20世紀ロシアの開発と環境 政治経済学的分析
価格:6,600円 (消費税:600円)
ISBN978-4-8329-6774-8 C3033
奥付の初版発行年月:2013年03月 / 発売日:2013年03月中旬
ソ連とロシア連邦を対象に、公害・環境問題の見地から20世紀における経済開発の過程を政治経済学的な視角で分析する。「現存したソ連社会主義」の公害・環境問題を検討し、シベリアの長期的な発展過程を開発と環境の両面から検証。またバイカル湖流域の環境汚染の実態を解明する。
徳永 昌弘(トクナガ マサヒロ)
関西大学商学部准教授。1999年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。経済学博士(京都大学,2002年)。主著に『グローバル金融危機と経済統合――欧州からの教訓』(共著)関西大学出版部,2012年,『国際比較の経済学――グローバル経済の構造と多様性』(監訳)NTT出版,2012年。Environment and Planning A,The Journal of Comparative Economic Studies,『環境管理』,『国民経済雑誌』,『スラヴ研究』,『比較経済体制研究』,『ロシア・東欧研究』,『ロシアNIS調査月報』等に論文を発表。
目次
序 章
第Ⅰ部
第一章 公害・環境問題と経済体制――社会主義国ソ連の「公害」論争を振り返って
第二章 開発と環境――社会主義近代化プロジェクトの遺産と清算
第三章 環境ガバナンス――「閉ざされた」エコロジー近代化の道
第四章 社会主義工業化――ロシア後背地の変貌と実像
第Ⅱ部
第五章 戦後シベリアの地域経済開発――「バイカル問題」の背景
第六章 社会主義国ソ連の公害・環境問題――「バイカル問題」の登場
第七章 開発と環境のジレンマ――「バイカル問題」の深化
第八章 資本主義国ロシアの公害・環境問題――「バイカル問題」の転回
終 章――結論と展望
〈附録〉
巻頭地図
1. 地下資源開発に起因する地形崩壊の状況
2. 永久凍土融解の状況
3. 放射能汚染源の分布状況
参考文献
1. エコロジー近代化論
2. ソ連・ロシア近代化論(ソ連・ロシア経済に関する文献を含む)
3. ソ連およびロシアの公害・環境問題
(資源・エネルギー問題と都市問題に関する文献を含む)
4. シベリア開発の現代史(アンガラ川流域開発に関する文献を含む)
5. バイカル湖流域の開発と環境
(バイカリスクセルロース・製紙コンビナートに関する文献を含む)
人名索引/事項索引
関連書
『世界」の環境問題(4)ロシアと旧ソ連邦諸国』(川名英之、緑風出版、2008)
『科学技術大国ソ連の興亡―環境破壊・経済渋滞と技術展開』(市川浩著、勁草書房)