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雰囲気と集合心性

雰囲気と集合心性

小川 侃:編著, 梶谷 真司:他著, 小関 彩子:他著
A5判 424ページ
価格:4,400円 (消費税:400円)
ISBN978-4-87698-422-0(4-87698-422-0) C3010
奥付の初版発行年月:2001年04月 / 発売日:2001年04月下旬

内容紹介

現象学は,フッサールによって基盤が築かれた20世紀を代表する哲学運動である.しかし,この運動は多様な分岐を生み,シュミッツの提唱する「新しい現象学」もそのひとつ.シュミッツは身体現象学の立場から“雰囲気”というキ一概念を提示したが,本書では,これに基づき,民族学,法哲学,社会学などに新しい視点からの解析を試みる.

著者プロフィール

小川 侃(オガワ タダシ)

京都大学大学院人間・環境学研究科教授(自然・人間共生基礎論講座/自然・文化構造論)京都大学博士(文学)
1945年 大阪府生まれ 1974年 京都大学大学院文学研究科博士課程修了
1974年 京都産業大学専任講師
1991年 広島大学総合科学部教授を経て現職
主な業績
『現象のロゴス――構造論的現象学の試み』(勁草書房, 1986年)
『現象学と文化人類学――文化の多元論を越えて』(世界書院, 1989年)
『現象学と構造主義――対決と調和』(世界書院, 1990年)
『自由への構造――現象学の視点からのヨーロッパの政治哲学の歴史』(理想社, 1996年)
『新現象学運動』(共編, 世界書院, 1999年)
『風の現象学と雰囲気』(晃陽書房, 2000年)

梶谷 真司(カジタニ シンジ)

龍谷大学文学部非常勤講師 1966年 名古屋生まれ 1989年 京都大学文学部哲学科宗教学卒業
1994年 京都大学人間・環境学研究科修士課程修了 1997年 京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了, 京都大学博士(人間・環境学)
1998年~2001年 日本学術振興会特別研究員
2000年~ 龍谷大学文学部非常勤講師

小関 彩子(オゼキ アヤコ)

龍谷大学国際文化学部非常勤講師
1970年 和歌山県生まれ 1994年 お茶の水女子大学文教育学部卒業
1997年 京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了 2001年 京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了, 京都大学博士(人間・環境学)

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

文 (小川 侃)

1 風・雰囲気・身体 (小川 侃) フッサール、ハイデッカー、シュミッツをめぐって
 1-1 雰囲気の現象学
 1-2 風と雰囲気
 1-3 情態性と根本気分
 1-4 不安の構造
 1-5 不安と世界
 1-6 気分と感情
 1-7 感情と雰囲気
 1-8 雰囲気と身体性

2 集合心性と異他性 (梶谷真司) 民俗世界の現象学
 はじめに――集合心性の現象学に向けて
 2-1 雰囲気としての異他性
 2-2 異他性と民話の生成
 2-3 神の異他性と生の共同性
 2-4 自然の異他性と祭儀
 おわりに――現実と虚構のあいだで

3 ベルクソンにおける自我論と自我を超えるもの (小関彩子)
 はじめに
 3-1 自我の二つの様相
 3-2 身体と物質
 3-3 集合心性と行動
 3-4 自我の二つの局面
 3-5 開かれた自我
 おわりに

4 法と共同性 (野村文宏) 現象学の視点から
 はじめに
 4-1 現象学の方法
 4-2 現象学的法哲学
 4-3 現象学と現象学的法哲学  

5 ガリレオの科学の成立基盤としての集合心性 (松本雅美)
 はじめに――ガリレオの科学と集合心性
 5-1 数学的自然学の思想的基盤
 5-2 数学的自然学の社会的基盤
 5-3 「生活世界」からの自然の数学化の解明
 おわりに――自然学への数学的思考の導入と科学技術の結合

6 デュルケームの社会学の基礎 (小川侃)
        現象学の視点からのデュルケーム批判の試み
 はじめに
 6-1 デュルケームの意味での「事実」
 6-2 デュルケームと現象学の方法
 6-3 デュルケーム社会的現象と集合的感情
 6-4 デュルケームにおける隠れた存在論問題
 6-5 デュルケームと地平性の思想
 6-6 デュルケームにおける集合心性と身体的 コミュニケーション
 6-7 集合的沸騰と身体的コミュニケーション
 6-8 集合心性と実存――結びにかえて
 著訳者略歴
 索   引


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