大学出版部協会

 

国境と仏教実践

地域研究のフロンティア3
国境と仏教実践

菊判 338ページ 上製
価格:5,060円 (消費税:460円)
ISBN978-4-87698-385-8 C3339
奥付の初版発行年月:2014年02月 / 発売日:2014年02月下旬

内容紹介

出家せずして地域の信仰の中核を担う――中国雲南省徳宏州で筆者が目にしたのは、今までの「上座仏教社会の常識」がまるで通用しない宗教実践の姿であった。長期の定住に基づく緻密な民族誌が、ミャンマーと中国の<境域>が育んだ、在家信者が織り成す独自の信仰空間を描き出す。

著者プロフィール

小島 敬裕(コジマ タカヒロ)

1969 年生まれ。1994年,北海道大学文学部文学科中国文学専攻課程卒業。札幌北斗高等学校,WIN日本語学校(在ミャンマー)勤務の後,ヤンゴン外国語大学に留学。帰国後,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程に入学し,雲南民族大学留学を経て2010 年に修了。博士(地域研究)。単著に『中国・ミャンマー国境地域の仏教実践——徳宏タイ族の上座仏教と地域社会』(2011年,風響社) ,共著に『〈境域〉の実践宗教——大陸部東南アジア地域と宗教のトポロジー』 (2009年,京都大学学術出版会),『静と動の仏教——新アジア仏教史04 スリランカ・東南アジア』(2011年,佼成出版社)等がある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

口絵
序章 本書の課題と目的
1. 研究の背景——在家者が主導する上座仏教
2. 上座仏教徒社会の先行研究と課題
3. 本書の構成
第 1 章 「境域」空間をなす徳宏
1. 徳宏の主要都市——芒市と瑞麗
2. 徳宏タイ族
3. 徳宏の地域史
4. 調査村TL村
コラム
第 2 章 徳宏タイ族の宗教的特徴
1. 他地域との比較から
2. 西双版納と徳宏
3. 徳宏において出家者が少数にとどまる背景
4. 出家者の止住を必要としない村落
5. TL村の宗教構成
6. 宗教実践の場
コラム
第 3 章 「在家」が織りなす信仰空間
1. TL村の年中儀礼
2. 村人の人生と儀礼
3. 死者供養の儀礼
4. 在家者と仏
5. 在家者と出家者
6. 精霊信仰と仏教
コラム
第 4 章 担い手から見る宗教実践
1. ホールー
2. 女性修行者
3. 出家者
4. サーラー
5. ザウザーイ・ザウラーン
コラム
第 5 章 ホールーの越境と実践の動態
1. ホールーの役割
2. ヒン・ラーイの寺籠りとホールー
3. 越境するホールー
4. 誦経・説法に関する実践の変容
5. 継続する声の実践
コラム
第 6 章 仏教実践と政治権力
1. 戒律実践の多様性
2. 多様性を生む要因
3. ミャンマ一政府の宗教政策と地域の実践
4. 中国政府の宗教政策と実践の変容
5. 政治権力と宗教実践
コラム
終章 徳宏タイ族の仏教実践とその行方
1. 在家者が主導する仏教実践
2. 課題と展望
3. TL村の生活変化と仏教実践の行方
参考資料
1. 用語集
2. 年表
あとがき
文献一覧
索 引


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。