議会審議の国際比較 議会と時間の諸相
価格:6,380円 (消費税:580円)
ISBN978-4-8329-6858-5 C3031
奥付の初版発行年月:2020年02月 / 発売日:2020年06月上旬
「国会審議の形骸化・空洞化」は日本だけの現象か――憲法をはじめとする制度的枠組み、制度の機能、審議の合理化、政府・議会多数派の役割、野党の地位に加え、議員任期や会期、議事日程といった「時間」という要素にも着目し、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、アメリカそして日本の議会を対象に議会審議や運営のあり方の比較を試みる。
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●著者紹介
岡田 信弘(オカダ ノブヒロ):北海学園大学教授、北海道大学名誉教授 ※編者
大山 礼子(オオヤマ レイコ):駒澤大学教授
ジル・トゥルモンド(Gilles TOULEMONDE):リール大学講師
セリーヌ・ヴァンゼル(Céline Vintzel):ランス大学講師
ジュリー・ベネッティ(Julie BENETTI):パリ第1大学教授
德永 貴志(トクナガ タカシ):和光大学教授
芦田 淳(アシダ ジュン):国立国会図書館調査及び立法考査局主査
木下 和朗(キノシタ カズアキ):岡山大学教授
新井 誠(アライ マコト):広島大学教授
武蔵 勝宏(ムサシ カツヒロ):同志社大学教授
只野 雅人(タダノ マサヒト):一橋大学教授
岡田 信弘(オカダ ノブヒロ)
北海学園大学教授、北海道大学名誉教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
はじめに
第1部 考察の枠組み
第1章 国際比較から見た国会審議の特色と問題点
──国会における「時間」の意義と特異性………大山礼子
Ⅰ 国会における「時間」
Ⅱ 国会は取るに足りない機関なのか?
Ⅲ なぜ実質的な審議ができないのか?
Ⅳ 改革の方向性
第2章 フランスにおける議会の時間………ジル・トゥルモンド/徳永貴志 訳
はじめに
Ⅰ 用 語
Ⅱ 文 法
Ⅲ 活 用
Ⅳ 偉大な作品
第3章 合理化された議会制と立法手続………セリーヌ・ヴァンゼル/徳永貴志 訳
はじめに
Ⅰ 合理化された議会制と立法手続との不可分性
Ⅱ 立法手続合理化技術の多様性
第4章 会期制の比較研究………岡田信弘
はじめに
Ⅰ 会期制の諸態様
Ⅱ 会期の分類
Ⅲ 会期制の現代的あり方
Ⅳ わが国の会期制のあり方の特徴と問題点
第2部 国別の考察
第5章 フランス議会上院における法案審議の合理化と政府統制機能の強化………徳永貴志
はじめに
Ⅰ 2015年改正の経緯
Ⅱ 会議日時の再編
Ⅲ 議員の出席義務と歳費減額
Ⅳ 審議の合理化
Ⅴ 政府統制機能
まとめにかえて
第6章 フランスの立法過程における議会多数派の役割………ジュリー・ベネッティ/徳永貴志 訳
はじめに
Ⅰ 2008年の憲法改正によって理論上再評価された役割
Ⅱ 政治的力関係によって本質的に規定される役割
第7章 議会と時間──ドイツ連邦議会の事例
………………セリーヌ・ヴァンゼル/岡田信弘・塩田明子・徳永貴志 訳
Ⅰ 議会における各アクターの時間に寄与する法
Ⅱ ドイツ連邦議会の最適な時間管理に寄与する文化
結 論
第8章 イタリアにおける議院規則改正と議会審議への影響………芦田 淳
はじめに
Ⅰ 下院規則の改正
Ⅱ 上院規則の改正
おわりに
第9章 イギリス議会における時間をめぐる制度と運用………木下和朗
序
Ⅰ 1997年以降の議会制度における時間をめぐる改革
Ⅱ 議会期の固定と解散権の制限
Ⅲ 会期制の運用及び改革
Ⅳ 議事日程の合理化
結
第10章 アメリカ連邦議会における法案審議過程の特徴
──近年の党派的分極化の中で………新井 誠
はじめに
Ⅰ 憲法規範から見た連邦議会の法案審議過程
Ⅱ 議会運営と党派的分極化
Ⅲ イデオロギー的分極化が立法過程に与える影響①──大統領制との関係
Ⅳ イデオロギー的分極化が立法過程に与える影響②──連邦議会の内部問題
まとめにかえて─トランプ政権時代の議会運営と法案審議
第11章 日本の国会審議の効率性と代表性………武蔵勝宏
はじめに
Ⅰ 国会の制度と運用を説明する2つのモデル
Ⅱ 日本の国会制度──効率性と代表性のいずれを重視しているのか
Ⅲ 国会審議における効率性と代表性は何によって影響を受けるのか
Ⅳ 国会の制度や慣行をどのように見直すべき
第3部 総括と解題
総括と解題──議会審議をどのように比較するのか………只野雅人
Ⅰ 議会審議をどのように比較するのか
Ⅱ 解題