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建築空間の空気・熱環境計画

建築空間の空気・熱環境計画

A5判 272ページ
価格:6,050円 (消費税:550円)
ISBN978-4-8329-8121-8(4-8329-8121-8) C3052
奥付の初版発行年月:2006年02月 / 発売日:2006年02月下旬

内容紹介

住宅の高断熱・高気密化は,シックハウスやアレルギー性疾患の急増をもたらした。本書においては,私たちの生活空間の空気環境や熱環境の計画と設計という最も身近な事象を取り纏めている。積雪寒冷地における居住室の「寒さ」や「暑さ」に関わる空気流動の観察や温度分布の測定を通じて,地域性,建築環境,生活対応について具体的に言及している。これからの積雪寒冷地における建築空間の空気・熱環境計画の基本理念と戦略が展開されており,建築家,技術者にとって必読の書である。

著者プロフィール

繪内 正道(エナイ マサミチ)

1946年,北海道北村生まれ。現在,北海道大学大学院工学研究科教授。工学博士(北海道大学)。主著として,『積雪寒冷型アトリウムの計画と設計』(編著,北海道大学図書刊行会),『北国の街づくりと景観』(訳,北海道大学図書刊行会),『自然エネルギー利用のためのパッシブ建築設計手法事典』・『アトリウムの環境設計』(ともに共著,彰国社)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき
序章
 序1 研究の背景と目的
 序2 本書の概要
1章 隙間風と換気
 1.1 北海道住宅における熱環境の改善努力
 1.2 隙間風の防止と結露の防止
 1.3 湿気の処理に必要な開放と閉鎖
 1.4 熱環境と空気環境の整合性
2章 空気の動きを探るための工夫
 2.1 ミクロにとらえた空気流動
 2.2 マクロ把握に必要な空気の色付け
 2.3 瞬時一様拡散
 2.4 トレーサガス(tracer gas)の放出量とガス濃度
3章 室間換気量の測定
 3.1 1室換気
 3.2 恒常系の測定と変動系の測定
 3.3 温度成層と混合
 3.4 多数室換気とモデリング(modeling)
 3.5 解析式に求められる条件
4章 冬の熱環境計画とパッシブ換気
 4.1 時間的な温度むらと空間的な温度むら
 4.2 気密性能と給排気口の集約化
 4.3 未利用空間の解消と寒さの緩和
 4.4  シックハウス(sick house)問題と必要換気量
 4.5 ユーズドエア(used air)の処理と換気経路計画 
5章 夏の熱環境計画とパッシブ換気
 5.1 温度成層と排熱の非拡散処理
 5.2 2種類の温度差換気(stack換気と上方開放熱対流型換気)
 5.3 アトリウム空間への適用
 5.4 高断熱建物への適用
6章 終章に替えて
 6.1 絶縁方策に基づいた選択的透過
 6.2 分布の解消から見えてくる分布の利用
 6.3 軽薄なアクティブ発想と頑迷なパッシブ発想
 6.4 省エネルギーの相場と共生環境への道程
 6.5 地域性への関わりと普遍的環境調整の確立
資料編
 資料1 記号
 資料2 原論文
あとがき
索  引


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