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環オホーツク海地域の環境と経済

スラブ・ユーラシア叢書11
環オホーツク海地域の環境と経済

A5判 294ページ 並製
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-8329-6770-0 C3036
奥付の初版発行年月:2012年03月 / 発売日:2012年04月中旬
発行:北海道大学出版会  
発売:北海道大学出版会
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在庫あり

内容紹介

本書は,環オホーツク海地域の環境と経済に関する総合的な研究であり,北大の低温科学研究所とスラブ研究センター,北見工業大学などの共同研究の成果である。
最大の特徴は,これまで総合的に研究されることの少なかった環オホーツク海地域についての文理融合型の研究となっており,資源と地球環境という面からも極めて重要な地域にも関わらず,これまで政治的な理由でロシア,中国,日本の共同研究が困難な地域であった。が,1990年代以降の状況変化の中で共同研究が可能となった。その成果が示されたのが本書である。

著者プロフィール

田畑 伸一郎(タバタ シンイチロウ)

北海道大学スラブ研究センター教授

江淵 直人(エブチ ナオト)

北海道大学低温科学研究所教授,環オホーツク観測研究センター長

大島 慶一郎(オオシマ ケイイチロウ)

北海道大学低温科学研究所教授

西岡 純(ニシオカ ジュン)

北海道大学低温科学研究所准教授

三寺 史夫(ミツデラ フミオ)

北海道大学低温科学研究所教授

中村 知裕(ナカムラ トモヒロ)

北海道大学低温科学研究所講師

庄子 仁(ショウジ ヒトシ)

北見工業大学未利用エネルギー研究センター長,教授

南 尚嗣(ミナミ ヒロツグ)

北見工業大学マテリアル工学科准教授

八久保 晶弘(ハチクボ アキヒロ)

北見工業大学未利用エネルギー研究センター准教授

白岩 孝行(シライワ タカユキ)

北海道大学低温科学研究所准教授

本村 真澄(モトムラ マスミ)

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)石油調査部主席研究員

西内 修一(ニシウチ シュウイチ)

北海道立総合研究機構栽培水産試験場

封安全(フウ アンゼン)

黒龍江省社会科学院東北アジア研究所助理研究員

田畑 朋子(タバタ トモコ)

北海道大学スラブ研究センター共同研究員

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序  章…田畑伸一郎・江淵直人
第1部 オホーツク海のエコシステム
第1章 オホーツク海の海洋循環・海氷生成と温暖化の影響…大島慶一郎
1. 1 はじめに  
1. 2 北半球の海氷域の南限  
1. 3 北太平洋の心臓,オホーツク海  
1. 4 海氷の生産工場,ポリニヤ  
1. 5 温暖化で変わるオホーツク海  
1. 6 オホーツク海内の循環――明らかになった東樺太海流  
1. 7 おわりに  

第2章 環オホーツク海域の豊かな生態系を生み出す鉄供給システム…西岡 純
2. 1 環オホーツク海域の重要性  
2. 2 海洋における植物プランクトンの増殖と鉄  
2. 3 自然界の植物プランクトン生産を生み出す鉄供給システム  
2. 4 環オホーツク生態系システムの将来の予測と保全  

第3章 数値モデルを用いた環オホーツク地域の環境研究――将来予測へ向けて…三寺史夫・中村知裕
3. 1 はじめに――環オホーツク地域について  
3. 2 オホーツク海高気圧  
3. 3 海氷の形成とオホーツク海の中層循環  
3. 4 オホーツク海・親潮域の物質循環  
3. 5 海氷変動と環オホーツク気候システム  

第4章 オホーツク海のメタンシープとメタンハイドレート…庄子 仁・南 尚嗣・八久保晶弘
4. 1 はじめに  
4. 2 音波を利用してメタンシープを探す  
4. 3 海底表層コアの採取と解析  
4. 4 おわりに  

第5章 オホーツク海の命運を握るアムール川…白岩孝行
5. 1 アムール川と日本人  
5. 2 アムール川とその流域  
5. 3 魚附林とは何か  
5. 4 アムール川が運ぶ溶存鉄  
5. 5 鉄を生み出すアムール川流域の湿地  
5. 6 森は海の恋人か?  
5. 7 顕在化する人為的影響  
5. 8 残された課題  

第2部 環オホーツク海地域の資源開発と経済
第6章 環オホーツク海地域の経済発展…田畑伸一郎
6. 1 はじめに  
6. 2 環オホーツク海地域の経済の概要  
6. 3 2000年代におけるロシア極東経済発展の契機  
6. 4 2000年代におけるロシア極東経済の変化 
6. 5 持続的経済発展の可能性  

第7章 ロシア極東・東シベリアにおけるエネルギー開発…本村眞澄
7. 1 はじめに  
7. 2 サハリンの石油開発の歴史  
7. 3 ESPO原油の北東アジアでの波紋  
7. 4 北東アジアでの天然ガス・パイプライン敷設計画  
7. 5 日本との関係  
7. 6 カムチャツカ半島西方の探鉱  
7. 7 おわりに  

第8章 オホーツク海の水産資源と漁業…西内修一
8. 1 オホーツク海の漁場と漁業の特徴  
8. 2 オホーツク海における漁業生産  
8. 3 オホーツク海の主要な水産資源 
8. 4 オホーツク海の水産資源の持続的利用に向けた課題  

第9章 環オホーツク海地域における木材の生産と貿易…封安全
9. 1 はじめに  
9. 2 ロシア極東の森林資源と林業  
9. 3 黒竜江省の森林資源と木材生産  
9. 4 ロシア極東地域の木材生産と輸出 
9. 5 ロシア極東地域の森林産業に存在する問題点 
9. 6 ロシア極東地域の森林産業の潜在力と今後の発展趨勢  

第10章 ロシア極東の人口減少問題…田畑朋子
10. 1 はじめに  
10. 2 極東の人口構成・人口動態の概要  
10. 3 1990年代以降における人口減少とその要因分析  
10. 4 雇用動態と就業構造の変化  
10. 5 おわりに 

終  章…白岩孝行・庄子 仁

索  引  
執筆者紹介  


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