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国民的独立のパトスとロゴスポーランド問題とドモフスキ

ポーランド問題とドモフスキ 国民的独立のパトスとロゴス

A5判 358ページ 上製
価格:6,600円 (消費税:600円)
ISBN978-4-8329-6721-2 C3031
奥付の初版発行年月:2010年02月 / 発売日:2010年03月中旬
発行:北海道大学出版会  
発売:北海道大学出版会
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内容紹介

ポーランドの国民的統一と独立を唱える一方,反ユダヤ主義として賛否が分かれるドモフスキの思想を,膨大な文献により跡づける。ポーランド問題を乗り越えるべく出された「全ポーランド主義」の特徴と限界を明らかにするともに,ポーランドの「二重の帝国性」を指摘する。

著者プロフィール

宮崎 悠(ミヤザキ ハルカ)

1978年 北海道小樽市生まれ
2008年 北海道大学大学院法学研究科博士後期課程修了 博士(法学)
現 在  同法学研究科助教
専 攻  国際政治,ポーランド近代史

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

凡 例
序 章
      ポーランドの歴史的事情の概観 /「ポーランド問題」の発生 /本書の構成 /小  括
第Ⅰ部 全ポーランド主義
第一章 ドモフスキ研究の現状
 第一節 問題設定と分析枠組
       ドモフスキの思想史的位置付け /問題設定 /分析枠組
 第二節 第一次大戦とポーランド問題に関する研究史
 第三節 ドモフスキ研究史
       ポーランド国外における研究状況 /現在のポーランドにおける研究動向 
第二章 全ポーランド主義の形成
 第一節 政治的前提
       会議王国とその周辺情勢 
 第二節 『我々のパトリオティズム』
       地理的分断の克服 /一九世紀「ポーランド人」の多様性 /政治的自由を求めて
 第三節 革命的プログラムの提言
       危機的現状の打開へ /「革命的」方法の提言
第三章 国民の生存競争
 第一節 西欧体験と社会ダーウィニズム
 第二節 『一現代ポーランド人の思想』
 第三節 国民の気質
第四章 闘争のロゴス
       はじめに――リアリズム対教条主義
 第一節 プログラム転換
       ドモフスキ思想の展開と国民連盟
 第二節 ポーランド人とは誰か
       国民とは何か
 第三節 政治的リアリズム

第Ⅱ部 帝国と革命
第五章 帝国支配の二重性
 第一節 プロイセン領の国民連盟
       プロイセン分割領の概要 /一九世紀後半の時代区分とその特徴 /シマンスキとの協働
 第二節 オーストリア領時代のガリツィア(一七七三―一九一八年)
       ルヴフからウィーンへ――オーストリア領におけるポーランド政治の成立 /
       ガリツィア選挙区の議員構成 /一八四八年の混乱 /春の残照
 第三節 越境する政治
       ウクライナ・ナショナリズムの高まり
 第四節 全ポーランド主義の政治的限界
第六章 新しい帝国――『ドイツ、ロシアそしてポーランド問題』を中心に
 第一節 「ポーランド問題」とは何か
 第二節 誰を敵とするのか
 第三節 ホーエンツォレルン国家の拡大
 第四節 影響力の政治
 第五節 未成立国家の外交構想
       「急転の年」――一九二五年の回想より /「ポーランド問題」の転換
第七章 戦争と革命
 第一節 大戦勃発の予兆
       一九〇八年の危機 /各志向の概要 
 第二節 ニコライ・ニコラエヴィチ宣言
       ニコライ・ニコラエヴィチ宣言 /第一次大戦初期における諸志向の動向 /
       ロシア志向の停滞 /ペトログラードのドモフスキ
 第三節 ドモフスキ外交と十一月五日宣言
       対連合国外交の開始 /ロシアとの別れ /十一月五日宣言 /ドイツ・オーストリアの思惑
 第四節 奇跡は西方から
       「第四のポーランド」 /渡米までの活動 /奇跡は西方から /
       ウィルソンの一月二十二日教書
 第五節 一九一七年革命
       革命期のロシア領ポーランド――二月革命 /ローザンヌのポーランド国民委員会 /
       十月革命
終 章 パトリオティズムのパトスとロゴス
     全ポーランド主義の限界  
     全ポーランド主義と二つの帝国性
      ――第一の帝国性(ドイツ、ロシア、オーストリアによる分割)との関係
     第二の帝国性――東方領域における諸国民との関係
     結  論

あとがき
ポーランド語要旨
参考文献
事項索引
人名索引


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