大阪大学社学共創叢書3
記憶の劇場 大阪大学総合学術博物館の試み
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-87259-698-4 C1070
奥付の初版発行年月:2020年03月 / 発売日:2020年04月中旬
今日、博物館では既存のミッションからの転換が求められている。
どのようにすれば博物館の資料を市民との交流の中でより開かれたものにしていけるのか、大阪大学総合学術博物館が2016年から3年間実施した社会人育成プログラムの経験を通して考察。
〈大阪大学総合学術博物館 文化芸術ファシリテーター養成プログラム「記憶の劇場」概要〉
大学博物館の特性を生かしながら様々なジャンルの芸術活動に関わり、企画運営しつつアート・マネジメント人材を育てるプログラム。博物館に収められているいわゆる〈ミュージアム・ピース〉の豊かさを引き出し、〈生きたアート〉として公開していく文化芸術ファシリテーターの育成を目指す。
永田靖(ナガタヤスシ)
鳥取女子短期大学助教授を経て、現在、大阪大学大学院文学研究科教授、大阪大学総合学術博物館長。
IFTR 国際演劇学会アジア演劇WG代表、日本演劇学会会長。専門は演劇学、近現代演劇史。
共編著に Modernization of Asian Theatres(Springer, 2019)、Transnational Performance, Identity and Mobility in Asia(Palgrave, 2018)、『歌舞伎と革命ロシア』(森話社、2017)、共著にAdapting Chekhov The Text and its Mutations (Routledge, 2013 )、The Local Meets the Global in Performance(Cambridge Scholars Publishing, 2010)、『アヴァンギャルドの世紀』(京都大学学術出版会、2001)、翻訳に『ポストモダン文化のパフォーマンス』(国文社、1994)等、多数。
山﨑達哉(ヤマザキタツヤ)
大阪大学大学院文学研究科特任助教。専門は芸能史。
対象は神楽や箱まわし、えびすかき、ちんどん屋などの芸能。
論文に「佐陀神能の変化とその要因に関する研究:神事と芸能の二面性」(『待兼山論叢 文化動態論篇』、2016)、共著に『待兼山少年―大学と地域をアートでつなぐ《記憶》の実験室―』(大阪大学出版会、2016)。
アートマネジメント講座の事務局を担当しながら、「TELESOPHIA」プロジェクトなどにて、震災、芸能、音楽などをテーマにイベントなどを企画運営している。
目次
大学博物館で社会人と共に学ぶこと ―序文にかえて― (永田靖)
■第1部 歩くこと、聞くこと、触れること
第1章 水の回廊から空堀街あるきへ
―地域文化の発信・顕彰とメディアリテラシー― (橋爪節也)
第2章 TELESOPHIA プロジェクト(山﨑達哉)
第3章 自然科学に親しむ・触る・アートする(伊藤謙)
■第2部 パフォーミング・メモリーズ
第4章 オペラ『新しい時代』再演をめぐる三年間(伊東信宏)
第5章 パフォーミング・ミュージアム―演劇と博物館の新たな可能性について―(永田靖・横田洋)
第6章 ドキュメンテーション/アーカイヴの残痕(古後奈緒子)
■第3部 プログラムとしての記憶
第7章 アート・ファシリテーター育成プログラムとしての「記憶の劇場」 (渡辺浩司)
第8章 展覧会「記憶の劇場」 (山﨑達哉・渡辺浩司)
あとがき
附録 「記憶の劇場」3年間の記録
執筆者紹介