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体内時計を発見した男 ユルゲン・アショフの生涯人間の内なる時計

人間の内なる時計 体内時計を発見した男 ユルゲン・アショフの生涯 Die Innere Uhr Des Menschen : Jurgen Aschoff (1913-1998),Wissenschaftler in Einem Bewegten Jahrhundert.

B5変 328ページ 上製
価格:7,700円 (消費税:700円)
ISBN978-4-8329-8234-5 C3023
奥付の初版発行年月:2019年12月 / 発売日:2020年03月下旬

内容紹介

時間生物学の創始者の一人であり、ヒト体内時計の発見者であるユルゲン・アショフの伝記を、長年の共同研究者である著者が記したものである。内容は時間生物学の歴史そのものであり、アショフらが展開してきた研究のレビューでもある。体内時計、睡眠研究に関する必読の書。

著者プロフィール

サージ・ダーン(サージ ダーン)

1940-2018
オランダ王国ムック生まれ。アムステルダムで研究を始め、冬眠のテーマで学位を取得する。その後4年間、博士研究員としてユルゲン・アショフとコリン・ピッテンドリックのもとで近代的な時間生物学の基礎を学ぶ。2人のメンターとのアンデックス(バイエルン)のマックス・プランク行動生理学研究所、及びカリフォルニアのスタンフォード大学での出会いは、その後の科学的経歴に大きな影響を与え、生涯にわたる共同研究と親交に導いた。1975年から退職する2009年まで、彼はグローニンゲン大学の教授(行動生理学のニコー・ティンベルゲン主席)として研究と教育に従事し、最後は数理自然科学部の学部長として大学の管理運営に携わった。2006年、国際生物学賞受賞。

本間 研一(ホンマ ケンイチ)

1946~
札幌出身。北海道大学医学部卒業。大学入学直後に、父慶蔵との関係でユルゲン・アショフと出会う。彼の「体内時計の内的脱同調」の講演に感激し、生涯の研究テーマとなる。1973年初めてアンデックスのアショフを訪れ、1979年にマックス・プランク行動生理学研究所でリズム研究に従事する。帰国後、日本で初めて人を対象としたフリーラン実験を行う(1984年)。1984年から「生物リズムに関する札幌シンポジウム」を隔年で開催、2003年には第1回時間生物学世界大会を札幌で主催する。1992年に北大医学部生理学講座の教授となり、多くのリズム研究者を育成する。2010年定年退職し、現在はアショフ・ホンマ記念財団理事長。著書に「生体リズムの研究」(北海道大学図書刊行会)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次



1章 系譜──啓蒙と医学の150 年(1740-1913)
 ヘニングス家の系譜
 母クララ・ディートリックス
 ビーレフェルドのアショフ家
 枢密院顧問ルードウィヒ・アショフ教授

2章 フライブルグの幼少期、ボンの学生時代(1913-1939)
 学部は何と言うだろうか
 大戦
 学校と教育
 エッシェンホフの動向
 有名な父親
 高等学校時代
 前臨床医学
 学生団体アレマニア
 父、息子そして国家社会主義
 国防軍の二等兵
 博士号研究:再びフライブルグ

3章 氷水の中の手──戦時の研究と愛(1939-1945)
 ゲッチンゲン
 ポーランド出征
 氷水の中の手
 ヒルデ・ユング
 政治
 教授資格試験
 ブラネンブルグ・アム・イン

4章 代理人──ゲッチンゲン、ヴィルツブルグ、ハイデルベルグ(1945-1958)
 解放
 ゲッチンゲン大学新聞
 脱ナチ化
 ヴィルツブルグ:代理主任
 ヘルマン・ライン
 研究への復帰
 ハイデルベルグの代理人
 アショフ家
 自立への道

5章 生物時計──前史(~1960)
 葉の運動
 動物実験:活動と休息
 生きている時計
 リズム研究の萌芽
 生物時計
 コールド・スプリング・ハーバー

6章 エーリング・アンデックス──科学の砦(1960-1971)
 そしてまた総てが全く変わってしまった
 エーリングの伯爵
 彼の体内時計
 おもしろい研究
 学識
 会議と旅行
 客のもてなし

7章 地下壕実験室(1964-1989)
 計画と建築
 実験
 内的脱同調
 アショフとヴェーファー
 他の人々

8章 超有名人(1971-1981)
 立ち机の研究
 非重要人物(VUP)のための歓迎会
 リズムと温熱収支
 医学と生活のリズム
 所長
 マックス・プランク革命
 招待、表彰
 友人
 再びリーダーとして:リングベルグとハンドブック
 定年退職

9章 2人の法王──友情と競争(1958-1996)
 コリン・ステフェンソン・ピッテンドリック
 友情と競争
 書簡と書籍
 遍歴の遊牧民
 受賞候補指名と受賞
 コリンの晩年

10章 帰郷──フライブルグの引退生活(1981-1997)
 なおも進む研究
 行動科学研究所の終焉
 日本との関係
 ヒルデの死

11章 ノートバイラの墓標(1997-1998)
 悲嘆と悔恨
 葬送の行進
 遺産と評価


補足
ユルゲン・アショフの栄誉
アショフ・ホンマ賞(受賞者一覧)
アショフ・ルーラー(受賞者一覧)
SRBR 学術集会におけるピッテンドリック・アショフ講演
謝辞
注釈
引用文献
訳者注
訳者あとがき
ドイツ全図


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