器 幻想と復讐
価格:2,090円 (消費税:190円)
ISBN978-4-86283-379-2 C0095
奥付の初版発行年月:2024年02月 / 発売日:2024年02月下旬
可動式日本間「器」(UTSUWA)。開発者の建築家・内田利惠子氏や、製作に関わった職人たちへのインタビューから導き出したキーワードをもとに、「器」を舞台とする戯曲を創造する。
中野 順哉(ナカノ ジュンヤ)
作家。小説を阿部牧郎、浄瑠璃台本を七世鶴澤寛治の各氏に師事。2002年より各地の歴史をテーマにした講談を創作し音楽とコラボさせた「音楽絵巻」を上方講談師・旭堂南左衛門とともにプロデュース。2014年、独自の大阪文化論「私の見た大阪文化」を作成。2015年より雑誌『新潮45』において「歴史再考」を執筆。2021年、文楽三味線の鶴澤清志郎とともに令和の浄瑠璃の創造を目指すユニット「三善座」を結成。現在は企業の商品・企業活動に人格を与えるブランドパーソナリティ、ブランドストーリーの構築も行う。
主著『うたかた七代目鶴澤寛治が見た文楽』(関西学院大学出版会)。『ンポロゴマの倒錯』(関西学院大学出版会)。『小説最上義光 つわもの』(アルトスリー)。『日本再起動』(共著/関西学院大学出版会)。『永遠の「俺の空」』(関西学院大学出版会)。『「感じる」テクノロジー』(関西学院大学出版会)。『ほんまにそのお店「おいしい」と思ったはります』(共著/ケイオス)。
目次
第一部 「和室」という幻想、そして復讐
「器」と出会う
「縮減模型」の幻想
木の好きな建築設計士・内田利惠子
木と空間と時間─木工職人・前田秀幸
「風」に囲まれる日常─表具師・中野泰仁・智佳子
消滅してゆく「時間」─畳製作技能士・大江俊幸
大量生産の中で暮らせば、人も枯れる─ステンドグラス作家・和田友良
和室という問題意識
「和室」を見る目
復讐
第二部 どのような戯曲にするのか
万物との複雑な関係
装置としての和室
他者の目によって与えられる「役割」
「器」の舞台と試作品について
第三部 戯曲「器」
第一幕
第二幕
第三幕
第四幕
第五幕
参考文献