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日本企業における「和」の機能

日本企業における「和」の機能

四六判 182ページ 並製
価格:2,750円 (消費税:250円)
ISBN978-4-87259-373-0 C3034
奥付の初版発行年月:2010年11月 / 発売日:2010年11月上旬

内容紹介

日本独自の固有性と,他文化と共通の普遍性を
併せもつ「和」の概念が,20世紀後半の日本企
業において果たした役割を分析,考察する.まず,
「和」の多様な語義を整理し,三つの機能を提示
した上で,日本的経営のなかでの「和」の作用を,
商家の家訓や現代の経理理念に照らし論ずる.ま
た,それが外国からはどう見えたのかを,著作や
野球を通し比較文化論により探り,さらに,「和」
の機能を現代に生かす方策を提言する.


目次

第1章 「和」という言葉、ホントのところ

第1節 「和」という語の意味
1.はじめに
2.「おだやかさ」を意味する和語(やまとことば)から派生した意味
3.人間関係を(少なくとも)悪くない状態にする・保つ
4.全体のバランスをとる・保つ
5.「他にあわせて声を出す」から派生した意味
6.複数のものを一つにする
7.「日本」や大和の国に関わるもの
8.「和」のカテゴライゼーション

第2節 「安定」「統一」「適合」—「和」の三つの機能
1.「和」」の三つの機能
2.協力を促す
3.相乗効果をもたらす
4.うさんくさい「和」

第2章 「和」が日本の企業を動かしてきた

第1節 「日本的経営」を解剖する
1.長期雇用
2.年功序列
3.キャリアの形成
4.グループでの活動
5.企業別組合
6.日本的経営の普遍性と特殊性
.
第2節 「日本的経営」と「和」
1.「日本的経営」の構成原理
2.共同体としての企業
3.企業と社員の関係の二面性
4「日本的経営」と「和」

第3節 「和」を生かせ—企業戦略としての「和」
1.商家の家訓と「和」
2.経営理念の基本的性格
3.「協力」を引き出す力—経営理念と「和」

第3章 「和」はミステリーか—アメリカから見た「和」

第1節 文化人類学者が「和」を観察すると
1.異文化としての地方銀行
2.ローレンの見た「和」
3.ファミリーとしての地方銀行
4.ローレンの功績

第2節 日本に学べ—1980年代初頭の日本ブームの中で
1.『ジャパン・アズ・ナンバーワン』に見る人間関係
2.『セオリーZ』に見る人間関係
3.『ジャパニーズ・マネジメント』に見る、日本企業の人間関係と「和」

第3節 日本は全く異質だ
1.「修正主義者」の日本観
2.ハーモニーとジャスティス
3.日本を真似るのは無理だ

第4節 わかっているけど書きたくない「和」
1.日本のプロ野球をアメリカ人が書いてみた
2.「和」に閉め出された外人選手
3.「和」はやっぱりミステリーだ

終章 どう使う、「和」の


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