近世ハンガリー農村社会の研究 宗教と社会秩序
価格:5,500円 (消費税:500円)
ISBN978-4-8329-6686-4 C3022
奥付の初版発行年月:2008年02月 / 発売日:2008年02月下旬
農村共同体と領主,教会という3つのアクターを設定し,これまでの領主・農民関係中心の議論で見落とされてきた,近世農民の集団的自治の機能や宗教の秩序維持形成力を, 地域の宗教的・社会的秩序のなかに位置づけることを目指す,新鋭の意欲作.
飯尾 唯紀(イイオ タダキ)
1970年,愛知県生まれ。金沢大学文学部史学科卒業。
北海道大学大学院文学研究科博士課程修了(文学博士)
1997−99年,コシュート・ラヨシュ大学留学(ハンガリー
政府給費奨学生)
2003−05年,日本学術振興会特別研究員
現在,北海道大学スラブ研究センターCOE共同研究員,
外務省専門調査員
目次
はじめに
序 章
1 研究動向と課題
2 近世ハンガリーの領主・農民・牧師
第1部 秩序構想と村落・市場町
第1章 宗教秩序の構想(1)—ハンガリー王国
1 1608年法令の制定
2 『和約』と『法令』の解釈
3 『法令』制定者の意図
4 まとめ
第2章 宗教秩序の構想(2)—トランシルヴァニア侯国
1 ヤーノシュ・ジグモンド統治期(1556〜71年)
2 バートリ家統治期(1571〜98年)
3 まとめ
第3章 治安・平和維持の構想
1 領主裁判と所領の治安維持
2 町村裁判と農民州
3 まとめ
第2部 地域社会秩序の展開
第4章 教区の秩序維持
1 教区の概観と教区の諸問題
2 教区運営における村落・市場町
3 教区の紛争解決—牧師人事をめぐって
4 まとめ
第5章 所領の治安維持
1 領主裁判と町村裁判
2 所領の紛争解決
3 まとめ
終 章
あとがき
参考文献
索 引