パスポート学
価格:3,520円 (消費税:320円)
ISBN978-4-8329-6823-3 C3036
奥付の初版発行年月:2016年10月 / 発売日:2016年11月上旬
本邦初,まるごと一冊パスポートを考える書。豊富なカラー写真と共に世界各地のパスポートをみながら,その多面的な意味・役割について考える。様々な身分証明書,歴史との関わり,制度を規定する法律,無国籍や難民・移民の問題なども交え,体系的に考える。
陳 天璽(チン テンジ)
早稲田大学国際学術院国際教養学部 教授,博士(国際政治経済学)
おもな編著書・論文等 『無国籍』(新潮社,2005年),『忘れられた人々――日本の「無国籍」者』(編著,明石書店,2010年),『東アジアのディアスポラ』(駒井洋監修,小林知子との共編,明石書店,2011年),「日本における無国籍者の類型」(『移民政策研究』第5号,2013年)など。
大西 広之(オオニシ ヒロユキ)
中京大学社会科学研究所特任研究員,北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター境界研究・共同研究員,元法務省大阪入国管理局入国審査官,博士(法学)
おもな編著書・論文等 『行政の民間化の可能性と限界に関する研究』(三恵社,2014年)など。
小森 宏美(コモリ ヒロミ)
早稲田大学教育・総合科学学術院 教授
おもな編著書・論文等 『エストニアの政治と歴史認識』(三元社,2009年),『エストニアを知るための59章』(編著,明石書店,2012年),『変動期ヨーロッパの社会科教育』(編著,学文社,2016年)など。
佐々木 てる(ササキ テル)
青森公立大学経営経済学部 准教授,博士(社会学)
おもな編著書・論文等 「在日コリアンとシティズンシップ――権利と国籍を中心に」(『移民政策研究』第6号,2014年),『マルチ・エスニック・ジャパニーズ――○○系日本人の変革力』(編著,駒井洋監修,明石書店,2016年)など。
目次
【第Ⅰ部 パスポートを視る】
■第1章 世界のパスポート
1.1 ヨーロッパのパスポート〔EU(ヨーロッパ)とドイツ/イギリス/フランス
/南欧(スペイン,ポルトガル)/旧ソ連/旧ユーゴスラビア〕
1.2 アメリカのパスポート〔アメリカ合衆国/カナダ/ペルー〕
1.3 アフリカのパスポート
1.4 中近東のパスポート
1.5 アジアのパスポート〔韓国と北朝鮮/香港/タイ/ミャンマー/マレーシア
/ネパール/インド(アイデンティティ・サーティフィケート)〕
■第2章 日本のパスポート
2.1 通行手形
2.2 偽文書と身分証明
2.3 居留地制度下における外国人の内地旅行免状──国内旅行のパスポート
2.4 戦前のパスポート
2.5 本土から切り離された地域とパスポート――奄美・小笠原・沖縄
2.6 日本が発行する現在のパスポート
■第3章 移動と身分証明書
3.1 越境とさまざまな身分証明書
3.2 出生届と母子健康手帳
3.3 外国人登録と在留カード
3.4 もうひとつのパスポート「乗員手帳」
コラム 日本国「再入国許可書」と私
【第Ⅱ部 パスポートを考える】
■第4章 パスポートの概念・理論
4.1 パスポートとは?国籍とは?
4.2 パスポートの歴史
4.3 パスポートの機能と入管政策
コラム パスポートの表象
■第5章 パスポートをめぐる政治
5.1 パスポートとアイデンティティ
5.2 複数国籍,無国籍,無戸籍
5.3 海外渡航の自由とパスポート
5.4 難民
5.5 移民
■第6章 人とパスポートの関係
6.1 日本人移民とパスポート
6.2 中国帰国者と身分証明
6.3 帰化・国籍取得
6.4 アスリートにみる国籍選択の背景──トンガ人の事例を中心に
コラム あなたはだれ?──パスポートが覆う,そのむこうの景色
■終章 座談会 パスポート学の射程
関連書
『越境とアイデンティフィケーション』新曜社