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助ける

シリーズ人間科学2
助ける

四六判 272ページ 並製
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-87259-619-9 C1330
奥付の初版発行年月:2019年03月 / 発売日:2019年04月上旬

内容紹介

助ける/助けないことは、生き物すべてが生涯を生き抜く際に行う日常的で不可欠な行為である。本書では、助けること、助けないことを哲学的、共生学的に議論し、障害、差別、途上国など多様な場面での助ける行為を医療社会学、教育社会学、国際協力学のフィールドワークから伝える。さらに、人間工学、比較行動学、臨床心理学、現象学、グループ・ダイナミクスなどの視点から論じて、「助ける」に関する実践的な展望を拓く。

著者プロフィール

渥美 公秀(アツミ トモヒデ)

大阪大学大学院人間科学研究科・教授
大阪府生まれ。1993年ミシガン大学大学院修了、博士(Ph.D. 社会心理学)。
神戸大学助教授、大阪大学大学院人間科学研究科准教授を経て、2010年から同教授。日本グループ・ダイナミックス学会理事。阪神・淡路大震災以来、災害ボランティアと救援・復興・防災について研究してきた。(認特)日本災害救援ボランティアネットワーク理事長を務める。

稲場 圭信(イナバ ケイシン)

大阪大学大学院人間科学研究科・教授
東京都生まれ。2000年ロンドン大学大学院博士課程修了、博士(Ph.D. 宗教社会学)。
神戸大学助教授、大阪大学大学院人間科学研究科准教授を経て、2016年から同教授。
日本宗教学会理事。20年以上にわたり、宗教の社会貢献や宗教的利他主義を研究してきた。
現在、科学技術も活用し、宗教施設を地域資源とした防災に産官社学連携で取り組んでいる。

檜垣 立哉(ヒガキタツヤ)

大阪大学大学院人間科学研究科・教授。専門は哲学、現代思想。
〈主な業績〉
檜垣立哉(2008)『賭博/偶然の哲学』河出書房新社
檜垣立哉(2010)『瞬間と永遠 ジル・ドゥルーズの時間論』岩波書店

栗本 英世(クリモトエイセイ)

大阪大学・副学長、大学院人間科学研究科・教授。専門は、社会人類学、アフリカ民族誌学。
〈主な業績〉
Kurimoto, Eisei and Simon Simonse (eds) (1998) Conflict, Age and Power in North East Africa. James Currey.
栗本英世 (1999) 『未開の戦争、現代の戦争』岩波書店
河森正人、栗本英世、志水宏吉編 (2016) 『共生学が創る世界』大阪大学出版会

稲場 圭信(イナバケイシン)

大阪大学大学院人間科学研究科・教授。専門は共生学、宗教社会学。
<主な業績>
稲場圭信(2011)『利他主義と宗教』弘文堂
稲場圭信・黒崎浩行編著(2013)『震災復興と宗教』明石書店

山中 浩司(ヤマナカヒロシ)

大阪大学大学院人間科学研究科・教授。専門は、医療社会学、科学思想史。
<主な業績>
山中浩司(2011)『医師と回転器/19世紀精神医療の社会史』昭和堂
大村英昭・山中浩司編『とまどう男たち 死に方編』大阪大学出版会

髙田 一宏(タカダカズヒロ)

大阪大学大学院人間科学研究科・教授。専門は教育社会学・同和教育論。
<主な業績>
髙田一宏(2016)「部落問題と教育ー見えない排除」志水宏吉編『社会のなかの教育』(岩波講座 教育 変革への展望 第2巻)岩波書店、229-257
髙田一宏(2019)『ウェルビーイングを実現する学力保障ー教育と福祉の橋渡しを考える』大阪大学出版会

杉田 映理(スギタエリ)

大阪大学人間科学研究科・准教授。専門は国際協力学、開発人類学。
<主な業績>
杉田映理(2017)参加するの私たち—大学生の国際ボランティア活動参加の動機と意義.信田 敏宏・ 白川 千尋 ・宇田川 妙子 編著『グローバル支援の人類学—変貌するNGO・市民活動の現場から』昭和堂. 92-126
杉田映理(2011)エミックな視点から見えるトイレの問題—現地社会の内側からの理解とは.佐藤寛・藤掛洋子編著『開発援助と人類学—冷戦・蜜月・パートナーシップ』明石書店.106-127

篠原 一光(シノハラカズミツ)

大阪大学大学院人間科学研究科・教授。専門は認知心理学、人間工学、交通心理学。
<主な業績>
篠原一光・中村隆宏編著(2013)『心理学から考えるヒューマンファクターズ 安全で快適な新時代へ』有斐閣
原田悦子・篠原一光編著(2011)『現代の認知心理学4 注意と安全』北大路書房

山田 一憲(ヤマダカズノリ)

大阪大学大学院人間科学研究科・講師。専門は比較行動学。
<主な業績>
山田一憲(2016)霊長類のコンフリクトと共生.河森正人・栗本英世・志水宏吉編著『共生学が創る世界』大阪大学出版会,196-208
山田一憲(2017)霊長類における平等と利他性の起源について.『日本の科学者』52,94-100

井村 修(イムラオサム)

大阪大学人間科学研究科教授。博士(心理学)。主な関心は、筋ジストロフィー患者への心理的支援、臨床動作法の実践的研究、統合失調症患者の社会的認知に関する研究。
<主な業績>
「病気のひとのこころ第3章筋ジストロフィーの人のこころと援助」誠信書房(2018)。

村上 靖彦(ムラカミヤスヒコ)

大阪大学大学院人間科学研究科・教授。専門は、現象学、現象学的な質的研究。
<主な業績>
村上靖彦(2018)『在宅無限大 訪問看護師が見た生と死』、医学書院
村上靖彦(2017)『母親の孤独から回復する』、講談社
村上靖彦(2016)『仙人と妄想デートする 看護の現象学と行為の哲学』、人文書院

渥美 公秀(アツミトモヒデ)

大阪大学大学院人間科学研究科・教授。専門は共生学、グループ・ダイナミック
ス。
<主な業績>
渥美公秀(2014)『災害ボランティア』弘文堂
渥美公秀(2001)『ボランティアの知』大阪大学出版会

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

シリーズ人間科学 巻頭言
まえがき 

第1部 「助ける」のフィロソフィー
第1章 助けることの哲学(檜垣立哉)
第2章 調査研究の中立性から「かかわりあい」へ(栗本英世)
第3章 助ける宗教(稲場圭信)

第2部 「助ける」のフィールド
第4章 男性性と助けられること(山中浩司)
第5章 「共助」の力(髙田一宏)
第6章 国境を越えて助けること(杉田映理)

第3部 「助ける」のサイエンス
第7章 道具・技術が人間を助ける場合・助けない場合(篠原一光)
第8章 助けるサル、助けないサル (山田一憲)

第4部 「助ける」のアート
第9章 カウンセリングにおける助ける工夫(井村修)
第10章 支援者は生存を肯定し、変化を促す触媒となる(村上靖彦)
第11章 災害ボランティアが重ねてきた工夫(渥美公秀)

索引 
「シリーズ人間科学」編集委員会・執筆者紹介


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