人文社会科学ライブラリ5
ほんとうのことば
戸島 貴代志:著
四六判 232ページ 並製
価格:2,750円 (消費税:250円)
ISBN978-4-86163-355-3 C3010
奥付の初版発行年月:2021年03月 / 発売日:2021年04月上旬
価格:2,750円 (消費税:250円)
ISBN978-4-86163-355-3 C3010
奥付の初版発行年月:2021年03月 / 発売日:2021年04月上旬
内容紹介
人によって語られた言葉がときに当人の何たるかを語るときがある。あの「3・11」での津波の災禍を、「海が牙をむいた」と表現する人もいれば、「自然が伸びをした」と語った人もいた。「牙をむく」や「伸びをする」という言葉そのものが、その語り手自身の海についての暗黙の了解を如実にもの語っており、さらには海をそのように理解するその人の何たるかを、すなわちその人の存在そのものをおのずと言外に語り出している。言葉には存在が宿るのである。本書はそのような立場から、言葉と人との根源的な関わりを思索する挑戦の書である。
目次
まえがき
一章 言葉と自覚
二章 言葉の出自
二章補 回顧ということ
三章 言葉と時間
四章 哄笑と嘲笑
間奏 三章、四章を振り返って
五章 言葉と身体
六章 まことの花
六章補 圧縮、あるいは別の十把一絡げ
七章 沈黙の記述
七章補 間尺に合わない知
終章 長い時 あとがきにかえて