北海道大学大学院文学研究科研究叢書16
宋代官僚制度の研究
価格:7,920円 (消費税:720円)
ISBN978-4-8329-6731-1 C3022
奥付の初版発行年月:2010年03月
北宋王朝の「元豊官制改革」による官制改革について,改革以前の官制の実態,官制をめぐる官僚の議論,改革の意図や施行過程,後世における改革の成果の受容等を論じ,官制の変遷過程と官制改革の歴史的意義を明らかにする。
宮 崎 聖 明(ミヤザキトシアキ)
1973年 兵庫県西宮市に生まれる
2005年 北海道大学大学院文学研究科博士後期課程東洋史学専攻修了
博士(文学) 北海道大学
現在 北海道大学大学院文学研究科専門研究員
藤女子大学非常勤講師
北星学園大学非常勤講師
主論文 「北宋前期における官制改革論と集議官論争――元豊官制改革前史――」(『東洋学報』86-3,2004),「元豊官制改革の施行過程について」(『史朋』37,2004),「宋代における禁謁制度の展開」(『『宋代中国』の相対化』汲古書院,2009)
目次
序
第一章 宋代官僚制度研究の現状と課題
はじめに
第一節 「君主独裁制」 概念規定の整理
第二節 政治史研究の新たな動き(一)――ミクロ政治学的視点導入の提唱
第三節 政治史研究の新たな動き(二)―― 「君主独裁制」 説再検討
一 王瑞来氏の所論
二 冨田孔明氏の所論
第四節 政治制度と官僚の理念
第五節 法制史的側面から見た宋代官僚制度
おわりに
第二章 北宋の三司使・戸部尚書の人事と経歴
はじめに
第一節 太祖朝~真宗朝の三司使
第二節 仁宗朝の三司使
第三節 英宗朝以降の三司使・戸部尚書
おわりに
第三章 北宋の中書と三司の統摂関係について
はじめに
第一節 太祖・太宗朝における中書と三司
第二節 真宗朝における中書と三司
一 対外関係と軍糧問題の審議過程
二 茶法改革
第三節 仁宗朝における中書と三司
一 覆奏規定の変化
二 茶法改革
第四節 仁宗朝における中書―三司関係変化の要因
おわりに
第四章 北宋前期における官制改革論と集議官論争
――元豊官制改革前史――
はじめに
第一節 太宗朝の改革論
第二節 真宗朝の改革論
第三節 仁宗朝の改革論(一)―― 「正名」 論
一 「正名」 問題
二 集議官論争
三 嘉祐年間の改革論
第四節 仁宗朝の改革論(二)―― 「宰執」 論
おわりに
第五章 元豊官制改革の施行過程について
はじめに
第一節 元豊三年八月 「改官制詔」
第二節 元豊四年十一月 「進呈官制」
第三節 元豊五年六月詔―― 「元豊三省制」 成立過程
一 「三省枢密院六曹条例」 と 「五年六月詔」
二 「蔡確陰謀説」 の検討
おわりに
第六章 北宋徽宗朝の官制改革について
はじめに
第一節 崇寧期―― 「神宗所定官制」 編修と冗官問題
一 「神宗所定官制」 編修
二 冗官問題と寺監
第二節 大観期―― 『神宗官制六典』 と内降子
一 『神宗官制六典』 編修と寄禄官名の変更
二 文書行政と寺監
第三節 政和期―― 「参照官制格目所」 と六部・寺監の文書行政
一 「参照官制格目所」
二 六部・寺監の文書行政
おわりに
第七章 宋代における禁謁制度の展開
はじめに
第一節 「禁謁」 「謁禁」 の語義
第二節 禁謁制度の沿革
一 太宗朝~仁宗朝――対象の拡大と細分化
二 神宗朝―― 「禁謁」 の確立
三 哲宗朝以降の推移
四 南宋期――大理寺官禁謁の強化
第三節 禁謁の適用実態と処罰例
一 適用実態
二 処罰の具体例
おわりに
結 語
参考文献一覧
あとがき
索 引