日本列島におけるナイフ形石器文化の生成 現生人類の移住と定着
価格:13,200円 (消費税:1,200円)
ISBN978-4-8329-6834-9 C3021
奥付の初版発行年月:2017年09月 / 発売日:2017年11月上旬
旧石器文化の地域性が明確化する前の時期(4万年~2万9千年前)の列島全域を対象に、ナイフ形石器の技術的多様性をひもとくことで、ナイフ形石器文化の生成を捉えるとともに、その地域的差異から、日本列島における人類の移住と定着の過程を明らかにする。
大塚 宜明(オオツカ ヨシアキ)
1982年 茨城県に生まれる
2006年 明治大学文学部卒業
2016年 明治大学大学院文学研究科博士課程修了 博士(史学)
現 在 札幌学院大学人文学部特任講師
■主要論文
「東林跡VII層石器群における剝片剝離技術の検討」『鎌ヶ谷市史研究』24,鎌ヶ谷市教育委員会,2011年
「東北地方におけるナイフ形石器製作技術のはじまりと展開――秋田県域の資料を通して――」『駿台史学』145,駿台史学会,2012年
「近畿地方西部におけるAT下位石器群のナイフ形石器製作技術の検討――瀬戸内技法の成立基盤――」『旧石器考古学』78,旧石器文化談話会,2013年
「北海道における旧石器文化のはじまり――「前半期」石器群の古さ――」『日本考古学』37,日本考古学協会,2014年
「日本列島中央部におけるAT下位石器群の地域化とその背景――ナイフ形石器製作技術および石材利用の分析から――」『国立歴史民俗博物館研究報告』200,国立歴史民俗博物館,2016年
目次
はじめに
第I章 ナイフ形石器をめぐる研究とその課題
第1節 日本列島における旧石器文化の発見とナイフ形石器
第2節 ナイフ形石器の編年と系譜の予察
第3節 ナイフ形石器文化の拡張と位置づけ
第4節 「前期旧石器」の発見とナイフ形石器列島内起源説
第5節 ナイフ形石器研究の現状と課題
第6節 研究課題の整理と解決方法
第II章 研究対象と方法
第1節 研究対象と分析方法
第2節 用語の整理と定義
第III章 関東地方のAT下位におけるナイフ形石器製作技術の変遷
第1節 AT下位石器群の時間軸の設定
第2節 IX層段階におけるナイフ形石器製作技術の検討
第3節 VII層段階における石器製作技術の構造
第4節 VII層段階における原料消費の特徴
第5節 縦長剝片剝離技術と縦長剝片の利用形態
第6節 関東地方におけるナイフ形石器製作技術の変遷
第IV章 東北地方から九州地方における
AT下位のナイフ形石器製作技術の変遷
第1節 東北地方におけるナイフ形石器製作技術の変遷
第2節 東海・中部地方におけるナイフ形石器製作技術の変遷
第3節 近畿・中国地方におけるナイフ形石器製作技術の変遷
第4節 九州地方におけるナイフ形石器製作技術の変遷
第5節 ナイフ形石器製作技術による編年対比
第V章 北海道地方における旧石器文化のはじまり
第1節 「前半期」石器群に関する諸問題
第2節 分析資料と分析方法
第3節 「不定形剝片石器群」の特徴
第4節 東北地方のAT下位石器群との比較
第5節 「不定形剝片石器群」以外のEn-a下位石器群の確認
第6節 「前半期」石器群の比較検討
第7節 「前半期」石器群の特徴とその歴史的位置づけ
第VI章 AT下位石器群における石器組成および遺跡立地の検討
第1節 AT下位石器群の石器組成
第2節 AT下位石器群における石器組成の時空間的変異
第3節 AT下位石器群における石器組成の変遷の背景
第VII章 日本列島におけるナイフ形石器文化の生成
第1節 ナイフ形石器の製作技術
第2節 ナイフ形石器の変遷と地域
第3節 日本列島におけるナイフ形石器文化の生成
おわりに
巻末付表
引用・参考文献
図表出典
あとがき
本書に関する既出論文
用語索引
人名索引
遺跡索引