大学出版部協会

 

政教関係の視座からアジアの社会参加仏教

現代宗教文化研究叢書5
アジアの社会参加仏教 政教関係の視座から

A5判 440ページ 上製
価格:7,040円 (消費税:640円)
ISBN978-4-8329-6812-7 C3014
奥付の初版発行年月:2015年04月 / 発売日:2015年04月下旬

内容紹介

グローバリゼーションが進展し,社会が大きく変貌しつつある現在,人々のつながりや絆を再構築する宗教の役割が注目されている。本書は,そうした今日的な宗教の役割を考える狙いから,アジア諸国における仏教の社会的役割の多様な実態を明らかにし,また,その実態を規定する各国特有の政教関係(政治と宗教の関係)を検証する。本書では,まず「はじめに」のなかで,近年脚光を浴びる「社会参加仏教(Engaged Buddhism)」という概念を手がかりに理論的な考察が示され,近代以降の世界における社会と宗教の関係や,国家と宗教の関係を捉える諸論点が整理される。「第Ⅰ部 東アジア」「第Ⅱ部 東南アジア」「第Ⅲ部 南アジア」では,各地域の諸国における宗教事情・仏教事情に関して,法や行政制度の変遷についての情報,統計情報,フィールド調査で得られた情報などが提供され,それら諸情報に基づいた議論が展開される。「宗教と社会」学会創立20周年記念企画テーマセッションから生まれた,宗教研究の最新の成果にして,比較研究の地平を切り開く1冊!

著者プロフィール

櫻井 義秀(サクライ ヨシヒデ)

生 年 1961年
現 在 北海道大学大学院文学研究科教授
専 門 宗教社会学,東アジア宗教文化論,タイ地域研究
主 著 『東北タイの開発と文化再編』北海道大学図書刊行会,2005年(単著)。『東北タイの開発僧』梓出版社,2008年(単著)。『社会貢献する宗教』世界思想社,2009年(稲場圭信と共編)。『統一教会』北海道出版会,2010年(中西尋子と共著)。『現代タイの社会的排除』梓出版社,2010年(道場良子と共編)。『越境する日韓宗教文化』北海道大学出版会,2011年(李元範と共編)。『日本に生きる移民たちの宗教生活』ミネルヴァ書房,2012年(三木英と共編)。『アジアの宗教とソーシャル・キャピタル』明石書店,2012年(濱田陽と共編)。『タイ上座仏教と社会的包摂』明石書店,2013年(編著)。『カルト問題と公共性』北海道大学出版会,2014年(単著)。

外川 昌彦(トガワ マサヒコ)

生 年 1964年
現 在 広島大学大学院国際協力研究科准教授
専 門 文化人類学,南アジア地域研究,宗教社会学
主 著 『ヒンドゥー女神と村落社会』風響社,2003年(単著)。An Abode of the Goddess, Manohar Publication, 2006(単著). 『聖者たちの国へ』NHKブックス,2008年(単著)。『宗教に抗する聖者』世界思想社,2009年(単著)。『南アジアの文化と社会を読み解く』慶應義塾大学出版会,2011年(分担執筆,鈴木正崇編)。『死者の追悼と文明の岐路』三元社,2012年(分担執筆,大稔哲也・島薗進編)。『宗教とツーリズム』世界思想社,2012年(分担執筆,山中弘編)。『叢書・激動のインド1 変動のゆくえ』日本経済評論社,2013年(分担執筆,水島司編)。『現代インド1 多様性社会の挑戦』東京大学出版会,2015年(分担執筆,田辺明生・杉原薫・脇村孝平編)。

矢野 秀武(ヤノ ヒデタケ)

生 年 1966年
現 在 駒澤大学総合教育研究部教授
専 門 宗教学,タイ上座仏教研究,宗教社会学
主 著 『岩波講座・宗教9 宗教の挑戦』岩波書店,2004年(分担執筆,池上良正ほか編)。『現代タイにおける仏教運動』東信堂,2006年(単著)。『世界の宗教教科書』大正大学出版会,2008年(翻訳,分担執筆)。『グローバル化するアジア系宗教』東方出版,2012年(分担執筆,中牧弘允/ウェンディ・スミス編)。『情報時代のオウム真理教』春秋社,2011年(分担執筆,井上順孝責任編集,宗教情報リサーチセンター編)。『タイ上座仏教と社会的包摂』明石書店,2013年(分担執筆,櫻井義秀編)。『90分でわかる! ビジネスマンのための「世界の宗教」超入門』東洋経済新報社,2013年(分担執筆,井上順孝編)。『タイを知るための72章』明石書店,2014年(分担執筆,綾部真雄編)。

小島 伸之(コジマ ノブユキ)

生 年 1970年
現 在 上越教育大学大学院学校教育研究科准教授
専 門 憲法,日本近代法史,宗教社会学
主著・論文 『情報時代のオウム真理教』春秋社,2011年(分担執筆,井上順孝責任編集,宗教情報リサーチセンター編)。「特別高等警察による信教自由制限の論理」『宗教と社会』14号,2008年。「近現代日本における『教育の中立性』」『比較憲法学研究』26号,2014年。

大谷 栄一(オオタニ エイイチ)

生 年 1968年
現 在 佛教大学社会学部准教授
専 門 宗教社会学,近現代日本宗教史
主 著 『近代日本の日蓮主義運動』法蔵館,2001年(単著)。『近代仏教という視座』ぺりかん社,2012年(単著)。『ブッダの変貌』法藏館,2014年(末木文美士・林淳・吉永進一と共編)。

長谷 千代子(ナガタニ チヨコ)

生 年 1970年
現 在 九州大学大学院比較社会文化学府・研究院准教授
専 門 文化人類学,宗教研究
主 著 『文化の政治と生活の詩学』風響社,2007年(単著)。『民族表象のポリティクス』風響社,2008年(分担執筆,塚田誠之編)。『現代中国の宗教』昭和堂,2013年(分担執筆,川口幸大・瀬川昌久編)。

別所 裕介(ベッショ ユウスケ)

生 年 1972年
現 在 広島大学大学院国際協力研究科助教
専 門 文化人類学,チベット・ヒマラヤ地域研究
主著・論文 『聖地巡礼ツーリズム』弘文堂,2012年(分担執筆,星野英紀・山中弘・岡本亮輔編)。『中華人民共和国と少数民族』勉誠出版,近刊(分担執筆,毛里和子・澤井充生・田中周編)。“Competition for the Mountain Landscape”, Journal of Research Institute, vol.51 (Current Issues and Progress in Tibetan Studies), 2014.

五十嵐 真子(イガラシ マサコ)

生 年 1965年
現 在 神戸学院大学人文学部教授
専 門 文化人類学(宗教,植民地経験,台湾)
主 著 『現代台湾宗教の諸相』人文書院,2006年(単著)。『戦後台湾における〈日本〉』風響社,2006年(三尾裕子と共編)。『台湾における〈植民地〉経験』風響社,2011年(分担執筆,植野弘子・三尾裕子編)。

李賢京(イ ヒョンギョン)

生 年 1979年
現 在 東西大学日本研究センター研究教授
専 門 宗教社会学,日韓宗教比較
主著・論文 『日本に生きる移民たちの宗教生活』ミネルヴァ書房,2012年(分担執筆,三木英・櫻井義秀編)。『韓流・日流』勉誠出版,2014年(分担執筆,山本浄邦編)。「『閉じた』ディアスポラ信仰共同体としての葛藤と『開かれた』信仰共同体としての可能性」『日本研究』61号(韓国外国語大学校日本研究所),2014年。

藏本 龍介(クラモト リョウスケ)

生 年 1979年
現 在 東京大学大学院総合文化研究科学術研究員
専 門 文化人類学,ミャンマー地域研究
主 著 『静と動の仏教』佼成出版社,2011年(分担執筆,奈良康明・下田正弘編)。『アジアの仏教と神々』法藏館,2012年(分担執筆,立川武蔵編)。『世俗を生きる出家者たち』法藏館,2014年。

北澤 直宏(キタザワ ナオヒロ)

生 年 1984年
現 在 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程
専 門 ベトナム地域研究
主著・論文 『アジアにおけるシャーマニズムと社会変容』松香堂書店,2010年(小島敬裕・前川佳世子と共編)。「〝解放″後のベトナムにおける宗教政策」『東南アジア研究』50巻2号,2013年。「[書評]黄蘊編『往還する親密性と公共性』京都大学学術出版会,2014年」『東南アジア研究』52巻1号,2014年。

蓮池 隆広(ハスイケ タカヒロ)

生 年 1969年
現 在 専修大学非常勤講師
専 門 宗教学,インドネシア地域研究
主 著 『新しい追悼施設は必要か』ぺりかん社,2004年(分担執筆,国際宗教研究所編)。『宗教の事典』朝倉書店,2012年(分担執筆[「東南アジア島嶼部」の項目],山折哲雄監修,川村邦光・市川裕・大塚和夫・奥山直司・山中弘編)。『世界は宗教とこうしてつきあっている』弘文堂,2013年(分担執筆,山中弘・藤原聖子編)。

田中 雅一(タナカ マサカズ)

生 年 1955年
現 在 京都大学人文科学研究所教授
専 門 文化人類学,南アジア民族誌
主 著 『供犠世界の変貌』法藏館,2002年(単著)。『癒しとイヤラシ』筑摩書房,2010年(単著)。『軍隊の文化人類学』風響社,2015年(編著)。

舟橋 健太(フナハシ ケンタ)

生 年 1973年
現 在 龍谷大学現代インド研究センター研究員(人間文化研究機構地域研究推進センター研究員)
専 門 文化人類学,南アジア地域研究
主 著 『来たるべき人類学3 宗教の人類学』春風社,2010年(分担執筆,吉田匡興・石井美保・花渕馨也編)。『講座・生存基盤論3 人間圏の再構築』京都大学学術出版会,2012年(分担執筆,速水洋子・西真如・木村周平編)。『現代インドに生きる〈改宗仏教徒〉』昭和堂,2014年(単著)。

山本 達也(ヤマモト タツヤ)

生 年 1979年
現 在 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科客員研究員(人間文化研究機構地域研究推進センター研究員)
専 門 文化人類学,南アジア芸能研究
主著・論文 『宗教概念の彼方へ』法藏館,2011年(磯前順一との共編)。『舞台の上の難民』法藏館,2013年(単著)。「マントラを商品化する」『宗教と社会』20号,2014年。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに…櫻井義秀・外川昌彦・矢野秀武
 1 社会参加仏教(Engaged Buddhism)について  
 2 宗教の社会活動と政治  
 3 アジアの政教関係と国家の介入  
 4 本書の概要  

第Ⅰ部 東アジア
第一章 東アジアの政教関係と福祉…櫻井義秀
    ――比較制度論的視点――
 一 はじめに  
 二 宗教文化の構造と政教関係  
  二-一 東アジアにおける宗教文化  
  二-二 東アジアの政教関係  
 三 福祉制度の確立と多元化  
  三-一 東アジアの福祉レジーム  
  三-二 経済・人口・福祉制度とケアの領域  
 四 東アジア諸国の政教関係と宗教による社会事業  
  四-一 日  本  
  四-二 中  国  
  四-三 台  湾  
  四-四 韓  国  
  四-五 香  港  
 五 おわりに  
第二章 近代日本の政教関係と宗教の社会参加…小島伸之
 一 はじめに  
 二 近代国家日本の統合原理  
 三 日本型政教関係  
  三-一 神道国教化政策とその挫折  
  三-二 「信教自由」・「政教分離」・「祭教分離」  
  三-三 大日本帝国憲法と政教関係  
 四 帝国憲法下の仏教・神社の社会参加  
  四-一 仏教と社会参加  
  四-二 神社(諸社)と社会参加  
 五 「宗教団体法」と政教関係  
  五-一 「宗教団体法」成立の意義  
  五-二 「宗教団体法」と政教関係の再定位  
 六 戦後の宗教法制  
  六-一 「宗教団体法」の廃止と「宗教法人令」  
  六-二 「宗教法人法」  
  六-三 オウム真理教事件と「宗教法人法」改正・「団体規制法」  
 七 おわりに
第三章 妹尾義郎と新興仏教青年同盟の反戦・平和運動…大谷栄一
 一 問題の設定  
 二 近代日本の仏教徒の社会参加の特徴と通史  
  二-一 日本の近代仏教と社会参加仏教の接点  
  二-二 近代仏教と改革的志向性  
  二-三 日本の近代仏教史における社会参加  
 三 新興仏教青年同盟の概要  
  三-一 新興仏青の組織  
  三-二 妹尾の「新興仏教」思想  
  三-三 新興仏青の活動  
 四 新興仏教青年同盟の反戦・平和運動  
  四-一 反ナチス・ファッショ粉砕同盟と極東平和友の会  
  四-二 第二回汎太平洋仏教青年大会の開催  
 五 若干の結論  
第四章 現代中国の宗教文化と社会主義…長谷千代子
 一 はじめに  
 二 公的言説における諸宗教の関係性の変化  
 三 民間における新たな仏教観  
 四 中国の市民宗教?――まとめに代えて  
第五章 チベット問題をめぐる宗教と政治…別所裕介
    ――ダライ・ラマの非暴力運動との関わりから――
 一 はじめに――ダライ・ラマにおける非暴力の水準  
 二 仏教王権政治からの脱却――ダライ・ラマのローヤリティと民主化  
  二-一 聖俗両界を統べる王・ダライ・ラマ  
  二-二 宗教界の再編――ゲルク派中心の不平等構造の改善  
  二-三 チベット政治の民主化――ダライ・ラマの権限移譲  
 三 中国政府との交渉――チベット問題をめぐる政教関係  
  三-一 「中道のアプローチ」の提唱  
  三-二 非暴力の見解に基づく交渉  
  三-三 本土チベットにおける仏教ナショナリズムの形成と興隆  
 四 おわりに――民族のための真理か、人間性のための真理か  
第六章 戦後台湾の社会参加仏教…五十嵐真子
    ――佛光山を事例に――
 一 はじめに  
 二 台湾仏教と佛光山  
  二-一 佛光山とは  
  二-二 台湾仏教概史  
 三 「人間仏教」の実践としての佛光山の活動  
  三-一 佛光山の活動内容  
  三-二 佛光山の発展過程と背景  
  三-三 佛光山と「人間仏教」  
 四 おわりに  
第七章 韓国の政教関係と社会参加仏教の展開…李賢京
 一 韓国の宗教概況――「宗教人口統計」を中心に  
 二 韓国の社会変動と宗教政策の変化  
  二-一 李承晩(イ・スンマン)政権の宗教政策  
  二-二 軍事政権の宗教政策  
  二-三 民主化以降の宗教政策  
 三 韓国社会と社会参加仏教の展開――「メンター」の台頭と仏教の対応  

第Ⅱ部 東南アジア
第八章 東南アジアの政教関係…矢野秀武
    ――その制度化の諸相――
 一 東南アジア諸国の概況  
 二 政教関係の留意点  
 三 東南アジア大陸部の国々と上座仏教・大乗仏教  
  三-一 ミャンマー  
  三-二 タ  イ  
  三-三 ラ オ ス  
  三-四 カンボジア  
  三-五 ベトナム  
 四 東南アジア島嶼部の国々とイスラーム・キリスト教  
  四-一 シンガポール  
  四-二 マレーシア  
  四-三 インドネシア  
  四-四 ブルネイ  
  四-五 フィリピン  
  四-六 東ティモール  
第九章 タイにおける国家介入的な政教関係と仏教の社会参加…矢野秀武
 一 本稿の目的と概要  
 二 タイの政教研究の概要  
 三 国家体制理念におけるタイの政教関係  
 四 タイ国憲法における宗教関連条項  
 五 行政組織と宗教行政事業  
 六 国家仏教・公認宗教論と協同的(Cooperative)政教関係  
 七 公定宗教と三つの型――公設型・公認型・公営型  
  七-一 公 設 型  
  七-二 公 認 型  
  七-三 公 営 型  
 八 まとめと展望  
  八-一 なぜ国家が宗教の統制に介入するのか  
  八-二 国家介入的な政教関係の変革可能性と社会参加  
第一〇章 タイの「開発僧」と社会参加仏教…櫻井義秀
 一 経済発展から民主的ガバナンスの時代へ  
 二 公共圏へ参与する仏教と距離を置く仏教  
 三 開発僧はどこから来てどこへ行くのか  
第一一章 ミャンマーの社会参加仏教…藏本龍介
    ――出家者の活動に注目して――
 一 はじめに  
 二 出家者の社会参加活動①――出家者の政治的活動  
 三 出家者の社会参加活動②――出家者による在家者向けサービス  
  三-一 世俗的サービス  
  三-二 仏教的サービス  
 四 社会に参加しない出家者たち  
第一二章 ベトナムの政教関係…北澤直宏
    ――戦争と社会主義の下で――
 一 はじめに  
 二 南北統一以前――社会参加仏教誕生の背景  
 三 南北統一後の社会主義政権――公認宗教制度の展開  
  三-一 一九八〇年代  
  三-二 一九九〇年代  
  三-三 二〇〇〇年代  
 四 公認宗教制度による軋轢  
 五 おわりに  
第一三章 インドネシアの政教関係と仏教の展開…蓮池隆広
 一 はじめに  
 二 インドネシアの仏教復興の歩み  
 三 インドネシアの宗教政策と仏教  
 四 華人の伝統と公認宗教のはざまで  
 五 仏教の組織化とスハルト後の展開  

第Ⅲ部 南アジア
第一四章 南アジアの政教関係…外川昌彦
    ――宗教とセキュラリズムの相克――
 一 南アジアの政教関係の概況  
 二 南アジア諸国の宗教別人口の特徴  
 三 インドの概況  
 四 パキスタンの概況  
 五 バングラデシュの概況  
 六 周辺諸国の概況――スリランカ・ブータン・ネパール・モルディブ  
第一五章 スリランカの民族紛争と宗教…田中雅一
    ――ソーシャル・キャピタル論の視点から――
 一 はじめに  
 二 ソーシャル・キャピタルとしての宗教再考  
 三 スリランカの人口構成  
 四 シンハラ・ナショナリズムの展開  
 五 武装闘争への道  
 六 排外的仏教  
 七 LTTEにおける新たな宗教実践  
 八 ソーシャル・キャピタルからカリスマへ  
 九 おわりに  
第一六章 近現代インドの仏教に見る「社会性」…舟橋健太
    ――B・R・アンベードカルの仏教解釈から現代インドの仏教改宗運動まで――
 一 「世俗国家」インドと仏教改宗  
 二 インドにおける「社会参加仏教」、カテゴリー、留保制度  
 三 アンベードカルの「仏教」解釈  
  三-一 指導者・アンベードカルの経歴  
  三-二 独自の「仏教」解釈とヒンドゥー教の否定  
 四 現代インドの改宗仏教徒と仏教改宗運動  
 五 「社会的認知」を求めて  
第一七章 バングラデシュの政教関係とマイノリティ仏教徒…外川昌彦
 一 概  況  
 二 バングラデシュにおける宗教政策の変遷  
  二-一 ムジブル・ラフマン政権(一九七一―七五)  
  二-二 ジアウル・ラフマン政権(一九七五―八一)  
  二-三 エルシャド政権(一九八二―九一)  
  二-四 一九九一年以降  
 三 民主化以降の政教関係  
  三-一 拮抗する二大政党  
  三-二 イスラーム政党  
 四 マイノリティ仏教徒  
第一八章 政治的締めつけと文化的創造力…山本達也
    ――ネパール在住チベット難民ポップ歌手と仏教――
 一 社会的存在としてのチベタン・ポップ歌手  
 二 ネパールの政教関係がチベタン・ポップ歌手に与える影響  
 三 マントラCDと新たな宗教的意味づけ  

あとがき  
索  引  
執筆者紹介  

関連書

『社会をつくる仏教――エンゲイジド・ブッディズム』人文書院、2003年
『行動する仏教――エンゲイジド・ブッディズムの動き』真宗大谷派宗務所出版部、2004
『日本の社会参加仏教――法音寺と立正佼成会の社会活動と社会倫理』東信堂、2005
『社会貢献する宗教』世界思想社、2009
『アジアの宗教とソーシャル・キャピタル』明石書店、2012
『地域社会をつくる宗教』明石書店、2012
『地域社会をつくる宗教』明石書店、2012
『ケアとしての宗教』明石書店、2013
『震災復興と宗教』明石書店、2013
『タイ上座仏教と社会的包摂――ソーシャル・キャピタルとしての宗教』明石書店、2013


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