はかせのわくわく科学絵本
ねえねえはかせ、ぼくたちはどうやって免疫に守られてるの? 免疫細胞たちのおしごと
価格:1,980円 (消費税:180円)
ISBN978-4-87259-761-5 C8747
奥付の初版発行年月:2022年03月 / 発売日:2022年03月中旬
ウイルスや細菌などの外敵が体の中に侵入したとき、どうやって免疫で体が守られているのかをやさしく学べる絵本です。
お話では、ワクチン接種をうけてきたアイルくんが、どうして元気なのに注射をうけるのか、お父さんのセマ教授と、免疫を研究するホリン博士に、免疫細胞たちが働いているところを見せてもらいながら、教えてもらいます。
免疫は3つのステップで成り立っています。皮ふや粘膜のバリアを破って侵入してきた敵を、体のなかのふしぎな形をした免疫細胞たちは、発見して、食べたり、ほかの免疫細胞たちに知らせたり、攻撃にぴったりの武器をつくる仕事をする免疫細胞に敵の特徴を教えたり、大忙しです。攻撃しすぎて体を傷つけないようにする調整役の免疫細胞もでてきて、連係プレーでからだを守っています。子どもたちにも、私たちの体内で起こっている出来事を身近に感じてもらい、免疫の世界に興味を持ってもらえるよう、キャラクターの免疫細胞たちは、できるだけリアルな姿に近づけて、細胞どうしの情報の受け渡しは特別な手袋や紙飛行機で表現して描かれています。免疫のしくみ、免疫細胞の種類とそれぞれの仕事を子どもたちにも知ってもらうことは、将来自分の体を守るために大切です。アイルくんはワクチンの大切さを知り、免疫細胞たちを応援するために、自分ができることも教えてもらいます。初版第1刷は付録ポスター付きです。
付録ポスターには、中高生や大人が学べる内容(免疫のキーポイント)も入っています。
(読んであげるなら5~6歳。一人で読むなら低学年から)
赤ちゃんのうちから予防接種をたくさん受ける子どもたちに向けて、なぜワクチン接種をうけるのか、複雑な免疫応答の仕組みを、ウイルスや細菌の侵入からのひととおりの流れがわかることを目標に、基本をおさえたお話にまとめました。
近年、免疫の働きがさまざまな病気にかかわることも、広く注目されるようになりました。
初版1刷のみ、壁に貼って、より大きな免疫応答の流れを眺められる、もっと詳しいポスター付です。
ちなみに、登場人物のセマ教授は、監修者の熊ノ郷淳先生がモデルです。アイルくんの名前と髪型はIL(インターロイキン、免疫細胞が情報を伝えるために分泌するタンパク質)、ホリン博士のネーミングは、セマ教授とあわせて免疫系で重要な働きを示すタンパク質の「セマフォリン」をもとにしています。
熊ノ郷 淳(クマノゴウ アツシ)
大阪大学 大学院医学系研究科 呼吸器・免疫内科学 教授、博士(医学)
免疫応答の制御や免疫病態に関わる「セマフォリン」研究の第一人者。1991年に大阪大学医学部医学科を卒業。内科臨床研修を経て、1993年から大阪大学 大学院医学系研究科にて研究に従事。1997年に大阪大学 微生物病研究所に移り、神経の伸びる方向を決めるガイダンス因子とされてきた「セマフォリン」が免疫調節に関わることを発見。2006年より大阪大学 微生物研究所 教授、2007年 大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 教授。2011年より現職。
野口 悦(ノグチ エツ)
大阪大学 大学院医学系研究科 広報室 特任助教
University of California, Davis校 Horticulture & Agronomy Graduate Group 修了。大阪大学 大学院医学系研究科で特任研究員として角膜の再生医療に関する研究に携わり、その後民間企業での化粧品・医薬品の研究開発職を経て、2012年に京都大学iPS細胞研究所(CiRA)所長室に移る。2014年よりCiRA国際広報室で科学コミュニケーション・研究広報に従事。2016年より現職。
渡辺 祐司(ワタナベ ユウジ)
大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 企画室 特任助教、修士(医科学)。
専門はウイルス学、科学コミュニケーション。免疫学の広報・アウトリーチ活動を企画・運営するとともに、高大連携、科学人材育成、社会課題の解決に向けた多様なステークホルダーの繋ぎ方などに取り組む。2015年 京都大学 大学院医学研究科 博士課程 単位取得退学。2015年より京都大学 霊長類研究所、2016年 学際融合教育推進研究センター 特定研究員。2018年より大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 特任研究員。2021年より現職。
高岡 円(タカオカ マドカ)
株式会社遊文舎所属
2020年より株式会社遊文舎にてグラフィックデザイナーとして勤務。