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TAVnet時代を生きる言語 この希望に満ちたもの

言語 この希望に満ちたもの TAVnet時代を生きる

A5判 352ページ 並製
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-8329-3413-9 C1080
奥付の初版発行年月:2021年06月 / 発売日:2021年06月下旬

内容紹介

ことばのパンデミックを⽣き抜く

ことばは意味を持たない、それは意味と〈なる〉のである。 真偽さえ不確かな大量高速のことばが飛び交う言語危機のTAVnet(タブネット)時代――〈書かれたことば〉たるテクスト(Text)、〈話されたことば〉たるオーディオ(Audio)、そしてヴィジュアルな映像(Visual)がネット上を瞬時に飛び回る――に、〈話す・聞く・書く・読む〉という日々の言語場を見据えつつ、鮮明に描き出される、ことば、文字、本の力が持つ希望。名著『言語存在論』『ハングルの誕生』の著者がことばの世界の根源から、歩むべき実践のありかたを照らす。

著者プロフィール

野間 秀樹(ノマ ヒデキ)

言語学者。
専門は朝鮮語学、日韓比較対照言語学。
東京外国語大学大学院教授、明治学院大学客員教授などを歴任。

■主著
『言語存在論』東京大学出版会、2018年
『ハングルの誕生:音から文字を創る』平凡社(平凡社新書)、2010年  ほか多数

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

第1章 ことばを最も深いところから考える――言語はいかに実現するか
 1-1 言語はいかに在るのか――言語ハ夢デアルノカ
 1-2 ことばには〈かたち〉がある――音の〈かたち〉と光の〈かたち〉
 1-3 言語の存在様式と表現様式を区別する

第2章 ことばと意味の場を見据える――言語場の劇的な変容への〈構え〉を
 2-1 言語は言語場において実現する
 2-2 ことばは言語場において、意味となったり、ならなかったりする
 2-3 言語場は猛烈に変容している

第3章 世界の半分は言語でできている――ことばのパンデミック
 3-1 言語が私たちの生の隅々に襲いかかる
 3-1 言語が私たちを造形する――知性も感性もイデオロギーも
 3-1 言語が私たちを抑圧する――物象化することばたち
 3-1 言語のパンデミック、言語のメルトダウン

第4章 ことばへの総戦略を――内から問う
 4-1 〈問い〉が全てを変える――従順な仔羊から羽撃(はばた)く鳳凰(おおとり)へ
 4-2 拡張の言語――同席構造の言語学
 4-3 反撃の言語――存在化機能の言語学
 4-4 学びの言語――言語道具観との闘い
 4-5 対峙の言語――〈話す〉ことを学ぶ
 4-6 連帯の言語――言語は教え=学ぶものである

第5章 ことばへの総戦略を――外から問う
 5-1 照射の言語――自らを他に照らす
 5-2 展開の言語――翻訳という言語場
 5-3 共感の言語――多言語と言語間言語を逍遙する
 5-4 創造の言語――ことばを〈かたち〉に造るために

終 章 言語、この希望に満ちたもの――やはり、生きるための言語


おわりに
文献一覧
事柄索引
人名索引
図版索引


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