やりすぎの経済学 中毒・不摂生と社会政策 The Economics of Excess:Addiction,Indulgence,and Social Policy
価格:2,530円 (消費税:230円)
ISBN978-4-87259-616-8 C0033
奥付の初版発行年月:2020年01月 / 発売日:2020年01月中旬
人は時に、これまでの苦労を水の泡にするような不合理な行動を平気で起こす。吸いすぎ、飲みすぎ、食べすぎを知れば、すべてのやりすぎを止められる。タバコ、酒、肥満の3つのやりすぎを、ウィットに富んだ語り口で、専門用語も数式もなく説明。本書のテーマはただ一つ、「時間的非整合」のみ。人間の必ずしも合理的でない行動から、政策のあり方、(福祉)国家のあり方まで無理なく展開。
医療経済、行動経済、公共政策の読み物、教科書、参考書としておすすめですが、自分を含めた人の行動の不合理について本を読みたいひとにもおすすめです。本書で取り上げる「やりすぎる3人」のパターンを知れば、自分が不合理な行動を取ろうとするときにちょっと思い出すようになり、抑止力にもなります。原著の出版年は少々古いと言えますし、アメリカの本ではありますが、読んでみると人の不合理なやりすぎ行動は古今東西変わらないとわかります。参考となる文献も多く挙げられています。経済学を専門にしていなくても読めるように書かれており、経済学書としては、軽すぎず、重すぎず、興味本位で読んでも読めると思います。
ハロルド・ウィンター(ハロルド・ウィンター)
ハロルド・ウィンター(Harold Winter)
オハイオ大学(オハイオ州アセンズ)経済学教授。著書に、Trade-Offs: An Introduction to Economic Reasoning and Social Issues, 2nd ed., University of Chicago Press (2013), The Economics of Crime: An Introduction to Rational Crime Analysis, 2nd ed., Routledge (2019)などがある。
Ohio University Collefe of Art&Science Department of Economics Professor Economics
Education:Ph.D.,University of Rochester
河越 正明(カワゴエ マサアキ)
日本大学経済学部教授、大阪大学大学院医学系研究科医療経済・経営学寄附講座特任教授。専門は、日本経済、医療経済、マクロ経済。
1987年東京大学経済学部、1994年London School of Economics and Political Science (MSc.)、2017年大阪大学(博士(国際公共政策))。1987年経済企画庁に入庁し、2018年3月に内閣府を退職するまでに政策統括官(経済財政運営担当)付参事官(総括担当)、経済社会総合研究所総括政策研究官のほか、経済協力開発機構(OECD)経済局エコノミスト、(公社)日本経済研究センター主任研究員、(公財)連合総合生活開発研究所主任研究員などを歴任。2018年4月より現職。景気循環学会理事。著書に、『医療と経済』大阪大学出版会(共編著、2016年)、『グローバル化の進展とマクロ経済』慧文社(共編著、2011年)がある
目次
序 文
第1章 中毒の経済学
第2章 喫煙であなたは死ぬかも
第3章 あなたの健康に乾杯
第4章 食べ放題
第5章 あなたに何が一番いいかはわかっている
第6章 新しい温情主義―最終的な見解
参考文献
訳者あとがき
索引