近代中央アジアの綿花栽培と遊牧民 GISによるフェルガナ経済史
価格:8,250円 (消費税:750円)
ISBN978-4-8329-6859-2 C3033
奥付の初版発行年月:2020年02月 / 発売日:2020年03月中旬
中央アジア・フェルガナ地方における遊牧民の農耕化と定住民による綿花モノカルチャーの進展に注目し、ロシア帝国への併合からソ連初期に至るまでの経済構造の変化を分析。地理情報システム(GIS)を活用し、歴史史料から新情報を引き出し従来の見方に対して新しい議論を提起する。
植田 暁(ウエダ アキラ)
1984年 神奈川県横浜市に生まれる
2017年 東京大学人文社会系研究科博士課程単位取得退学 博士(文学)
現在 日本貿易振興機構アジア経済研究所 研究員
専門 中央アジア経済史
目次
口 絵
凡 例
序 論 綿花と遊牧が映す中央アジア史
近代史におけるフェルガナ地方
地理情報システム(GIS)と歴史学
問題設定と先行研究
史 料
第一章 フェルガナ盆地の諸集団――綿花モノカルチャーの担い手
はじめに
第一節 綿花モノカルチャーの成立
第二節 諸集団の分布と生業
第三節 バザールの機能とオアシスの拡大
小 結
第二章 クルグズ遊牧民とロシア人入植者――フェルガナ地方山麓部の動態
はじめに
第一節 フェルガナ地方のクルグズ遊牧民の社会経済的状況
第二節 山麓部における天水農耕普及の要因
第三節 ロシア人入植の開始と不法移民
小 結
第三章 一九一六年反乱における現地民とロシア人入植者
はじめに
第一節 フェルガナ地方における一九一六年反乱
第二節 飢餓草原とタイルシャイフ草原における一九一六年反乱
第三節 フェルガナ農民軍とフェルガナ臨時政府
小 結
第四章 ウズベク民族の創出――一九二四年民族別境界画定
はじめに
第一節 バスマチ運動期の人口動態と難民
第二節 一九二四年民族別境界画定とウズベク民族の創出
第三節 カシュガル人の消失とウイグル人の誕生
小 結
第五章 綿花モノカルチャーの後退と復興――一九一七─一九二九年
はじめに
第一節 戦乱による荒廃と綿作の復興
第二節 ソヴィエト政権による綿作復興の試みと農村の統制
第三節 食糧問題と山麓部の変化
小 結
結 論 農牧接壌地帯の変容
註
後書き
補足図表
図表一覧
参考文献
地名索引
事項・人名索引