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とまどう男たち―生き方編

阪大リーブル054
とまどう男たち―生き方編

四六判 284ページ 並製
価格:1,760円 (消費税:160円)
ISBN978-4-87259-435-5 C1336
奥付の初版発行年月:2016年07月 / 発売日:2016年07月上旬

内容紹介

「男」は病気か? 息子に「おまえ幸せかい?」と尋ねる親はどれくらいいるだろうか。男子として生まれた不幸は、ある。男は戦闘的である必要が減り、Y染色体は短縮され、容貌は美しくなり、女性も社会で活躍するようになってきた。しかし、男は若いうちから徐々に孤立し、女よりも腹の脂肪が増え、自殺率が増えているのだ。高度経済成長時代から時代が変わり、とまどう男たちに何が起きているのか。死に方編との同時刊行。

 『とまどう男たち 死に方編』(大村英昭,山中浩司 編)も発売中 


目次

はじめに―受難時代の男性の生と死

第1章 「男」という病―男性の生物学

Y染色体の命運/物学的に女性より弱い証拠/戦争のない社会の男性の役割/妻に発症する昼食うつと夫源病/定年後男性の生き方/定年後の仲間意識と社会参加 

【エッセー 僻目のベビーブーマー論1】「団塊」と呼ばれる世代


第2章 「男子」として生まれた「不幸」

「おまえ幸せかい?」/高等教育は今や世界的に女子優位 /勝負は高等教育に進む前についている/「お父さん、息子さんに本を読んであげてください」/男の子は学業をサボることを誇りにする/ギャップはなぜ拡大したのか/形式的教育における学力差は何をもたらすのか/男子の「幸福」 

【エッセー 僻目のベビーブーマー論2】戦後文化の衝撃


第3章 寄る辺のない若年男子―若年層における孤立問題の男女比較から

男性と孤立問題/危機に直面する若年男子/若年男子の孤立の実態把握/孤立とは何か/「孤立」はなぜ問題なのか/男が孤立に陥りやすいという根拠/「男らしさ」が男を孤立させる/無視できない若年層における孤立者の規模/若年男子の九人に一人は孤立状態にある/男性は相談先が少ない/男性は友人を頼りにできない/分析から明らかになったこと/「相談できない男たち」の行く末 

【エッセー 僻目のベビーブーマー論3】中年クライシス


第4章 「男」は病気か? ―メタボ健診と男性

生物学と社会学のはざまの男たち /男性の身体をめぐる状況/特定健診と中年男性/医療費適正化という課題/強壮肥満/男性の生活態度/国保での特定健診/欠点も多い制度だが……/いつもこころにメジャーを

【エッセー 僻目のベビーブーマー論4】劣化する財産


第5章 男はなぜ自殺するか―女性の労働参加と男性の自殺

一九九八年の日本の自殺増加について/不景気や失業に弱い日本の男性/社会によって異なる自殺と経済との関係/なぜ日本の男性自殺は増えたのか/社会変化のはじまりはどこから?/女性の社会参加はどうかかわっているか?/他人に合わせる顔がなくなるとき 

【エッセー 僻目のベビーブーマー論5】年金・介護



第6章 単身男性の街

生活保護のパラドクス/釜ヶ崎とは/単身男性の街へ/生活保護を受けて孤立する/他の住人とのいざこざ/
アルミ缶回収と猫の餌やり/将棋盤上の付き合い/心地よい距離/男らしさを突き崩すのではなく 

【エッセー 僻目のベビーブーマー論6】「団塊」効果


あとがき
参考文献
執筆者一覧


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