大学出版部協会

 

バンコク1886~2012年都市交通のポリティクス

都市交通のポリティクス バンコク1886~2012年

菊判 544ページ 上製
価格:7,700円 (消費税:700円)
ISBN978-4-87698-377-3 C3065
奥付の初版発行年月:2014年02月 / 発売日:2014年02月上旬

内容紹介

元来,大都市交通は数多のセクターから構成されている。市内軌道,バス,都市鉄道のみならず,非先進国ではトラックやバンを用いた「非公式交通」が交錯する。その上,大衆の利便に関わる都市交通は,容易に政治の道具となり政策は混乱する。都市交通の持つ諸問題を技術セクターの多様性と政治的利害という観点から炙り出す意欲作。

著者プロフィール

柿崎 一郎(カキザキ イチロウ)

横浜市立大学国際総合科学部准教授
1971 年生まれ。1999年,東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了。横浜市立大学国際文化学部専任講師,同助教授を経て,2005年より現職。博士(学術)。『タイ経済と鉄道1885〜1935 年』で第17回大平正芳記念賞,『鉄道と道路の政治経済学 タイの交通政策と商品流通 1935〜1975 年』で第2回鉄道史学会住田奨励賞を受賞。

主要著書
『タイ経済と鉄道1885〜1935 年』(日本経済評論社. 2000年) . Laying the Tracks: The Thai Economy and its Railways, 1885-1935 (Kyoto University Press (京都大学学術出版会),2005年), 『物語 タイの歴史』(中公新書,2007年),『鉄道と道路の政治経済学 タイの交通政策と商品流通1935〜1975年』(京都大学学術出版会,2009年),『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』(学術選書,京都大学学術出版会,2010年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章 都市交通研究の意義
【のりものずかん】本書に登場する主な都市交通手段

第1章 軌道系輸送手段の導入(1880〜1900年代)
第1節 外国企業による市内軌道の導入
第2節 軌道事業へのタイ人の参入
第3節 近郊鉄道の成立
第4節 市内軌道事業の統合
第5節 政府の市内軌道政策
小 括
コラム1 市内軌道網を補完した定期船

第2章 競合の発生(1910〜1930年代)
第1節 市内軌道の復活と拡張
第2節 近郊鉄道の都市鉄道化への模索
第3節 バスの出現
第4節 市内軌道への逆風
第5節 外国企業による都市交通事業の限界
小 括
コラム2 バスの切符

第3章 主役の交代(1940〜1950年代)
第1節 戦時中の都市交通
第2節 停滞する軌道系輸送手段
第3節 バス国営化計画の浮上
第4節 運輸省によるバス事業統制
第5節 軌道系輸送手段からバスへ
小 括
コラム3 半世紀続いたバスの路線番号

第4章 バス事業の統合(1960〜1970年代)
第1節 軌道系輸送手段の消滅
第2節 バス統合計画の出現
第3節 バス運賃値上げ問題
第4節 バス統合計画の実現
第5節 バスによる都市交通の限界
小 括
コラム4 復活するるパークナーム線

第5章 軌道系輸送手段の復活(1970〜1990年代)
第1節 都市鉄道計画の浮上
第2節 統合後のバス事業
第3節 3つの都市鉄道計画
第4節 バス事業効率化への模索
第5節 停滞する都市交通
小 括
コラム5 国鉄の通勤列車

第6章 混迷する都市交通政策(2000年代)
第1節 タックシン政権の都市鉄道政策
第2節 迷走と対立
第3節 バス事業の主導権争い
第4節 クーデター後の都市交通政策
第5節 「売夢政策」の限界
小 括
コラム6 暫定開業した淡赤線

第7章 都市交通史が語るもの ——統制の強化と政治化——
第1節 輸送手段の変遷
第2節 統制の強化
第3節 都市交通の政治化
小 括
コラム7 「歩く」ようになったバンコクの人々

終 章 総括と課題

附 表

引用資料
引用文献
引用ホームページ
あとがき
事項索引
人名索引
地名索引


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。