日本の近代化と北海道
価格:8,360円 (消費税:760円)
ISBN978-4-8329-6679-6 C3021
奥付の初版発行年月:2007年06月 / 発売日:2007年06月下旬
北海道という窓から近代日本の内面を探る! 明治国家の支配構造を内面的に深めることにより,国家形成と支配体制全体の見取図を描くことを目指した,永井史学の核心部分がここにある。
永井 秀夫(ナガイ ヒデオ)
1925年11月12日,東京生まれ
1948年,東京大学文学部国史学科卒業
北海道大学文学部教授,北海道武蔵女子短期大学教授,
北海学園大学人文学部教授などを歴任。北海道大学名誉教授
2005年12月12日逝去
主著
新北海道史(全9巻) (北海道,1969-81))
自由民権 (小学館,1976)
北大百年史(全4巻) (ぎょうせい,1980-82)
北海道民権史料集 (北海道大学図書刊行会,1986)
明治国家形成期の外政と内政(北海道大学図書刊行会,1990)
北海道の百年—県民百年史1(山川出版社, 1999)
日本の近代化と北海道(北海道大学出版会, 2007)
目次
はしがき──永井史学と北海道
第一章 北海道史の研究と時代区分
第一節 近代北海道史研究の発展
一 近代北海道の特質
二 戦後の近代北海道研究
三 辺境と内国植民地
第二節 北海道史の前近代と近代
一 前近代の時期区分
二 近代への転換期
三 移住・開拓の進行期
第三節 北からの明治維新
一 北海道の近代研究の流れ
二 幕末の対外関係
三 蝦夷地政策の限界
四 幕末・明治の箱館
五 アイヌ政策
六 北海道における近代化の二面性
第二章 北海道の開拓政策と移住
第一節 北海道庁の設置
はじめに
一 開拓使時代の性格
二 開拓政策の破綻
三 北海道庁の成立
四 開拓政策の転換
第二節 日本資本主義成立期の開拓政策
はじめに
一 資本主義成立と北海道
(一) 国内市場における北海道
(二) 移住地としての北海道
二 開拓政策の諸段階
(一) 開拓使時代の特質
(二) 資本主義成立期の開拓政策
三 北海道開拓の地位
第三節 北海道移住と府県の状況
一
二
三
四
第四節 華士族と北海道開拓
一 明治維新と北海道開拓
二 維新の犠牲者たち
三 旧藩主の移住保護
四 華族組合農場
五 移住士族の比重
第三章 北海道の自由民権運動
第一節 北海道の自由民権運動
一 北海道民権運動の範囲と問題点
二 関係史料の概観
(一) 新聞・雑誌
(二) 演説会
(三) 官庁史料
(四) 個人史料
三 運動の概観
(一) 全国運動への呼応
(二) 地域的運動の展開
(三) 北海道議会設置運動
四 北海道の民権論とその担い手たち
(一) 北海道の民権論
(二) 民権運動の担い手たち
第二節 北海道民権運動の特質
はじめに
一 運動の展開
二 自治権・参政権獲得運動
三 渡道民権家 第三節 函館地方の民権運動
一 函館自由党の人々
二 北海自由党とその周辺
三 北海道議会開設運動
第四節 札幌初期の新聞
はじめに
一 『札幌新聞』について
二 『北海新聞』について
三 阿部宇之八について
第五節 史料からみた民権運動
はじめに
一 北海道の自由民権運動
二 北海道の民権史料
三 言論取締文書について
四 官庁の態度
五 巡察使報告
六 函館の自由党員
七 猛烈民権家
八 そのほかの収穫
九 関川家文書
一〇 来住した民権家
第四章 北海道と辺境論
第一節 北海道と沖縄
はじめに
一 問題点
(一) 辺境論
(二) 内国植民地論
(三) 北海道と沖縄
二 制度的格差について
三 辺境の統合
四 同化をめぐる問題
五 北海道と沖縄の差違
第二節 差別と同化の位相
一 辺境・内国植民地としての北海道
二 北海道と沖縄の教育比較
三 両地域の制度的格差
四 国家統合の目的
五 同化をめぐる問題
六 「アイヌ新法」の成立
七 北海道と沖縄の文化の違い
第三節 「監獄部屋」労働の社会的背景
一 戦時期までの調査研究
二 監獄部屋労働の概要
三 殉難・受難者発生の時代的背景
四 監獄部屋発生の原因
五 北海道開拓と土木労働
第四節 北海道と辺境論
一
二
三
四
解説
第一章 北海道史の研究と時代区分
第二章 北海道の開拓政策と移住
第三章 北海道の自由民権運動
第四章 北海道と辺境論
著作目録
あとがき