佐藤昌介とその時代[増補・復刻]
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-8329-3378-1 C1023
奥付の初版発行年月:2011年08月 / 発売日:2011年08月下旬
札幌農学校をスタートに、北海道大学の礎を築いた人物の生涯を綴った、子息による昭和23年刊行の伝記を翻刻し、新たに関連資料(「回想」「米国通信」)・解説「札幌農学校の再編・昇格と佐藤昌介」・年譜・主要著書論文一覧を付け加えた。北海道大学の歴史に果たした佐藤昌介の役割を現代に問いかける。
『佐藤昌介とその時代』の増補・復刊にあたって
一、本書は、佐藤昌彦『佐藤昌介とその時代』(玄文社、一九四八年一〇月)に、北海道大学大学
文書館において増補を加えて再編集し、復刊したものである。近年、出版された複数の佐藤昌介伝記はいずれも、嗣子佐藤昌彦の手になる本書の記述内容が基となっている。しかし、本書は現在入手し難い状況にあることから、佐藤昌介伝記の原典たる本書の復刊を企図した。併せて、伝記の補足として、佐藤昌介自身の回想文、逸見勝亮による佐藤昌介関係資料の解読・解説と論文を増補した。
二、第一部は、佐藤昌彦『佐藤昌介とその時代』の本文の翻刻である。著者が夫人カツミ氏に贈
った佐藤昌彦『佐藤昌介とその時代』(四六判、二四五頁)を底本とし、著者自身の書き込みによる誤字訂正を反映したほか、その他の誤字・脱字と文字表記の修正を行なった。著述の内容には著者独自の歴史観・宗教観・社会観が色濃く反映し、現在の歴史学研究の成果とはやや適合しない部分も見られるが、著者の論旨を尊重しそのままとした。
三、第二部は、佐藤昌介が雑誌等に掲載した自身についての回想である。出典は以下の通りであ
る。
(一)「佐藤博士経歴談 札中校友会に於る」(『北海タイムス』一九〇九年三月三日~一〇日)
(二)「憶ひ出の記」(掲載誌不詳、佐藤昌介旧蔵スクラップブック所収)
(三)「友人を思出のまゝ」(『早稲田学報』第四三七号、一九三一年七月)
(四)「三十年前の今日このごろ(一)」(『文武会会報』第五〇号、一九〇七年三月)
(五)「廿五年前迄」(『文武会会報』第六五号、一九一二年四月)
四、第三部は、佐藤昌介がアメリカ留学時代に新聞に掲載した文章を、逸見勝亮が解読・解説し
た論述である。以下の初出論述を改稿の上、掲載した。
資料紹介「佐藤昌介「米国通信」(『大東日報』)」(『北海道大学大学文書館年報』第三号、
二〇〇八年三月)
五、第四部は、佐藤昌介に関する逸見勝亮の論文である。以下の初出論文を改稿の上、掲載した。
「札幌農学校の再編・昇格と佐藤昌介」(『北海道大学大学文書館年報』第二号、二〇〇七年三月)
目次
目 次
口 絵
『佐藤昌介とその時代』の増補・復刊にあたって
凡 例
第一部 佐藤昌介とその時代 佐 藤 昌 彦
序 文
一、年 譜
二、立 志
三、天の摂理(その一)
四、天の摂理(その二)
五、天の摂理(その三)
六、北 海 道
七、米 国
八、札幌農学校の危機(その一)
九、札幌農学校の危機(その二)
一〇、北海道帝国大学
一一、授 爵
一二、基 督 者
第二部 回 想 佐 藤 昌 介
一、佐藤博士経歴談 札中校友会に於る
二、憶ひ出の記
三、友人を思出のまゝ
四、三十年前の今日このごろ(一)
五、廿五年前迄
第三部 米国通信 佐 藤 昌 介
一、一八八二年一〇月四日付『大東日報』第一五四号
二、一八八二年一〇月六日付『大東日報』第一五六号
三、一八八二年一〇月七日付『大東日報』第一五七号
解 説
第四部 札幌農学校の再編・昇格と佐藤昌介 逸 見 勝 亮
はじめに
一、一八六八~九〇年代の官立高等専門教育機関
二、原敬とのこと(1)
三、札幌農学校廃止・縮小論と文部省への移管
四、原敬とのこと(2)
むすび
あとがき
佐藤昌介主要論著一覧
佐藤昌介略年表