市場化のなかの北欧諸国と日本の介護 その変容と多様性
価格:6,710円 (消費税:610円)
ISBN978-4-87259-597-0 C3036
奥付の初版発行年月:2018年11月 / 発売日:2018年12月上旬
変容する社会のなかで、北欧諸国の介護は市場化がもたらす課題にどのように向き合っているのか。日本の介護労働の実態は北欧諸国とどのように異なり、どのようにあるべきか。
グローバル化、新自由主義的政策の流れのなかで、普遍的給付を原則としてきた北欧諸国の高齢者介護は市場化と多様化の向きを強めている。スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、それぞれの社会情勢や歴史、政策方針を背景にして変化する「介護サービス」の最新動向を、北欧諸国の介護研究の第一人者との共同研究から分析する。また、日本の介護労働は北欧と比較してどのような状況にあるのか、大規模な比較調査から明らかにする。
斉藤 弥生(サイトウ ヤヨイ)
大阪大学大学院人間科学研究科教授
学習院大学法学部政治学科卒業後、スウェーデン・ルンド大学政治学研究科(行政学修士)に留学、1993年大阪外国語大学助手(スウェーデン現代社会論)に着任、講師、助教授を経て、2000年に大阪大学大学院人間科学研究科助教授、2013年より現職。博士(人間科学)、専門は社会福祉学(比較福祉研究、高齢者介護研究)。主著に『スウェーデンにみる高齢者介護の供給と編成』(大阪大学出版会2014)、共編著にEldercare Policies in Japan and Scandinavia: Aging Societies East and West. Palgrave macmillan 2014等。
石黒 暢(イシグロ ノブ)
大阪大学大学院言語文化研究科准教授
大阪外国語大学外国語学部卒業、デンマーク・ロスキレ大学社会経済計画学部留学、同志社大学大学院文学研究科社会福祉学専攻博士前期課程修了。専門は社会福祉学(高齢者介護論、福祉国家論)。主要な著作に『シニアによる協同住宅とコミュニティづくり』(共編著、ミネルヴァ出版 2011)、The Routledge Handbook of Social Care Work Around the World. Routledge 2017(共著)がある。
吉岡 洋子(ヨシオカ ヨウコ)
大阪大学大学院人間科学研究科招へい研究員
山口 宰(ヤマグチ ツカサ)
神戸国際大学経済学部准教授/ 社会福祉法人光朔会高齢者総合施設オリンピア兵庫館長
佐藤 桃子(サトウ モモコ)
島根大学人間科学部専任講師
Marta Szebehely()
Professor, Department of Social Work, Stockholm University, SWEDEN
Gabrielle Meagher()
Professor, Department of Sociology, Macquarie University, AUSTRALIA
Sara Erlandsson()
PhD, Researcher,Department of Social Work, Stockholm University, SWEDEN
Palle Storm()
PhD Researcher, Department of Social Work, Stockholm University, SWEDEN
Anneli Stranz()
PhD Researcher, Department of Social Work, Stockholm University, SWEDEN
Gun-Britt Trygegård()
PhD Researcher, Department of Social Work, Stockholm University, SWEDEN
Tilde Marie Bertelsen()
Assistant Professor, Department of Political Science, Aalborg University, DENMARK
Tine Rostgaard()
Professor, VIVE: The Danish Center for Social Science Research, DENMARK
Mia Vabø()
Research Professor, NOVA, Oslo Metropolitan University, NORWAY
Karen Christensen()
Professor, Department of Sociology, University of Bergen, NORWAY
Mia Vabø()
Research Professor, NOVA, Oslo Metropolitan University, NORWAY
Karen Christensen()
Professor, Department of Sociology, University of Bergen, NORWAY
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
はじめに 社会の変容と高齢者介護―国際比較、介護現場の視点から
第1部 NORDCARE調査からみた北欧諸国と日本の高齢者介護
第1章 「施設」と「在宅介護」の境界線―介護労働者の日常からみえるもの
第2章 スウェーデンと日本の介護労働者の実像―ホームヘルパーと施設職員の属性を中心に
第3章 日本とデンマークの介護労働環境―介護労働者のストレスとその背景
第4章 仕事の裁量とやりがい―Wærnessの「ケアの合理性」概念に焦点をあてて
第5章 スウェーデンの認知症ケアにおける認知症看護師の役割―ヴェクショー市の事例をもとに
第2部 北欧諸国の高齢者介護の今―市場化動向とその多様性
第6章 北欧4カ国における高齢者介護の市場化とその特徴
第7章 スウェーデンにおける高齢者介護の市場化―競争、選択、より厳格な規制の要請
第8章 デンマークにおける高齢者介護の市場化―自由選択、質の向上と効率化の追求
第9章 ノルウェーにおける高齢者介護の市場化―背景とトレンド、それに対する抵抗
関連書
『スウェーデンにみる高齢者介護の供給と編成』(大阪大学出版会、2014)