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環境保全の法と理論

環境保全の法と理論

髙橋 信隆:編著, 亘理 格:編著, 北村 喜宣:編著
A5判 634ページ 上製
価格:7,150円 (消費税:650円)
ISBN978-4-8329-6791-5 C3032
奥付の初版発行年月:2014年04月 / 発売日:2014年04月下旬

内容紹介

環境法の基本的考え方、個別法のポイント、訴訟解説、重大事件についての現場感覚あふれるコメントを1冊に凝縮。最新の研究成果や判例動向をベースに、一定の水準を確保しつつも平易な叙述により、学部授業、学部ゼミから法科大学院まで対応する新しいテキスト。

前書きなど

執筆者紹介(五十音順)*は編者

 有村俊秀(ありむら としひで)・早稲田大学政治経済学術院教授
 磯崎博司(いそざき ひろじ)・上智大学大学院地球環境学研究科教授
 牛嶋 仁(うしじま ひとし)・中央大学法学部教授
 荏原明則(えばら あきのり)・関西学院大学大学院司法研究科教授
 及川敬貴(おいかわ ひろき)・横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
 大久保規子(おおくぼ のりこ)・大阪大学大学院法学研究科教授
 大塚 直(おおつか ただし)・早稲田大学法学部教授
 小川一茂(おがわ かずしげ)・神戸学院大学法学部准教授
 越智敏裕(おち としひろ)・上智大学法学部教授
 織 朱實(おり あけみ)・関東学院大学法学部教授
 柿澤宏昭(かきざわ ひろあき)・北海道大学大学院農学研究院教授
 籠橋隆明(かごはし たかあき)・弁護士(名古屋E&J法律事務所)
 河東宗文(かとう むねよし)・弁護士(アース法律事務所)
 岸本太樹(きしもと たいき)・北海道大学大学院法学研究科教授
 北見宏介(きたみ こうすけ)・名城大学法学部准教授
*北村喜宣(きたむら よしのぶ)・上智大学法学部教授
 黒川哲志(くろかわ さとし)・早稲田大学社会科学総合学術院教授
 桑原勇進(くわはら ゆうしん)・上智大学法学部教授
 交告尚史(こうけつ ひさし)・東京大学大学院法学政治学研究科教授
 島村 健(しまむら たけし)・神戸大学大学院法学研究科教授
 下井康史(しもい やすし)・千葉大学大学院専門法務研究科教授
 下村英嗣(しもむら ひでつぐ)・広島修道大学人間環境学部教授
 鈴木 光(すずき ひかる)・北海学園大学法学部教授
 勢一智子(せいいち ともこ)・西南学院大学法学部教授
 関根孝道(せきね たかみち)・弁護士(はえばる法律事務所)
 高橋 滋(たかはし しげる)・一橋大学大学院法学研究科教授
*髙橋信隆(たかはし のぶたか)・立教大学法学部教授
 高村ゆかり(たかむら ゆかり)・名古屋大学大学院環境学研究科教授
 田中 充(たなか みつる)・法政大学社会学部教授
 鶴田 順(つるた じゅん)・海上保安大学校准教授
 畠山武道(はたけやま たけみち)・早稲田大学大学院法務研究科教授
 日置雅晴(ひおき まさはる)・弁護士(神楽坂キーストーン法律事務所)
 福士 明(ふくし あきら)・北海学園大学法学部教授
 藤谷武史(ふじたに たけし)・東京大学社会科学研究所准教授
 堀口健夫(ほりぐち たけお)・上智大学法学部教授
 前田陽一(まえだ よういち)・立教大学大学院法務研究科教授
 村松昭夫(むらまつ あきお)・弁護士(大川・村松・坂本法律事務所)
 柳憲一郎(やなぎ けんいちろう)・明治大学大学院法務研究科教授
 山下竜一(やました りゅういち)・北海道大学大学院法学研究科教授
*亘理 格(わたり ただす)・北海道大学大学院法学研究科教授

著者プロフィール

髙橋 信隆(タカハシ ノブタカ)

立教大学法学部教授

亘理 格(ワタリ タダス)

北海道大学大学院法学研究科教授

北村 喜宣(キタムラ ヨシノブ)

上智大学法学部教授

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はしがき…髙橋信隆
略語一覧
第Ⅰ部 環境法の基本的考え方
第1章 環境法における権利と利益――環境権論を中心に…亘理 格
環境法における公益と私的権利利益 / 環境権論 / 環境権論再構成の諸類型 / 環境権論の将来像  
第2章 持続可能な開発…磯崎博司
環境と開発 / 持続可能性の確保 / 行政規則の連携  
第3章 環境対策の費用負担…大塚 直
環境対策の費用負担 / 環境法における各局面での費用負担 / 課題と展望  
第4章 環境リスク…岸本太樹
科学的不確実性 / 環境リスク――法的対応の難しさ / リスク関連情報の収集とリスク評価 / リスク予防措置の決定――リスク管理 / 再評価と検証 / リスク評価・管理手続の体系化  
第5章 未然防止と予防…堀口健夫
環境損害の事前対処に関わる概念の発展 / 国際法における未然防止と予防の概念 / わが国の国内法における展開 / 展望と課題  
第6章 環境法における比例原則…桑原勇進
比例原則の意義 / 環境法における比例原則の限界 / 新たな比例原則――過少禁止的比例原則  
第7章 環境法における国と自治体の役割分担…大久保規子
地方分権と環境行政 / 環境分野における地方分権の経緯 / 現行法における国と自治体の役割分担 / 自治体環境条例の体系 / 今後の展望  
環境法事件簿1 景観利益と国立マンション訴訟…河東宗文
景観の権利性について / 国立マンション訴訟とは / 国立におけるまちづくり / 国立マンション訴訟における裁判状況 / 本件マンションが,地区計画および建築物制限条例に違反する違反建築物であるかどうか / 景観の権利性について / 最高裁判決の問題点  
第Ⅱ部 環境管理の法的手法
第8章 環境法規制の仕組み…北村喜宣
現代行政法としての環境法 / 意思決定へのアプローチ / 規制手法とその概要 / 個別環境法の基本構造 / 環境法の実施主体としての中央政府と地方政府  
第9章 経済的手法…藤谷武史
経済的手法とは何か / 経済的手法の基本原理と構造 / 経済的手法の具体的設計上の論点と「ポリシー・ミックス」の意義 / 経済的手法の具体例 / 経済的手法の展開可能性  
10章 情報的手法・自主的手法…黒川哲志
環境影響の「見える化」による規制 / グリーン化した市場を利用した規制手法 / 環境ラベル / 自主的な取組み / 法律に基づく仕組み / 「見える化」が機能するために  
第11章 市民参画…山下竜一
環境法における市民参画の必要性 / 市民参画の概念 / 市民参画の機能・種類 / 参画手続の種類 / 参画手続の適正化 / 市民参画の要件 / 市民参画の効果  
第12章 環境アセスメント法の論点とその評価…田中 充
環境アセスメントの導入と法制度の判定 / 環境影響評価の定義と制度運用の実績 / 環境影響評価法の改正に至る経緯 / 改正法制度の主な手続の流れ / 改正環境影響評価法における主な論点 / 環境影響評価法の改正における今後の課題 / 環境アセスメント制度の発展に向けて
環境法事件簿2 沖縄ジュゴンと米国NHPA訴訟――米国国家歴史保存法の域外適用条項第402条を中心に…関根孝道
米国NHPA訴訟とは / 本訴訟命令の意義 / 第一次中間命令 / 第二次中間命令 / 今後の展望
第Ⅲ部 公害対策法の仕組みと課題
第13章 大気・水環境管理における規制的手法…柳 憲一郎
大気・水環境管理における規制的手法 / 大気・水環境管理に関する法的対応 / 大気・水質に係る環境基準 / 直接規制の枠組み / 汚染源の多様化に対応する環境保全措置 / 直接規制による履行確保の強化 / 大気・水環境管理法の課題  
第14章 土壌汚染対策法制の現状と課題…牛嶋 仁
土壌汚染とその対策法制 / 土壌汚染対策法 / 土壌汚染をめぐる訴訟 / 土壌汚染対策法の運用と実務 / 土壌汚染対策法の課題  
第15章 化学物質管理法制の現状と課題…高橋 滋・織 朱實
化学物質規制の特色 / 化学物質管理政策の変遷 / 化審法 / PRTR法 / 化学物質管理政策の課題  
環境法事件簿3 水俣病とこれからの法…北見宏介
水俣病の確認から公害認定まで / 患者らによる訴えの提起と救済 / 水俣病事件が示すこと  
第Ⅳ部 廃棄物・資源循環法制の仕組みと課題
第16章 一般廃棄物・資源循環法制の現状と課題…勢一智子
ゴミと法の視点 / モノからの分離――廃棄物法の成立 / 産業廃棄物との分流――一般廃棄物処理法体制の確立 / 産業廃棄物との部分的合流――リサイクル制度による変化 / モノへの再合流――資源管理としての一般廃棄物法政策 / ゴミと法の将来――一般廃棄物・資源循環法制の課題と展望  
第17章 産業廃棄物法制の現状と課題…福士 明
産業廃棄物法制の課題 / 産業廃棄物法制と処理の責任主体 / 産業廃棄物法制と適正処理の法政策――2000年改正廃棄物処理法以前 / 産業廃棄物法制と「産業廃棄物分野の構造改革」――2000年法以降の法政策 / 循環型社会における産業廃棄物法制の課題  
環境法事件簿4 大量生産・大量消費社会と豊島事件…小川一茂
豊島事件の概要 / 調停・判決の内容 / 事件の影響
第Ⅴ部 自然保護・都市環境管理法の仕組みと課題
第18章 自然環境保全…髙橋信隆
「自然保護」から「生物多様性の保全」へ / 自然保護法制の展開と環境法体系における位置づけ / 環境政策の新たな枠組みとしての環境基本法 / 保護と利用の調和的両立に向けた自然保護の方向性 / 環境法としての自然保護法制の確立に向けた若干の課題  
第19章 都市環境管理…荏原明則
問題の所在 / 都市計画法制の展開 / 現行法制の概要と問題点 / 都市環境問題 / 都市環境問題と景観保護 / 残された課題  
第20章 公共事業と環境保全…下井康史
公共事業についての法 / 土地収用法 / 都市計画法  
環境法事件簿5 アイヌ民族と二風谷ダム訴訟…鈴木 光
訴訟に至るまでの経緯 / 札幌地方裁判所判決 / 事件の意義  
第Ⅵ部 環境法と隣接学問分野
第21章 環境経済学…有村俊秀
経済学と環境問題 / 市場の効率性 / 市場の失敗――外部不経済 / 政策手段 / 環境権利の利用――排出量取引 / 各国で進む温暖化対策としての排出量取引制度 / 経済的なアプローチの可能性  
第22章 環境社会学…柿澤宏昭
本章で論じる内容 / 環境社会学の特徴 / 環境問題の社会学研究 / 環境共存の社会学研究災害と環境社会学 / 環境ガバナンスの構築に向けて  
第23章 環境倫理学…交告尚史
生態系への配慮と環境倫理学 / 欧米の環境倫理――奄美「自然の権利」訴訟の訴状から / 関係性理論の創造――奄美「自然の権利」訴訟の第2ステージ / ノルウェーの環境倫理と環境法 / 生態学的共同体の概念  
環境法事件簿6 奄美「自然の権利」訴訟の価値…籠橋隆明
アマミノクロウサギ訴訟の始まり / 事件の背景 / 「自然の権利」 / 自然保護思想としての「自然の権利」 / 奄美「自然の権利」と原告適格 / 沖縄ジュゴン「自然の権利」訴訟
第Ⅶ部 環境保全と被害救済
第24章 環境民事訴訟…前田陽一
損害賠償訴訟 / 差止訴訟 / 今後の課題  
第25章 環境行政訴訟…越智敏裕
環境行政訴訟とは / 環境行政訴訟の歴史と分野 / 環境行政訴訟の形式と紛争類型 / 環境行政訴訟の諸課題と課題解決の方向性 / 環境行政訴訟の展望  
第26章 公害紛争処理と公害被害補償…下村英嗣
行政救済の必要性 / 環境紛争の行政的解決――公害紛争処理法 / 公害被害の行政的救済 / 特定原因物質に特化した救済制度――石綿救済法 / 行政救済に関する今後の課題と期待
環境法事件簿7 西淀川公害訴訟…村松昭夫
大気汚染公害訴訟の経過 / 西淀川公害訴訟の経過 / 訴訟の和解内容と意義 / 積み重ねた貴重な成果
第Ⅷ部 国際環境法と国内環境法
第27章 地球温暖化をめぐる国際法と日本の温暖化法制…高村ゆかり
地球温暖化問題に対処する法の役割 / 地球温暖化をめぐる国際条約の展開 / 日本における温暖化防止の国内法の展開 / 温暖化をめぐるEUの法制度 / 日本の温暖化法制の特質
国内法制の今後の課題  
第28章 生態系保全・絶滅種保護対策…及川敬貴
生物多様性をめぐる国際・国内制度――その増殖と相互関係 / 国際制度の発展――条約レジームの生成と展開 / 国内制度の発展――条約レジームと基本法の重なりと距離 / 基本法新時代の制度間関係――国内制度から国際制度へのフィードバック  
第29章 有害廃棄物対策…鶴田 順・島村 健
バーゼル条約採択の背景とその内容 / バーゼル条約の日本における実施のための国内法整備 / バーゼル法の運用の実態と問題点 / 再生可能資源貿易の潜在的汚染性と潜在的資源性  
環境法事件簿8 鞆の浦世界遺産訴訟…日置雅晴
提訴の背景 / 訴訟戦略と画期的な差止判決 / 公判における訴訟活動と支援の拡大  
結語 環境基本法体制――20年の歩みと展望…畠山武道
環境基本法の10年と20年 / 環境基本法制定時の日本の環境政策 / 環境基本法体制10年の成果と課題 / 環境基本法体制20年の成果と課題 / 残された課題――21世紀の環境法制の拡充に向けて  
畠山武道先生 主要著作目録 / 畠山武道先生 略歴
事項索引 / 判例索引

関連書

畠山武道・柿澤宏昭編著『生物多様性保全と環境政策』
畠山武道著『自然保護法講義[第2版]』
畠山武道著『アメリカの環境保護法』
鈴木光著『アメリカの国有地法と環境保全』
久松弥生著『アメリカの国立公園法』
畠山武道・土屋俊幸・八巻一成編著『イギリス国立公園の現状と未来』


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