雑穀の自然史 その起源と文化を求めて
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-8329-8051-8(4-8329-8051-3) C3045
奥付の初版発行年月:2003年09月 / 発売日:2003年09月下旬
わずか2〜3mmの貧弱な種子に秘められている人類と雑穀の長い歴史について,雑穀に魅せられた15人の研究者たちが熱く語る。さまざまな研究手法を駆使して,その成り立ちや伝播の歴史を読み解くとともに民族や文化との関わりについて探る。研究の視点やアプローチの多様さとともに「雑穀」をめぐる研究のむずかしさ楽しさ,そして保全の重要性が伝わる,研究者とその「苗」たちに贈る一冊。
山口 裕文(ヤマグチ ヒロフミ)
大阪府立大学大学院農学生命科学研究科教授
河瀬 真琴(カワセ マコト)
独立行政法人 農業生物資源研究所植物資源研究チーム長
梅本 信也 (ウメモト シンヤ)
京都大学フィールド科学教育研究センター助手
大澤 良(オオサワ リョウ)
筑波大学農林学系助教授
河井 初子(キマタ ミキオ)
大阪府立農芸高等学校教諭
木俣美樹男 (シゲタ マサヨシ)
東京学芸大学環境教育実践施設教授
重田 眞義(タイラ ヒロカズ)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助教授
平 宏和(タケイ エミコ)
(社)資源協会食品成分調査研究所所長
竹井恵美子(ネモト カズヒロ)
大阪学院短期大学教授
根本 和洋(フクナガ ケンジ)
信州大学農学部助手
福永 健二(ホリウチ タカツグ)
フランス国立レンヌ第一大学研究員
堀内 孝次(マツモト ハツコ)
岐阜大学農学部教授
三浦 励一(ミウラ レイイチ)
京都大学大学院農学研究科助手
南 峰夫(ミナミ ミネオ)
信州大学大学院農学研究科教授
吉崎 昌一(ヨシザキ ショウイチ)
元北海道大学文学部教授
目次
第Ⅰ部 雑穀とは何か
第1章 雑穀の種類と分布(山口裕文)
第2章 アワの遺伝的多様性とエノコログサ(河瀬眞琴・福永健二)
第3章 雑穀の祖先,イネ科雑草の種子を食べる:採集・調整と調理・栄養(河井初子・山口裕文)
第4章 雑穀のアミノ酸組成と脂肪酸組成(平 宏和)
第5章 先史時代の雑穀:ヒエとアズキの考古植物学(吉崎昌一)
第Ⅱ部 日本と東アジアの雑穀
第6章 日本のソバの多様性と品種分化(大澤 良)
第7章 飛騨の雑穀文化と雑穀栽培(堀内孝次)
第8章 東アジアの栽培ヒエとひえ酒への利用(山口裕文・梅本信也)
第9章 南西諸島のアワの栽培慣行と在来品種(竹井恵美子)
第10章 照葉樹林文化が育んだ雑豆“あずき”と祖先種(山口裕文)
第Ⅲ部 半乾燥地の雑穀
第11章 雑穀の亜大陸インド(木俣美樹男)
第12章 ネパールにおけるセンニンコク類の栽培と変異(南 峰夫・根本和洋)
第13章 南アジアにおけるゴマの利用と民族植物学(河瀬眞琴)
第14章 作物になれなかった野生穀類たち(三浦励一)
第15章 雑穀のエスノボタニー:アフリカ起源の雑穀と多様性を創りだす農耕文化(重田眞義)