近代チェコ住宅社会史 新国家の形成と社会構想
価格:7,920円 (消費税:720円)
ISBN978-4-8329-6776-2 C3022
奥付の初版発行年月:2013年02月 / 発売日:2013年02月下旬
本書は、20世紀に誕生 した新国家チェコスロヴァキアの形成と社会変容を、住宅問題を通して考察する試みである。チェコに広がる大規模高層住宅は、20世紀前半に展開された様々な社会改革運動の末に形成され、共産主義体制が成立するまでに、市民層の社会改革家や都市官僚層、前衛的建築家、さらには共産党員らが、独自の住宅・社会改革を打ち出していった。
当時のチェコで展開された、独自の社会構想に着目する。
チェコスロヴァキアの形成と社会変容を、住宅問題を通して考察する
森下 嘉之(モリシタ ヨシユキ)
森下 嘉之(もりした よしゆき)
1978年 兵庫県神戸市生まれ
2001年 神戸大学文学部卒業
チェコ・カレル大学留学(2004-2007年)を経て,
2010年 東京大学大学院総合文化研究科・地域文化研究専攻修了。博士(学術)
現 在 日本学術振興会特別研究員
専 攻 チェコを中心とする東欧近現代史・東欧地域研究
目次
目 次
序 章
第Ⅰ部 郊外住宅団地の実験――帝政期から一九二〇年代まで――
第一章 帝政期ボヘミアとプラハの都市・住宅・社会
第二章 チェコスロヴァキア第一共和国の住宅政策
――自立した市民層の育成――
第三章 一九二〇年代の住宅改革運動――自立した個人を基盤とした国家へ――
第Ⅱ部 「家族住宅」から「最小住宅」へ――一九三〇年代の住宅改革から戦後へ――
第四章 経済恐慌期における住宅政策の変容――「家族住宅」から「最小住宅」へ――
第五章 新しい住宅改革構想――戦間期チェコの建築家集団の活動から――
第六章 ドイツ系住民の居住地域における住宅問題――地域社会とネイション――
第七章 チェコスロヴァキア第三共和国(一九四五―一九四八年)期
における住宅政策
終 章
参考文献
地名索引
人名索引
関連書
福田宏『身体の国民化―多極化するチェコ社会と体操運動―』2006,北海道大大学出版会
北村昌史『ドイツ住宅改革運動―19世紀の都市化と市民社会』2007,京都大学学術出版会
裕成保志『〈住宅〉の歴史社会学―日常生活をめぐる啓蒙・動員・産業化―』2008,新曜社