生態学ライブラリー13
サルの生涯、ヒトの生涯 人生計画の生物学
価格:2,530円 (消費税:230円)
ISBN978-4-87698-313-1(4-87698-313-5) C0345
奥付の初版発行年月:2004年04月 / 発売日:2004年04月上旬
本書の中心テーマは生活史理論である.「人生計画」の理論,すなわち,成長に何年かけ,どのくらいの大きさの子供をいくつ生み,何歳まで生きるべきかを予測・説明する進化論と人口学が組み合わさった理論体系を,霊長類の生活史をもとに紹介し,人類が進化するうえでいかに生活史が変化したかを経て,近代人の生活史の特徴まで説明する.
デヴィッド・S・スプレイグ(スプレイグ,D.S.(デヴィッド・S))
独立行政法人農業環境技術研究所管理ユニット研究リーダー。 Ph.D.
1989年 イェール大学人類学部博士号取得。
京都大学理学部特別研究員、京都大学アフリカ地域研究センター特別研究員、筑波大学講師、農業環境技術研究所主任研究官を経て現職。
専 門:霊長類社会生態学、保全生態学
主な著書
Evolution and Ecology of Maccaque Societies (Cambridge University Press, 1996年, 分担執筆)
Human and Non-Human Primate Interconnections and Conservation: An Anthropological Perspective
(Cambridge University Press, 2002年, 分担執筆)
Agriculture and Biodiversity: Developing Indicators for Policy Analysis(OECD, 2003年, 分担執筆)
目次
第一章 生活史というあなた
1 一生の自分が自分自身
2 生活史観
3 あなたはサルの生活史
4 生活史理論
第二章 共に生きる我らの人生
1 年齢別統計の妙
(1)寿命の軌跡―生存曲線
(2)年齢別出生率
(3)あの子は歳のわりには……
2 生活史は如何にして研究するか
3 この人々は誰?
4 本当の人生
5 人類学の生活史研究
第三章 我が人生に悔い無し―生活史戦略に内包される生涯の駆け引き
1 人生の悩み
(1)生物としての生涯の駆け引き
(2)駆け引きの結論
(3)哺乳類の駆け引き
(4)哺乳動物の様々な生活史
(5)動物の子だくさんと少子化
2 霊長類という生き方
(1)同じ大きさとしては?
(2)生活史進化の全体像
(3)子育ては子運びから
(4)脳の大きさ
3 アロメトリーの神秘
第四章 サルとは違うヒトの生涯―霊長類の成長
1 育ち盛りのモンベヤール君
2 霊長類の成長曲線
3 成長の中身
(1)サルには子供期がない!
(2)サルには青年もいない?
4 骨格が示す古人類の成長
5 生涯最大の駆け引き
6 成長理論の行方
第五章 大人の稼ぎ―生涯を決める生活資源の分配
1 生命保険の生活史戦略
(1)稼ぎの配分
(2)自分で稼ぐ霊長類
2 ヒトの特異性
(1)霊長類における食べ物の分配
(2)ヒトの生態は大人の生態
(3)少子化の進化
(4)現代の少子化
3 現代社会の駆け引き
謝 辞
読書案内
引用文献
索 引