に分布図,分布解説,周年経過を担当
石黒 誠(イシグロ マコト)
1973年 南富良野町生まれ.富良野市在住
写真家
本書では,主に食草と標本の撮影を担当
目次
はじめに
この本の使い方
第Ⅰ部 標本図版
アゲハチョウ科
アゲハチョウ科の類似種の見分け方
シロチョウ科
シロチョウ科の類似種の見分け方
シジミチョウ科
シジミチョウ科の類似種の見分け方
タテハチョウ科
タテハチョウ科の類似種の見分け方
ジャノメチョウ亜科
ジャノメチョウ亜科の類似種の見分け方
セセリチョウ科
セセリチョウ科の類似種の見分け方
第Ⅱ部 各種解説
アゲハチョウ科
シロチョウ科
シジミチョウ科
タテハチョウ科
セセリチョウ科
追補種
第Ⅲ部 食草・食樹図版
ウマノスズクサ科・ケシ科
セリ科・ミカン科
アブラナ科・バラ科
バラ科
マメ科
モクセイ科・マンサク科
ブナ科
カバノキ科・クルミ科
クロウメモドキ科・トチノキ科・ミズキ科・シナノキ科
バラ科・タデ科・シソ科・ベンケイソウ科
キク科・ガンコウラン科・ツツジ科・バラ科・スミレ科
バラ科・イラクサ科・ヤマノイモ科・クワ科・ユリ科
マメ科・カエデ科
スイカズラ科・ミツバウツギ科
ヤナギ科
カバノキ科
ニレ科・ウコギ科
イネ科・カヤツリグサ科
イネ科
イネ科・カヤツリグサ科の食痕から幼虫を探す
第Ⅳ部 生態観察のすすめ
1.観察を始める前に
服装・足回り /道具 /記録のとり方 /カメラの活用 /フィールドを選びテーマを持つ /バタフライガーデンでの観察 /注意すべきことなど
2.成虫の行動を調べる
訪花と吸汁 /生殖にかかわる行動 /移動と拡散
3.蝶の生活史を調べる
野外で卵や幼虫を探す /幼虫と食草 /卵 /幼虫 /周年経過と越冬
4.種間関係を調べる
近似種とニッチ /種間関係の例
5.生息環境と分布
蝶と生息環境 /生息環境による区分 /分布による区分 /蝶たちのルーツ探る /絶滅に瀕する蝶たち
各種の周年経過一覧
用語解説
参考文献
和名索引
学名索引
食草・食樹索引