日本巨大企業の行動様式 1980年代の所有と支配
価格:3,850円 (消費税:350円)
ISBN978-4-8329-5651-3(4-8329-5651-5) C3033
奥付の初版発行年月:1995年02月 / 発売日:1995年02月下旬
従来の研究の蓄積を踏まえ,巨大企業の支配類型やメイン・バンクシステム,企業集団の分析にエージ ェ ンシー理論やグラフ理論に基づく新たな基準・手法を適用,その構造と行動の特質を解明せんとする意欲作.補論に「中国国営企業の株式会社化」を付した.
汪 志平(オウ シヘイ)
1963年,中国安徽省黄山市生まれ.
1985年,北京精華大学自動化系卒業(工学学士).精華大学経済管理学院修士課程入学.
1986年,中国政府派遣留学生に選抜されて来日.
1993年,北海道大学大学院博士後期課程修了,経済学博士(北海道大学)
北海道大学助手
目次
序 章 株式会社の所有・支配と行動に関する研究の展望
第 1節 大企業の所有と支配のアプローチ—バーリーミーンズの手法を巡って
第 2節 経営者支配と企業行動
第 3節 日本企業の支配機構における外部者の役割
第 1章 日本企業の所有構造の特質—株式持合の意義を巡って
第 1節 戦後日本企業の株式所有構造
第 2節 株式持合進展の背景
第 3節 株式持合の役割
第 4節 株式持合と企業行動
第 2章 所有構造,役員構成,支配類型と企業行動
第 1節 所有構造と役員構成の総合を目指して
第 2節 支配類型の区分基準
第 3節 支配類型と経営者動機
第 4節 実証研究の準備
第 5節 統計分析の結果
第 3章 メインバンクがなぜ融資先企業の株を保有するか—エージェンシー理論に基づく実証分析
第 1節 はじめに
第 2節 企業金融におけるエージェンシー問題
第 3節 日本における株式所有構造の特徴
第 4節 高度成長期における銀行の株式保有と融資行動
第 5節 1980年代における銀行の融資と株式保有
第 4章 企業集団におけるメンバー企業の支配力と情報中心性—グラフ理論による測定の試み
第 1節 役員派遣・兼任から企業間関係をとらえることの意義
第 2節 従来の研究のレビュー
第 3節 グラフ理論の役員派遣・兼任分析への応用
第 4節 6大企業集団の中心性指数の計測—1990年7月31日現在のデータをもとに
第 5節 三菱,三井,住友の3集団における役員派遣・兼任関係の長期的傾向(1962-90年)
補 論 中国国営企業の株式会社化: 新しい企業制度を求めて—理念・政策・動態
第 1節 中国経済における所有権改革と株式市場導入の必要性
第 2節 中国における株式会社生成の具体例
第 3節 中国株式市場の生成と発展
第 4節 中国株式市場の問題点と最近の動き