大学出版部協会

 

人間として

今を生きる東日本大震災から明日へ!復興と再生への提言1
人間として

A5判 203ページ 並製
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-86163-192-4 C1300
奥付の初版発行年月:2012年03月

内容紹介

 被災地において、なおも「文化」について、「人間」について何を語りうるのか、また何が語られるべきなのか。私たちは一個の「人間として」何を、どのように提示しうるのだろうか。被災の現場を眼前にして、語るべき言葉を失った、もしくは、語るべき言葉をもちえないというのが当然であろう。しかしそれでもなお、語るべき何事かが私たちを突き動かす。その何事かとはたしかに、私たちの心のうちに抱かれた「哀しみ」ではなかっただろうか。この「哀しみ」を表出することの可能性を尋ねること、それがいま私たちに求められている。
  東北大学文学研究科の研究者が、それぞれにこの問いに対峙した、その答えの一つひとつがここに提示されている。亡くなられた方たちをはじめ、被災された方々に、どのようにして寄り添うことができるのか、「生きる」方途を改めてどのように考えることができるのか、哀しみをどのように表現しうるのかという視点から、各分野それぞれに相応しい主題について考え抜かれた文章がここに収められている。


目次

《目 次》
巻頭言                                久道  茂
まえがき—「人間として」問いかけること               座小田 豊

総論
序章 「今を生きる」ということ                   野家 啓一

第Ⅰ部 歴史から
第一章 死者からのまなざし—生きること・生かされること       佐藤 弘夫
第二章 宮城の海浜風景—その宗教的意味について考える        長岡 龍作
第三章 「縁」—御伽草子『ものくさ太郎』に学ぶ—          佐倉 由泰

第Ⅱ部 現場に立って
第四章 語ることは「いま」を生きること               名嶋 義直
第五章 東日本大震災で体験したこと、感じたこと、考えたこと     阿部 恒之
第六章 東日本大震災時の土葬選択にみる死者観念           鈴木 岩弓
第七章 日本人と震災と宗教                     木村 敏明

第Ⅲ部 根源へ
第八章 己の而今                         戸島 貴代志
第九章 精神の生活—「喪われた者たち」の「記憶」と
          「ふるさと」の根源的な力について—       座小田 豊

あとがき—終わりなき闘いの始まり                  尾崎 彰宏


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